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Aux Tonneaux des Halles

 2007-08-05
1週間ほど前、ジュイエティスト(juilletistes)とウシアン(aoutiens)が交差して高速道路は大渋滞が予想される日、7月最後の週末、夏はパリに居残る日本人の友人二人と、中心地近くにあるワイン・バーに行ってきました。

実はワイン・バーにはあまり行ったことがない。いつも食事に行っては、お喋りしながら食べるのが遅くてペースが他のテーブルとずれまくる私たち。今回は、居酒屋風にちびちびとつまみながら飲むのなんてどうかしら、と思い、日本の雑誌で見かけ、cityvoxなどインターネットの情報サイトで下調べして、なかなか良さそうだった「Aux Tonneaux des Halles(オ・トノー・デ・アール)」へ。

Aux Tonneaux des Halles
28 rue Montorgueil 75001 Paris
tel:01 42 33 36 19

場所は名前にある通り、パリの中心地レ・アールの近く、モントルグイユ通り。間口が狭く、テラス部分が隣りのビストロとくっついているので、一瞬つながっているのかと勘違い。お店の名前を確認して中に入ると、はつらつとしたオーナーっぽい男性が「奥がいい?テラス?」と案内してくれました。夏だというのにまだちょっと肌寒い日だったので、迷いつつ、結局テラス席に。お隣では、おそらく子牛の頭肉(tete de veau)と思われるお肉の塊に、おじさまがナイフを入れている。一人客でしたが、時折こちらに微笑みかけ、くつろいだ雰囲気。お客さんがこんなに楽しそうなんて、なかなか好印象なお店。
さて、「ちびちびとつまみながら飲む」ということで、しっかりお食事という料理ではなく、チーズの盛り合わせ(assiette de fromages)とハム・ソーセージの盛り合わせ(assiette de charcuterie)を。それと、ちょっと寒かったので、温かい料理も欲しい!ということで、もう一品、メイン料理からロックフォールチーズソースがけ牛ランプ肉のステーキ、いんげん付き(pave de rumsteak a la sauce Roquefort avec des haricots verts)を注文。
そしてワイン・リストには、見覚えのある名前がちらほら…。全然期待していなかったけれど、どうやらここもナチュラル・ワイン志向のバーだったらしい。料理に合うワインは何かなあ…と迷い、注文を取りに来たお姉さんに相談してみたら、彼女は「ちょっと待って」と言い、先ほどのオーナーらしきムッシュウに声をかけてバトンタッチ。彼は「う~ん」と悩みながら真剣な表情でメニューをめくる。一応、「ナチュラル・ワインがいいんですけど」と希望を言っておいたけれど…もしかして、リストにはナチュラル・ワインしかなかったのかな?「軽いのがいい?こくのある方がいい?」と聞かれ、「こくのある方がいい!」と友人が答えると、次にこちらの予算も確認してくれ、「じゃあ、これ」とコート・ド・ルシヨンをオススメしてくれました。しかし生産者の名前は失念…。底の広いカラフにうつして出してくれました。これが、一口飲んですぐにナチュラル・ワインだとわかるワイン。ナチュラル・ワイン特有の香り、舌に刺激を感じる炭酸ガスっぽさ。しかし南仏ワインの割に、飲み口は軽め。
お料理の方は、チーズやハム・ソーセージ類などは、私は普段あまり食べ比べたことがないので、どれくらい美味しいのかはわかりませんでしたが、なかなか良かったと思います。中でも、サラミ風ソーセージ(saucisson sec)が薄切りで嬉しかった。そしてステーキが絶品。焼き加減はミディアムで頼んだのですが、外側はしっかり焼いてあって焦げ目がついてカリカリ、中はちゃんと赤みが残っていて柔らか。ソースは、ロックフォールチーズがベースなのにしつこくなく、付け合せのいんげんにも絡めて美味しい。そのいんげんもまた、フランス風くたくたいんげんではなく、しゃっきり歯ごたえも残った茹で加減。ちなみに、後でインターネット情報サイトを見直したら、牛肉料理が良質という評価が多かった。その他、メイン料理にはA5(AAAAA=アンドゥイエット愛好家協会)ラベル付きアンドゥイエット(andouillette)やリブロースステーキ(entrecote)などもありました。

メニューを見たところ、前菜は大体6~7ユーロ、メインは16~17ユーロ。チーズやハム・ソーセージの盛り合わせは一皿15ユーロ。
ワインはグラス、ハーフピッチャーでも頼めて、それぞれ6ユーロ、20ユーロ前後。ボトル30ユーロ。1.5リットルのマグナムボトルもあります。
さて、ふと気がつけば、先ほどのオーナーらしきムッシュウも、私たちの後ろの席で友人たちとテーブルについて食事している。そのテーブル上で目に付いたのは、シャトー・イヴォンヌ(Chateau Yvonne)のマグナムの大瓶。これもナチュラル・ワインの有名なロワール生産者のワイン。なるほど、自然派ワイン志向のお店だ、と確信。それから、私の席からはよく見えなかったけれど、友人によれば、彼が食べていたのはうず高いお肉の塊だったよう。やっぱりここはお肉に自信があるみたい、とこちらのテーブルで噂話。なんとなく納得です。彼は、食事の合間にもサービスの様子に気を配り、時折席を立って手がまわらないところにお手伝い。

で、私たちはといえば、本当に居酒屋風に飲み食い。大皿がちっとも空になりません。そのわりには一本目がさっさと空いてしまいました。そこで二本目を注文。一本目が南仏ワインだったので、やはり南の土地のワインがいいかな?ということで、今度は南西地方カオールのクロ・シギュイエ(Clos Siguier)2003に。注文を受けたムッシュウは、先に飲んでいたワインのラベルを確認して頷いていったので、間違った選択ではなかったよう。カオールが他よりちょっと安めなのは、ワイン産地としてはマイナーな土地柄のせいかな。しかし、このワイン、実は既にうちで飲んだことがあって、値段の割に適正な作りで無難なワインという印象があった。今回、飲んでみたら、前に飲んだときよりもフルーティな感じがしたけれど…。私はワインの味の記憶が不正確でダメです。

なかなか食べ終わらず長居している私たちを面白そうにのぞいていたお隣の男女。何がきっかけか忘れてしまったけれど、会話が始まった。「どこからきたの?」「日本です」「こちらに住んでるの?」「ええ」「パリで何をしているの?」「3人とも学生です」と、まあお決まりのパターンから。向こうは、男性の方はロンドンに住んでいるオランダ人で、月に一度くらいパリに来るらしい。女性の方はフランス人で、オーナーらしき男性に挨拶していたし、どうもこの店の常連客の様子。酔った勢いもあり、思い切って「ここのお店はどういうお店なんでしょうか?私たちは、インターネットでみて評判がとても良かったので来てみたのですが」と聞いてみた。後ろにそのオーナーらしき男性が座っていて聞こえる距離にいるというのに…ちょっとはしたなかったかな。女性は、「ここはね、昔は市場だったのよ。それで夜中にずっと開いているお店が沢山あって、本物のフランス食文化の中心だったの。それが、都市開発の後、だんだん流行のお店が増えてきて、ここみたいに昔ながらのお店はほとんどなくなっちゃったわね」と話してくれました。そして「大体、今の若いフランス人ってワインを飲まなくなったし、ワインのことを知らないのよね。ほんとに残念。昨日、河の向こう岸、サン・ジェルマン・デ・プレのレストランに行ったんだけど、アール・デコの内装が残っているような立派なレストランよ、そこの人が『最近の若い客はワインを注文しない、ワインのことを知らない、外国人客の方がワインをよく知ってる』って言ってた」と、フランス人の最近のワイン離れを嘆く話に。こんなことを言うのはちょっとデリケートな問題かなと思いつつ、つい「今の大統領はワインを全然飲まないですしね」とコメントしてしまった。そうしたらその女性は、笑って「そうね」とウィンクしてくれました。そして、ここは本当に頑固な姿勢のワイン・バーだということで、「パトリックにコーラなんぞ注文してごらん、今は年をとって大人しくなったけど、彼が若い頃なら『他所へ行け!』って放り出されたんだから」と男性。やはり、後ろの席で食事していたムッシュウがオーナーで、名はパトリックというらしい。男性が、試しに「こちらの女性達がコカ・コーラが欲しいって!」とテーブル越しに叫んだら、パトリックにじろりとにらみ返された。「嘘だよ、ちょっと怒らせようと思っただけだよ」と慌てて訂正する男性。

そうこうするうち、私たちの二本目もとうとう空いてしまった。それでもチーズやハムはなくならない。じゃあ、ハーフを頼もうということになり、今回はすっかりオーナー任せ。持ってきてくれたのは、ピッチャー入りのトゥーレーヌ。教えてくれた品種はたしかピノ・ドニスとコット。さっきのカオールよりも濃厚な感がある。生産者の名前は…私はちょっと思い違いをしてしまったので、ちゃんと覚えていない。私は、ワインの味の記憶だけでなく、生産者の名前の記憶も不確か…ダメですな。生産者の名前を聞いたとき、「あ、その生産者は、ガメイ種のジャルダン・ド・ラ・フランスのヴァン・ド・ペイを作っている人じゃないですか?」なんて生意気なことを口走ってしまったけれど、うちに帰って確認してみたら、違ったようだ…。パトリックは「そうかなあ?」と首をかしげつつ、ふと思いついたように後ろへ引っ込んでしまった。なかなか戻ってこないので、なんか適当なことを言ってしまったから呆れられたのかもしれない…と思っていたら、片手に新しいグラス三つと先ほどまで自分のテーブルで飲んでいたマグナム瓶を持ってきて、残りを私たちに飲ませてくれた。それはジョルジュ・デコンブ(George Descombes)のモルゴン。微かにヴァニラのようなマロンのような香味があり、清楚ながら重層性を感じる美しいワイン!友人は、お喋りの途中に突然「ごめん」と言葉を途切れさせ、「ちょっとこれ、すごい美味しい!」と感嘆。3種類のワインを散々飲んだ後でも、その美味しさが引き立つことに驚きました。ああ幸せ。

気がついたらもう12時。周りはそろそろ帰り始め、閉店の雰囲気。それでもお皿が空にならない私たちのテーブル…。サービスの女の子は「もうお皿を下げてもいい?」と何度か聞きにきたけれど、そのたび「まだです、ごめんなさい」と言っても嫌な顔もせず、最後まで「いいですよ、好きなだけいてください」と愛想の良い対応。隣りの男女は水をコップに注ぎながら「よし、帰る前にこのボトルを空けなくちゃね」と冗談を言い、私たちは笑い、パトリックはまた新しいマグナムボトルを開けていた。気の良いワイン好きの人たちは本当に楽しい。心地良いひと時を過ごせたワイン・バー。通いたくなるお店です。
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