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武器売買暴露の顛末

 2007-08-18
前回の続きです。
(実は、もう二回も書いたものが消えてしまって、そのたびに脱力し、続きをアップするのに時間が経ってしまいました…。)

前回は、カダフィ大佐の息子、サイフ・アル-イスラムがインタビューに答えて、フランスとの武器売買契約を暴露した、というところまででした。

2364331002-le-rapprochement-entre-la-libye-et-l-ue-salue-par.jpgこのインタビューの内容は、8月1日発行のル・モンド紙に掲載されました。その中で、サイフ・アル-イスラムは、ブルガリア人医師・看護婦身柄拘束の間、水面下で進んでいた交渉について述べています。

その交渉とは二つ。

一つは、スコットランドで受刑しているリビア元情報部員の身柄を本国に引き渡すよう、英国と直接交渉した、というもの。この情報部員は、1988年のパンナム機爆破事件で逮捕されたアブデル・バゼット・アリ・アル=メグラヒ。彼は終身刑を受けて服役中ですが、去る6月28日、スコットランド司法委員会から上訴が認められています。サイフ・アル-イスラムによれば、これはブルガリア人の問題が考慮されて計らわれた結果だとのこと。そして、ブルガリア人たちが解放された今、リビア元情報部員の身柄がもうじき本国に引き渡されるという楽観的な展望を示しています。これについて英国外務省からは、「メグラヒとブルガリア人の件は関係がない」と否定の声明が出されています。

そしてもう一つが、フランスとの武器売買契約が進んでいるということ。具体的には、対戦車用「ミラン」を1億ユーロ相当購入する予定だとのこと。

このインタビューが公表された後、フランス国内で、ブルガリア人解放の裏取引疑惑がもちあがりました。

社会党は、ブルガリア人解放の件と武器売買契約の関連性の「透明さ」を求めて非難。調査委員会の設置を要請しました。
反対に、大統領府側からは、あまり詳しいコメントが聞かれなかった印象が。大統領府のスポークスマン、ダヴィッド・マルティノンは「それは事実だと思いますが、私には是認できません」と、はっきりしない返事。しかしながら、サルコジがトリポリで交わした調印の中に、武器売買に関する契約はなかったと断言。また、サルコジは、訪問先のパリ郊外エヴリーで記者団に質問され、「ブルガリア人解放の見返りはなかった」と否定しましたが、答えは簡潔に済ませていました。但し、社会党から提案された調査委員会設置に対して、当初から大統領側は同意の姿勢を見せていました。「こちらは何も隠すことがない」という意味なのでしょう。社会党のフランソワ・オランド書記長は、「どちらにせよ、サルコジはこれに同意しないわけにいかないんだから」と述べていますが。後の8月3日、大統領府と内閣の賛同を得て、ベルナール・アコワイエ国民議会議長(勿論与党UMP所属)がこの委員会設置案に同意を発表。8月8日、社会党は正式に調査委員会設置の請願書を提出しました。

インタビュー公表後、1日おいた8月3日、EADSの方から、対戦車ミサイル「ミラン」1億6800万ユーロの売買契約がリビアとの間で成立したことを認める声明が出されました。同時に、軍事通信システム「テトラ」1億2800万ユーロの売買契約準備も進行中だと発表されました。そして、この「ミラン」に関する契約交渉は、18ヶ月前から行われており、その間、大統領府が交渉に介入したことはない、と明言しました。

EADSの声明に力を得て、大統領府は急に強気な姿勢に。「18ヶ月前から交渉されていたんだから」と強調し始め、武器売買契約成立はたまたま時期が重なっただけだと主張。

また、自分の発言で疑惑が広がったことに慌てたのか、8月4日、サイフ・アル-イスラムがAP通信に「(ル・モンドのインタビューの中で)武器売買契約をブルガリア人の件に関連付けたつもりはない」と弁明。ブルガリア人解放に対する見返りではないと証言しました。(しかし、1日から4日という、この微妙な「間」は何なんだろ…。)

8月5日には、サルコジが、ヴァカンス先のUSAニューハンプシャーから、非公式記者会見にて「見返りはなかった」と再度否定のコメント。「透明さ」を求めて非難している社会党に暗に答えるかたちで、「全て透明である」と述べました。彼にとっては、この件に関して一点の曇りもないということ。逆に、「フランス人労働者に、取引契約や仕事を見つけたことに対して、私を非難しようというのだろうか?」「リビアがフランスの工場を稼動させるために数億ユーロを支払うという。私はそれについて謝らなければならないのだろうか?」と質問調で反論。

ああ、このレトリック(言説のトリック)…どうしてくれよう。

質問調で反論することで、相手が言っていることを捻じ曲げつつ前提として決めつけてしまう。そして相手の言い分がいかに不当であるかを印象づけ、自分の正当性を主張する…。
しかもこの場合、まるで自分が契約をとってきたみたいな言い方!

でも、武器売買契約がブルガリア人解放の「見返りではない」と言いながら、二つの関連性を認めるような発言をしているのは、おかしくないか?

ブルガリア人の件と原子炉提供・武器売買契約の件の間に、「見返り」といえるような直接の関連性は、たしかにないだろうと思う。でも、前者が解決しなければ後者は成立しなかったのだから、関連性がまるでないとはいえない。そのことをサルコジは百も承知で、「自分がブルガリア人解放に貢献した」→「状況打破により武器売買契約が成立した」→「よって自分が武器売買(フランス人の利益になること)をもたらした」という論理で発言しているのではないか。
リビアにしても、後者に興味があって、前者が解決されるよう促していたらしい。ル・モンドのインタビューで、サイフ・アル-イスラムは、ブルガリア人の件に阻まれて武器貿易ができないため、サルコジに「事態を早く進展させるよう頼んだ」と言っていて、サルコジはこれを承諾したとのこと。

また、エルヴェ・モラン国防相は、EADSの契約について、「前内閣の閣僚会議でこれに必要な決議が出ている」と述べています。つまり、サルコジ前内相がこの契約について知らなかったわけはない。

二つの件がタイミングの問題だったのだとしたら、サルコジは自分でそのタイミングを作ったと言えるかもしれません。

それでも、「サルコジの功績」としてしまうのは不公平なところがあるのです。

またちょっと長くなってきたので、一旦切ります。続きは次回。
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