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民主主義とKY、そして異彩であること

 2007-08-21
この2週間、一応世間様が呼ぶところの「夏休み」 だったのですが、いつもと変わらない日々を送っているうちに終わってしまいました。

つか、寒くってさ~。毎日曇ってるし雨降るし、何にもやる気がでないの。

対リビア契約のこととかをネットで漁ったり、SUDOKUやったりしてるうちに2週間が経ってしまった。

そんなわけで、課題図書も読み終わってないんですが…とりあえず、休みの間に読もうと思っていた本のうち、一番薄いやつだけ読んでみた。アマルティア・センの「La democratie des autres」。二つのエッセイが一冊の本に入っているのですが、二つ目の講演テキスト(「La democratie comme valeur universelle」「普遍価値としての民主主義」)は、先日、ブックオフに行ったとき見つけた集英社新書の本「貧困の克服」に入っていました。買わなかったけど。

貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書) 貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)
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アメリカのイラク軍事介入が民主主義を与えようというものだと正当化する場合も、西欧からの押し付けだとそれを批判する場合も、まず民主主義とはどういうものであるかを考えなければいけない。民主主義、民主主義とみんな言うけれど、実際に「民主主義」とは何か、考えて発言している人は、実はそう多くないのではないか…といつも思う。

アマルティア・センは、民主主義が単に「選挙制」に集約されることで誤解を生んでいるのではないかと言っています。そして、民主主義とは、多様な民族・宗教・思考が共存するために、社会が開かれて議論することにあり、またそうしなければ社会は発展しないと主張しています。そして、そこから、民主主義は西欧固有の観念ではなく、逆に西欧以外の国々の方が、歴史上早くから民主主義的な対話をする社会、多様性の共存を許す社会を形成してきたことを説明します。

面白いと思ったのは、「民主主義」の最古がギリシャ・アテネの政治であることから西欧発祥のものだと考えてしまいがちだけれど、それは間違っているということ。そう思い込んでしまうことこそが、西欧中心主義の世界観にとらわれている証拠かもしれない。それは、西欧以外の国の人でもそうなのではないかと思います。

何より、「対話により、多様性の共存を目指すことが民主主義社会である」という考え方に共感しました。選挙をして代表者を選んでいれば民主主義、というものではない。

とはいえ、意見の異なる人に対して、いかなる敵意も持たず、耳を傾けなければいけない…というのは、現実にはなかなか難しいような気がするけれど。

ところで、最近、日本の若者言葉で「KY」というのが流行っているそうですね。「空気が読めない人」の略語だということですが。参議院選挙で自民党が惨敗したとき、「安倍首相はKYだから」と言った人がいるとかいないとか。

で、この「KY」について違和感というか、どこかしら排他的なもの、雰囲気に流されやすい危うさなどを感じて、拒否反応を示すコラムなどをちらちら読みました。

たしかに、なんでも「KY」で済まされちゃかなわんな。

それに、「その場の空気」ということは、その場の力関係が働いているということで、「空気を読めない」人が非難されるということは、その場の多数またはヒエラルキー上部者が握っている空気の流れに逆らう人が非難されるということ。そのような内容のコラムもどこかで読んで、なるほどな、と思いました。

「空気を読む」で思い出したのですが、8月初旬のル・モンドに、「数字を読む」人の記事が載っていました。

_tammet+x1p1_ori.jpg「数字を読む」のは、イギリスに住むダニエル・タメットさん。軽い自閉症とサヴァン症で、子供の頃は一人、自分の世界に閉じこもって過ごしていたのだとか。ところが、彼は数字にめっぽう強い。2004年3月14日(アインシュタインの誕生日)、オックスフォード大学で、5時間9分24秒に渡ってπの小数点以下を列挙。22514の数字を暗記していたとのこと。

それから、特に努力しなくても、計算の答えが目の前に浮かぶ。二つの数字を掛け算するとき、「一つ目の数字を左に、二つ目を右に見ると、三つ目の数字が現れるから、それが答え。」また、割り算の答えを、小数点以下35桁まですらすら暗算できる。

また、何年何月何日が何曜日か言い当てることができます。

同じような人が稀にいる。それが、映画「レイン・マン」のモデルになったキム・ピーク氏。ピーク氏もやはり自閉症で、毎日図書館に通い、そこで一人で本を読んで過ごしているそう。彼は、右目と左目で同時に二冊の本を読むことができるのだとか。ダニエルさんは、アメリカに渡り、ピーク氏にソルト・レイク・シティの図書館で実際に会ったことがあるそうです。そのとき、二人はお互いの誕生日を教えあい、ピーク氏が「あなたの65歳の誕生日は日曜日です」と言うと、ダニエルさんは「あなたは日曜日に生まれましたね」と答えるという、彼ら流のコミュニケーションを交わしたようです。

この異才が、幼少時に人と違う世界を持つことに悩み、外界に馴染めず、自分の部屋に閉じこもることを好んだことは、想像に難くありません。しかし、彼は、やがて他の人と同じように友達を作る努力を始めました。そして今、パートナーと共に住み、友人達と映画を観に行き、他の人たちと同じような生活をしている。それでもやはり、他の人とは違う感性を持っていることが、時にハンデになる。彼は、その局面を避けるなり、別の方法を見出すなりして、他人と共に社会の中に生きています。

ル・モンドの記事の最後を締めくくる彼の言葉に、しみじみと伝わってくるものがありました。「大切なのは、他の人々と同じように生きることではない、他の人々の間で生きることだ。」

この二つの生き方の違いを、人は日々、どれだけ考えているだろうか。

参照:
Le Mondeより

Les chiffres comme langage
LE MONDE | 04.08.07

© Le Monde.fr

Le Pointより
「Daniel Tammet, un autiste de genie」
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