スポンサーサイト

 --------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

プーチンとサルコジ、支持するアナロジー

 2007-12-15
これまた古い話になりますが、12月2日に行われたロシアの下院選挙はフランスでも話題になりました。この選挙の前に、プーチンによるマスコミ操作と弾圧が印象付けられるような報道が重なり、選挙後に野党のガルリ・カスパロフが不正を訴えたことは、フランスの世論にとって驚くにあたらないという雰囲気でした。

Le mouvement d'opposition L'Autre Russie, dirigé par l'ancien champion d'échecs Garry Kasparov, organise samedi à Moscou une manifestation sous le slogan la 'Russie sans Poutチェスの元世界チャンピオンで「もう一つのロシア」を率いるガルリ・カスパロフは、下院選挙の数日前に来仏、カナル・プリュスの「グラン・ジュルナル」という番組に出演し、野党の選挙運動がいかに困難であるかを訴えました。また、選挙を目前に控えてプーチンに対する抗議行動をしたために彼が身柄を拘束されたニュースは、フランスでも「民主主義の危機ではないか」として関心を呼びました。
更に、プーチン政権批判で知られたロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが射殺されてから1年経ったことを契機に、彼女と知り合いだったフランス人ジャーナリストがロシアのプーチン批判報道の現状を探るというルポルタージュがテレビで放映されました。そこでは、ジャーナリストにますます弾圧が加えられている様子が映し出されていました。(例えば、現政権に批判的な新聞・雑誌は店頭に並ばず、それらを扱う店は嫌がらせや脅しの対象になる、また、そのジャーナリストは精神病院に入れられ、電気ショックなどの「治療」を強制的に受けさせられる、など。)

そういう報道の経緯からして、プーチンの「統一ロシア」の圧勝に対し、EU各国が疑惑の目を向けてもおかしくありません。

ロシア下院選挙翌日の12月3日、無料配布新聞のメトロを読みましたが、そこに挙げられた一般フランス人の意見は、どれもプーチンによる強権的な政治を批判するものでした。

しかし、同じそのメトロ紙で、ロシア人ジャーナリストがインタビューに答えているのを読むと、プーチンの「統一ロシア」が勝つことは「正当」なように思えました。そのインタビューによると、プーチンは、ロシア経済を飛躍的に引き上げた英雄的存在であり、「強いロシア」、すなわち国際社会でのロシアの居場所を取り戻すことに貢献した大統領として、大変人気があるとのこと。

そうえいば、この選挙の前に、テレビで別のルポルタージュも見ましたが、ロシアの地方都市(どこか忘れましたが)がものすごい勢いで経済成長しており、そこの病院は最新鋭の設備を整え(しかも住民は無料で利用できる)、若いカップルがどんどん移住してきて、出生率も高く、その変化は驚くばかり…という話でした。

Les mouvements de jeunesse pro-Poutine ont prévu plusieurs contre-manifestations au même moment près du Kremlin ou sur la place Pouchkine dans le centre de Moscou. Photo:Alexander多分、ロシアで経済的発展を享受している人たちにとっては、プーチンは本当に素晴らしい大統領なのでしょう。そして、マスコミが統制されていることには気づかず、批判的ジャーナリストが何人も殺されていることなど知らないのではないでしょうか。ただ国内で一般的に流されている情報だけを受け取っているなら、それは充分ありえることだと思うのです。

そして同時に、フランスで、皆がこぞってプーチンの圧政を批判するとき、これもまた一面的な報道に取り込まれているのではないかという気がしてしまいました。

たしかに、反プーチンのデモでカスパロフや他の人々が逮捕されたことは衝撃的でした。デモをする自由が民主主義の第一義とでも言うくらいに認められているフランスでは、尚更のことです。でも、他の国だったら同じくらい衝撃的だったでしょうか?同じくらいの受け止め方で報道されていたでしょうか?そして、例えば、既にマスコミによってカスパロフは「変人」「悪人」というイメージをうえつけられていたとしたら?「警察によるデモ鎮圧も仕方ない」と感じるかもしれません。そして、もしそう感じるような状況の中にいたとしたら、プーチン政権には何の疑問をもたないでしょう。熱烈に支持するのも当然のこととさえ言えるかもしれません。

ところで、「強いロシア」に建て直し、国際社会でのロシアの立場を奪還したプーチン…今年のフランスの大統領選で誰かさんが強調していたことに似ているなあ。

「強いフランス」、それも経済的に、フランスが世界の中で強い立場を取り戻すこと、また、ヨーロッパ憲法にノンをつきつけたために関係が危うくなっているヨーロッパ各国との協調、及びヨーロッパ内での重要な位置に再びつくことを目標としたサルコジ。フランス国民はそれに同意し、またはその演説にひかれて、彼に票を投じたのではなかったか。

だったら、フランス人は、プーチン人気をある程度理解できてもよさそうなんだけど。
プーチンの「統一ロシア」に投票する人と、ル・フィガロしか読まずTF1のニュースしか見ないでサルコジのUMPに投票する人は似通っているのではないか、と言って悪いことがあるだろうか。

ところで、プーチンの「統一ロシア」が下院選挙で勝利をおさめたことを受けて、サルコジは早速プーチンに祝福の電話をしたらしい。この祝福の電話報道で、フランスの立場はヨーロッパの他国との間にえらいコントラストを作ってしまいました。特に、すぐさま「民主主義的な手続きがなされていないのではないか」と疑問を呈したドイツやイギリスとは大違い。ヨーロッパでサルコジが浮いていることが、またもや目立ってしまったな。
スポンサーサイト
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://hibinoawa.blog10.fc2.com/tb.php/637-63773348
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。