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スト、いろいろ (6) ~ストとメディアと世論 3~

 2007-11-26
さて、交通ストはようやく終わりましたが、学生の抗議運動はまだ収束に向かっていません。

高等教育相のヴァレリー・ペクレスがマスコミの色々なところに出没して説明に必死みたい。

file_293497_66807.jpg先日、ギヨーム・デュランの「Esprits Libres」(France2)という番組にペクレスが出演したのを見たけれど、「学生が心配している次のようなことは一切ない」と言って挙げたもの、それは既に法案を固める時点で議論がなされて解決されているものばかり。「そんなこともう知ってるって!」と思わずテレビに向かって突っ込んでしまった。で、やっぱり学生が反抗していること、心配していることには正面から答えているとは思えない。これじゃあ学生が不満に思うのは仕方ないんじゃないか。

ところで、この番組内で、学生が何人か直接質問などをしたのだけれど、その中で一人、オルレアンの少女(と敢えて名付ける)の発言がすごかった。アンチ大学封鎖の運動をしているという彼女、「国民の多数」が「その政策」を選んだのであり、学生を「人質」にする封鎖が許せない、と…。「マスコミから覚えた言葉をそのまま口にする人」の素晴らしい見本。しかも、それが「正論」だと思い込んでいるのだから困ったもんだ。こんな典型的な例を見ると、ある意味美しくすらあり、感心する。何の勉強してるんだったかな、この子は。フィリップ・ソレルスの名も知らないことには呆れた。(番組中、ソレルスもちょっと無茶苦茶なところがあったけど。それとこれとは別として。)

また、ペクレスは、今回の学生の抗議運動の始まりが政治的(極左)であったと述べていました。これは大学の学長も言っていたこと。しかし、サルコジ的流儀と一緒で、あるマイノリティーなカテゴリーを「悪者」「敵」扱いし、一般市民の憎悪をそれに向けさせ、相手を負けさせよう、排除しようというやり方ではないでしょうか。

今回、大学を封鎖した学生たちが極左の活動家であるという考えが、マスコミにのって伝達されていたのはたしか。ときには「クメール・ルージュ(カンボジア赤軍)」と呼ぶ人も(クメール・ルージュによる虐殺の裁判の時期だから、そんな用語が出てきたのかな)。しかし、封鎖に参加した学生の全てが極左の活動家というわけでもなかろうに。そういうレッテル貼りには私は反感を覚えます。そして、学生たち自身も同じように反発を感じたのではないかと思うし、学生がマスコミに対して不信感を抱いたとしても不思議ではないと思います。

ル・モンドは、11月17日、レンヌ第2大学のスト参加者がマスコミ関係者を異常なまでに警戒し、排他的態度を見せているという記事を載せました。(11月20日の更新歴があり、掲載後に手を加えられています。)
この記事の最初に、レンヌ第2大学の学生たちが記者たちに対し有刺鉄線を張りめぐらせたと書かれています。

しかし、掲載同日(11月17日)、先にご紹介した「Arret sur images」は、この記事が正確さを欠いていることを指摘しています。それによると、11月12日のリベラシオンにも、レンヌ第2大学の学生たちがマスコミを遠ざけようとしている記事が掲載されたのですが、そこには「有刺鉄線を模した線が描かれている」と伝えられています。つまり、ル・モンドの記事は、本物の有刺鉄線が張られたかのように報じているけれど、実際は有刺鉄線の絵が描かれていたということ。「有刺鉄線」と「有刺鉄線の絵」がどんなに違うことか…。

その後、問題の記事には「黒マジックで地面に描かれた有刺鉄線」と修正が加えられています。また、ル・モンドは、筆者の訂正記事を載せています。
ご本人の言う通り、マスコミに対する不信感が募っているときに、このミスはかなりまずかったと思います。今回、訂正記事を出さずにはいられなかったのでしょう。それにしても訂正と謝罪がちょっと遅いような気がする。

ル・モンドは、社説で大学の学生運動を取り上げたときに「極左には良いチャンスだろう」なんて書いていたことがあったし、他にもル・モンドで検閲があったという記事を「Arret sur images」で読んだり、そこでも取り上げられているけれど「Une erreur de casting rue de la Banque」という記事を読んで嫌な気分になったり…と色々なことが積み重なり、最近、ル・モンドにはいい加減嫌気がさしてきた。ル・フィガロやリベラシオンのように政治傾向が一本化していなくて、多数の観点の記事が読めるところが気に入っていたけれど、世論操作に加担しているのではないかと疑いを感じさせるような内閣同調の記事や、読んでいて不愉快になる記事が多いとちょっとなあ…。

ところで、先日リンクを貼ったリベラシオンの「Les JT cassent la greve」という記事は、「Arret sur images」のレンヌ第2大学の有刺鉄線に関する記事から見つけたもの。(このリベラシオンの記事、大変気に入っています。)その後、交通ストが終わり、一息ついたせいか、他にもJT批判が出ています。だいぶ時間が経った23日、Nouvel Obsで「Acrimed denoce le traitement de la greve par les journaux de TF1」という記事を見つけました。また、ル・モンドでもTF1の昼のニュース・キャスター、ジャン-ピエール・ペルノーに対する批判が取り上げられています。
(…しかし、ル・モンドのこの遅さは何だろう。そしてこのタイトル…。厳しい視線で見始めると、色々なことがネガティブに見えてしまうなあ。書いているのはラファエル・バケだし。このおばちゃん、嫌い。)

※11月27日、少し加筆修正しました。
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コメント
このペクレス法って日本の遠山プランに近い
ですよね?
大学が序列化したり、グランドゼコールとの教育格差の広がりを助長するのではないかと心配です。
グランドゼコールは富裕層で固められていると聞きますし
【2007/11/25 19:34】 | 男・岩鬼 #- | [edit]
遠山プランの具体的な詳しいことはよく知らないのですが、多分、よく似ていると思います。

ただし、今回の改革は、内閣曰く、フランスの国立大学のレベルが国際的に見て低いこと、また、グランドゼコールとの差があることを懸念し、改善しようというものだそうです。つまり、グランドゼコールとの格差は助長されるのではなく、縮小されるはずです(…というのは、改革する人の言い分ですが)。

グランドゼコールの全てがそうかどうか自信がありませんが、例えばパリ政治学院は、企業からの投資で成り立っており、だからこそ、特別枠として学力向上に問題があると言われている地域からの生徒を入学させたり、経済的に困難な状況にある生徒に奨学金を出せて外国へ研修に生かせたり、ということができます。今回の大学制度改革で導入されるのは、これと同じような企業からの投資で、それによって資金的窮乏を埋め合わせようということです。

しかし、企業が大学に入ってくることで、大学間に差が生じる可能性、即ち、仰る通り、序列化する可能性があります。地方の小さな大学は、これに不安を感じています。

また、現在、学生たちの要求事項は、組合・連合によって多少ずれがあるように見受けられます。ペクレス法の廃止を求め、話し合いに一切応じないグループがある一方、就職への近道を固める約束を要求している学生連盟もあります。話し合いに応じている大きな学生連盟は、結局は根底で改革に同意しているわけです(これは私の意見ですが)。
また、住宅難により困窮している学生生活への経済的援助の要求も目玉になっています。
【2007/11/28 01:44】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
フランスの大学はむしろハイレベルだと
思うんですが・・・。
【2007/11/28 11:39】 | 男・岩鬼 #- | [edit]












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