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武器商人の遺産

 2007-08-19
前々回および前回からの続きです。

ブルガリア人医師・看護婦の本国送還後、大統領がリビアを訪問し、原子炉提供の覚書に調印したフランス。また、フランスとリビアの間で武器売買契約が成立したことも発表されました。裏取引ではないにしても、これらそれぞれの件の間に関連がありました。そして、ブルガリア人の件が解決することによって成立され得る契約のことを、知っている人は知っていたのです。

実は、武器売買に関して、リビアとフランスは長い付き合い。
リビアは、1970年代に、フランスから戦闘機「ミラージュF1」を購入しています。このとき、ジャック・シラクが契約成立に貢献したらしい。80年代、リビア北部のスルト湾(英語ではシドラ湾)の海域をめぐってアメリカと対立するなど、リビアの対アメリカ関係が悪化(1982年、アメリカはリビアへの通商を禁止)。その後、飛行機爆破事件などにより、リビアはテロ国家と指定され、EUは1992年から2004年まで禁輸措置をとっていました。2004年、制裁解除がなされ、EU各国首脳がこぞってリビア参り。これは、ガス・石油などエネルギー資源が豊富なリビアは、産業取引相手国として重要視されたため。シラク大統領(当時)も、2004年11月にリビアの首都トリポリを訪れています。そのとき、「平和利用に限る原子力技術開発に協力する」意向を示唆。これは、国際的信用を得るために、設備を解体して大量破壊兵器の開発放棄の意志を示したリビアに対し、受け入れの姿勢をみせたものでしょう。しかし、この時点で、すでにブルガリア人の件が問題になっており、リビアとEUの関係は緊張していたため、事実上は禁輸態勢のままでした。2005年2月には、ミシェル・アリオ-マリー国防相(当時)がリビアを訪問し、国防協力に合意しています。この際、リビアが所有している古い「ミラージュF1」38機のうち12機を修理することが検討されました。しかしリビアは、それだけに留まらず、フランス軍用機「ラファル」、無線通信機「ティーグル」にも興味を示したそうです。勿論、情勢を鑑みれば、フランス側がすぐに売却できるわけがない。ひとまず、2006年末に「ミラージュF1」の修理契約が成立。そして2007年の初めに、リビアが軍用機「ラファル」を12~18機購入する予定だという噂がたち、国防相がこれを否定しています。(製造販売元のダッソー社より先に国防省が否定するのも変だ、という話もありましたが…。)しかし、リビアのフランス兵器への興味はよく知られるところとなり、最高指導者カダフィ大佐はジャック・シラクが大統領を退任する前に契約を交わしたいと述べていたとか…。

もしかして、カダフィ大佐は、武器商人としてのシラクに好意をもっていたのかも?

リビアが「ミラージュ」を所有していたことなど知らなかったのですが、これはブルガリア人本国送還直後の7月25日、web版ル・モンドに掲載された、アラブ世界研究者フランソワ・ビュルガのコメントの中に出てきました。
その後、たまたま彼が7月26日のリベラシオン紙に書いた記事も見つけました。ル・モンドとリベでほとんど同じ事を言っているのですが、ル・モンドで仄めかされたことがリベラシオンでは明確になっています。つまり、ブルガリア人問題という障害がなくなった今、リビアとフランスの間で産業取引、特に武器売買の動きが出るだろう、ということ。

上に記した1970年代から2007年までの経過は、色々と調べているうちにちょっとずつ出てきて、対リビア関係に無知な私の中では段々とつながってきたのですが、その筋に詳しい人にとっては「ブルガリア人解放→武器契約成立」という流れはすでに自明のことだったようです。(ただし、実際の契約に「ラファル」は出てこなかったので、内容はちょっと違っていたかもしれませんが。)

つまり、サルコジが自分の手柄であるかのように言っている武器売買契約は、今までの対リビア関係の延長線上にあり、武器商人シラクの営業成績のおかげでもあるわけです。というか、今回の武器売却も、ほとんどシラクが用意したようなものではないかと思います。

…って、なにが「rupture(断絶)」だ!「heritage(遺産)」もいいところじゃないか。

原子炉提供にしても、シラクの提案の後継。しかも、クロード・ゲアン大統領府事務局長が調印の正当性を主張した言葉(「国際規則を守る国は、民間用の原子力を利用してもよい」)は、シラクが2004年11月にトリポリで言ったこととまるきり同じ。

いい加減、「rupture」とかうそぶくのやめたら?

といって、「シラクさんのおかげで儲かった」と言うつもりもないが。

武器と原子炉を売ったお金で生きてるんだな、わしら。

ところで、8月前半、結構色々とマスコミに出てきたサイフ・アル-イスラムですが、そんなにぺらぺら喋っちゃっていいのぉ~?…と思っていたら、案の定、お父上に叱られたらしい。
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