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スト、いろいろ (5) ~ストとメディアと世論 2~

 2007-11-20
メディアの影響力がバカにできない(また、その相乗効果が現れている)と感じるのは、メディアで使用されたのと全く同じタームが一般市民の口から出てくるのを聞くときです。まるでそれが決り文句となったかのように。

10月のストのとき、サルコジが鉄道職員組合のところへ行き、「デモやストという『脅し(chantage)』には屈しない」と言いました。この言葉に関連していると思うのですが、最近とみに「人質(otage)」という言葉が聞かれます。ここ数日、私がニュースを見た限りで、駅でストの影響を受けて憤慨している利用客にマイクを向けると、必ず誰か一人は「人質」という言葉を使います。

特に意識せずに使っているにしても、この言葉の意味は知っているはずで、つまり自分が「犠牲者」だと感じているということなのでしょう。そして、ストは、利用客を「人質」にとった「ゆすり」、「脅し」であるという考えが背景にあるのかもしれません。

どうもこういう言い方には「犠牲者ぶることで自分達の正当性を主張する」という態度が見え隠れしているように感じられ、聞いていて非常に居心地が悪い。

この言葉の波及効果のすごさに驚いたのは、なんとセゴレーヌ・ロワイヤルまでが使っている!曰く、「市民を『人質』にとっているストは、早期解決を努力しない内閣に責任がある。」

また、別の場面では、マダムが「私たちは『人質』になってるのよ!私たちは毎朝4時に起きて仕事に行ってるっていうのに、サルコジはプライベートの飛行機で移動してるなんて!」と叫んでいました。

こうなってくると、なんだかよくわかりません。「人質」って何なのでしょうか。

ところで、ニュースで報道されているのは、いつもそうなのだけれど、労働組合の代表が話し合いを提案したとか、担当相がこう答えたとか、SNCFの社長がこう発言したとか…という進展状況と、電車の稼働率はどれくらいとか、今朝の駅の様子はどうだとか、市民はどう移動しているかとか…という一般市民の生活の現状が主です。でも、こうした報道以外に、このストで鉄道職員が撤回を要求している改革の行く末などについて、市民が考えてみるに足りるほど充分伝えられているのかは疑問。例えば、年金保障の支払いを37.5年から40年にのばすことは絶対に譲れない、と内閣は言っているけれど、その見返りが要求されるはずで、それが年金額を増やすとか、給料を上げるといったものであった場合、支払い期間をのばすよりも国家の負担額が増える可能性がある。また、支払い期間の「一律化」といっても、民間企業に勤める人たちのそれは、もうじき41年、42年とのばされることになっている。逆に言えば、今、公務員の特別枠の改革をやっておかないと、民間企業労働者との支払い期間の差が大きくなってしまうのでまずいことになる。つまり、内閣は、この期間延長を視野に入れて、今回の改革にこだわっていると考えられる。…と、こういうことは、普段のTVニュース(いわゆるJT)ではあまり聞きません。

「自分が『人質』である」と言っている人たちの多くは、多分、ストをやっている鉄道職員には連帯を感じていなくて、「自分には関係ないことなのに被害を受けている」と思っているんだろうなあ。だけど、このトンネルの出口で、国家の負担が増えることになるかもしれないとか、自分たちも改革の対象になる…つまり後から自分たちに降りかかってくる可能性がある、ということを知っているのだろうか。前回書いたように、ストに刺激された感情がメディアに影響されて、もし「操作」されているのだとしたら、それによって得する人たちの「人質」にそれと知らずになっているのでは。「人質」とは「脅しの手段として拘束される人」のことなのだから、もし政府がストを打破するために世論を味方につける、言い換えれば、もし政府がスト参加者を「脅す」ために世論を「拘束」するのなら、メディアに形成される世論にのっている人たちは皆、やはり「人質」なのでしょう。

メディアといえば、最近、サルコジが全く姿を見せません。何か問題があれば、担当相に任せておけないって感じでしゃしゃり出てくるあの人が。なんか怪しい。デリケートな状況だから、ヘマしないように隠れてるんだろうか。週末までに何か演説する予定らしいけど…明日の水曜には労働組合との話し合いが予定されていて、事態が進展すると予想されているところなので、その辺、計算しているのではないかという気がします。ま、出てこないなら出てこないでいいのですが。ル・モンドのラジオ・ザッピングに、「このストでいいこともあった。それはサルコジを全く耳にしないことだ」というどこかのムッシュウの声がのっていました。同感。
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