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全面禁煙の被害

 2008-01-07
フランスでは、2008年1月1日から、公共のカフェ、レストラン、バー、ディスコやクラブ、ホテル、カジノでの全面禁煙法が施行されました。

大晦日には、「カフェでコーヒーを飲みながらタバコの煙をくゆらす人々をみるのもこれが最後かぁ~」と感慨深くなってしまいました。非喫煙者となってはや2年の私としては、カフェが全面禁煙といわれてもほとんど他人事のように思われ(同席の人がタバコを吸おうが吸うまいがあまり気にしないので)、この法律が決まったときは「ふ~ん」って感じだったのですが、いざ施行されるとなると、「街の風景が変わってしまうんだなあー」と残念な気持ちにもなってきました。
全面禁煙法の施行は大晦日からニュースで報じられていて、それを見ながら、喫煙者である同居人が「最後にカフェでコーヒーを一杯飲みながらタバコが吸いたかった」とぽつり。ああぁ、配慮が足りなくてごめんよ~。せっかくお出かけしたのに、カフェなんか素通りしちゃったもんね。

1月1日から正式に施行されたものの、実際に罰金が課せられたのは1月2日から。1月1日には、まだカフェでタバコを吸う人もいたようです。
ちなみに、違法で喫煙した人には68ユーロ、喫煙させた施設の責任者には135ユーロの罰金。

sg.jpgル・モンドには、イギリスやアメリカで「全面禁煙の第一の被害者はフランス文化」と報じられているという記事が掲載されました。リーヴ・ゴーシュのカフェで、タバコの煙の中、ケンケンガクガクと議論する知識人たち…というイメージはもうすっかり過去のもの。両切りのジタンやゴロワーズがそのイメージの一部になっているセルジュ・ゲンズブールも然り…。

ここ数年、法的に禁煙が強化される傾向にあり、過去にはタバコ屋が抗議行動を起こしたこともあります。今回の全面禁煙法では、「客の大半は喫煙者だ」というカフェが、収益が下がるという懸念を訴え、土壇場でテラスでの喫煙はOKとなりました。
というわけで、カフェでコーヒーを飲みながら一服というのは完全に不可能になったわけではありません。
1月1日以降、この寒い中、外のテラス席が混んでいます。

レンヌのとあるカフェでは、テラスで喫煙する客に、自店のロゴが入ったベストを貸し出しているとか。逆手をとって宣伝効果を狙っているらしい。

テラスの他に、施設内に喫煙室を設けることは可能。しかし、この喫煙室には、「商業施設全面積の20%以下(最大35?)であること」「1時間に喫煙室の10倍の空気入れ替えができる装置がついていること」「通り道でないこと」「喫煙室ではサービスが行われず、従業員が中に入らなくてもよいこと」などの条件があり、実際にこうした設備をつけてまで喫煙客を擁護しようというカフェはほとんどない様子。っていうか、カフェやレストランでそんな喫煙室を作るのはちょっと難しそう。

しかし、喫煙客の多いカフェへのこうした措置が全く適用不可能なのが、水煙管(キセル)を売り物にしたオリエンタル・カフェ。

オリエンタル・カフェは、北アフリカや中近東出身者にとっての郷愁の場であるだけでなく、最近は異国情緒に浸りたい若者たちの憩いの場でもあります。徐々に人気が広がり、近年、カフェの数も増加傾向にありました。こうしたカフェではコーヒーやミント・ティーなどが飲めますが、目玉は水煙管。収益の80%が水煙管なのだそうです。全面禁煙法により、この水煙管が吸えなくなるため、オリエンタル・カフェの商売はあがったり。

UPN(Union des professionnels du narguile、水煙管職業連盟)は、水煙管を商売としたオリエンタル・カフェに特例を認めてくれるよう政府にかけあいましたが、たらいまわしにされて聞き入れてもらえなかったそうです。政府は、水煙管以外のもので今まで通りに営業すればよいとし、施行直前の大晦日にはロズリンヌ・バシュロー健康相が「いかなる特例も認めない」と述べるなど、全面禁煙実施に強い姿勢を見せています。

1月4日、フランス北東部のメスで水煙管のバー「スフィンクス」を営んでいるバユミ・エル・サヤド氏が国を相手取り、6万ユーロの損害賠償を請求。UPNはこの請求に連帯を呼びかける可能性を示唆しています。

嫌煙家にとっては嬉しい法律でしょうし、受動喫煙の問題などもあるとはいえ…タバコを買ってる人は高い税金も払っているんだから、好きに吸う権利も認めるべきなのではないか…と思ったり。

外国の報道機関が「全面禁煙法の第一の被害者はフランスの文化」と言うように、タバコを吸うのは、単に物理的効果(リラックスするためとか)だけでなく、イメージによる部分も大きい。
水煙管にしたって、オリエンタルの文化の一つと捉えられているわけだし、普通のタバコより有害性が大きいらしいけれど、好んで毒をのんでいるんだから放っておいてくれればいいのに。
「この法律にかかっているのは公共の健康」とバシュローは言っていたけれど、これってほんとに「生政治」だなあ。

参照:
Liberationより

「Interdiction de fumer: ce que dit la loi」
RUE89より
「Les salons de narguile, victimes oubliees de l'interdiction du tabac」
Yahoo Franceより
「En reclamant dedommagement à l'Etat, un bar a chicha de Metz veut faire jurisprudence」(AFP)
追記:
上の分をアップした後、TVをつけたらちょうどフランスにおける喫煙の歴史(?)みたいな番組をフランス3でやっていました。この番組では、歌手、俳優、政治家、時にはTVのアナウンサーや司会者までが、映画やTVの中で煙草をプカプカやっていた時代の映像を流していました。これを見ていて気がついたのですが、煙草で儲かっていたのは、煙草製造及び売買の専売公社をもつ国家だったということ。つまり、国が色々と宣伝をして喫煙の習慣を広め、喫煙を促していたわけなんですよね。その国家が、今、喫煙を取り締まる…。なんだかなあ…。
この番組内で、国家が喫煙を暗に奨励していたという視点は、はっきりと前面に出されたわけではありませんでしたが、わかる人にはちゃんとわかるように示されていたと思います。(特に戦争中、軍隊で煙草が配られることから喫煙し始める男性が多かった、とか。)
この番組は、喫煙が文化の一部に溶け込んでいた時代に対するノスタルジーがありつつ、すでにそういう時代は終わったことを告げる番組でした。「喫煙はいけない」とか、「喫煙を許せ」とか、特別に強調されたメッセージ色のある番組ではなく、淡々と映像をつづりつつ、時に問題提起的な部分もみせる。こういう番組はフランス3だからできるもの、という気がします。TF1ではまず無理。(昨年からフランス3の株が自分の中で急上昇中です。)それと、この番組を担当したジャーナリストのクリストフ・オンドラットの力量でもあるかも。
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