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よく分からない…が、世の中は流れる

 2007-07-11
この前のエントリーで触れた事柄のうち、ジャック・ラングの制度整備委員会代表任命の噂の件、ドミニク・ストロス-カーンのIMF専務理事候補推薦の噂の件、ニコラ・サルコジのユーログループ(欧州経済会議)参加の件、という三点について続報です。

まず、サルコジが出席したユーログループについて。
EUメンバー近隣諸国は、サルコジが大統領に就任して以来、その経済政策方針によって財政赤字が増えるのではないかという不安を見せていました。サルコジ的経済政策とは、経済的余裕を生み出せるように国民の税負担を減らして(逆にいうと、税負担を減らしても経済的余裕を生み出せないような低所得の国民のことはどうでもよいらしいが)、消費活動を活発化させることで、経済力の増大をはかる、という方針。しかし、税負担の軽減から経済の活性化までの間、赤字が増えるのは確実と見られています。ユーロ圏内では、一年の財政赤字がその年のGNP3%を越えないこと、という約束事があるのですが、2007年度、2008年度は、サルコジ経済政策によって、フランスがこのリミットを越えてしまうかもしれないという懸念があります。それから、EU諸国は2010年には財政赤字をGNPに対して0%とすることを目標にしていますが、サルコジは大統領選公約時にこれを2012年に設定。彼の予定ではEUの目標を2年も超過してしまう。これについて、他国は、EUの約束を顧みない経済計画を発表したフランスに説明を求めていました。つまり、5月以降、ヨーロッパ諸国はフランスに不信感を表していたわけです。
そのような背景もあり、ユーログループが始まる前、特にドイツ(現在、EUの中で経済的優等生)は、2010年の財政赤字ゼロを目標とする約束をフランスも遂行するよう、厳しく要求する構えを予想させていました。また、イタリア(現在、フランスと同じく財政赤字を抱え、EUの中で経済的劣等生)は、経済問題について国内の政治動向をなんとかまとめているという苦しい状況の中、フランスが足並みを乱すと他国にも影響が出るとして、懸念を示していました。
で、前にも書きましたが、大統領がこの会議に参加するなど、本当に前例がほとんどないことだったらしいですが、終わってみれば、サルコジは積極的に話し合う姿勢を見せたということで、まずまず評価されたらしい。
実際、会議中、各国からの追及があったようですが、サルコジはそれに一つ一つ答えたのだとか。同席したフランスの経済相、クリスティーヌ・ラガルドは、「サルコジの発言は、わかりやすく率直で説得力があった」と称賛。
しかし、今回のユーログループで、ひとまずフランスが容赦されたのは、サルコジが発表した展望が多少変更を見せたことが大きいと考えられます。サルコジは、自らの経済計画がうまくいけば、フランスの景気回復が早まることも予想され、その場合には2010年の約束に間に合うと述べました。但し、そうでなければ2012年になるかもしれない、と付け加えつつ、どちらにせよ財政赤字0%達成を約束することには違いない、と強調。また、2007年の財政赤字がGNPの2.4%(前年は2.5%)になる見通しであり、2008年には更に下げると明言。そして、フランスでは夏の間に税制について討議される予定なので、9月にその詳細を報告することに。
会議の後、議長を務めるルクセンブルグ首相のジャン-クロード・ユンケルは、「フランスが動かない保守主義の国でなくなろうというのは、ヨーロッパにとって朗報だ」と述べ、ヨーロッパ諸国がフランスの構造改革の意志を認めたと総括。
今回の会議を終えて、ヨーロッパ諸国がフランスの経済計画に納得したように見えなくもないですが、実際のところは、9月の会議まで保留状態。
ヨーロッパ中央銀行に対する批判も、他国にはあまり賛同されていないサルコジ。EU内でフランスの立場は今のところ弱め?

さて、二つ目。
3437919455-fmi-strauss-kahn-pour-l-instant-seul-en-piste-nombreuses.jpgドミニク・ストロス-カーン(DSK)がIMF専務理事候補に推されていましたが、これはサルコジからの推薦に留まらず、ユーログループのユンケル議長からも打診されていたらしい。以前、経済相を務めたことのあるストロス-カーンは、欧州会議でその経済相としての能力や外交的手腕が評価されていた経緯があり、IMF専務理事候補として、かなり好意的に受け入れられたようです。というわけで、ヨーロッパ27国からの候補として認められました。ただし、イギリスの大蔵大臣、アリスター・ダーリングは、DSKは候補に相応しい人物と認めながらも、「他の候補者が出ることを望む」と苦言を呈しています。というのも、習慣的に、世界銀行にはアメリカから、IMFにはヨーロッパからの人材がトップについており、これが経済的不公平につながっていると見なされているため。12年間IMF専務理事を務めたミッシェル・カンドシュは、2000年の退任演説で、それについて言及しています。曰く、「こうした分担は、アメリカとヨーロッパ以外の国々が、南アメリカの数国をのぞけば、ここ(ワシントン)に代表者を送っていなかった1950年には正当であるといえた。現在、途上国が経済シーンの前面に出てきており、最貧国には言うべきことがあるはずだ」。
しかし、フランスのラガルド経済相は、「我々は途上国の意見には注意深く耳を傾けている」とし、伝統的な人材選出と均衡に疑問を呈するならば、IMFのみならず世界銀行についても行うべきだ、と述べています。これは、アメリカ人のロバート・ゼーリックが世界銀行総裁に就任したばかりであるため、ヨーロッパがIMFの専務理事の座を逃すべきではない、ということ。
私事ですが、経済分野無知の私が最近になってちょっと興味をひかれているジョゼフ・E・スティグリッツも、この点について世界銀行とIMF批判をしているらしい(未読)ので、個人的に気になっています。

そして三つ目、ジャック・ラング。
3095306182-jack-lang-prend-conge-de-la-direction-du-parti-socialiste.jpgサルコジの「ouverture」に撹乱され気味の社会党は、党員に、サルコジの誘惑に乗るなにと呼びかけています。とりあえず、IMF専務理事に推薦されたDSKは、サルコジから推薦されたとはいえ、ヨーロッパ他国からも認められたし、フランス国内政治に限らない話なので、オランド書記長からも称賛の言葉が出ています。
しかし、ジャック・ラングにはやや冷たい雰囲気。まだ公式な発表はありませんが、サルコジが制度改革を検討するための委員会の委員長メンバーに、ジャック・ラングを任命する意向であるという噂。これを受けるべきではない、と、社会党内からの牽制の声があがっています。ジャック・ラングは特になんとも意思表明していませんでしたが、ついに社会党指導部を辞任。もう内紛でいやになっちゃったのかなあ。
どうやら、「新しい民主主義」としての制度改革を求めてきた社会党の中にあって、ジャック・ラングは大統領制維持支持者だったらしい。結局、ある点で意見を同じくする人を対立政党から引き込んで、「オープン・マインド」と見せかけているわけよね。
しかし、いい加減、ラングもお年を召していらっしゃるので、ラングの社会党指導部からの引退を惜しむ声は少ない様子。逆に、時代遅れの「エレファント」が姿を消してくれれば、党の若返りに一役買う、とコメントする党員も。
どちらにしても、今の社会党、ガタガタだなあ。

参照:
Yahoo Franceより

「L'Union europeenne soutient Dominique Strauss-Kahn pour le FMI」(Reuters)
「Courtise par Nicolas Sarkozy, Jack Lang quitte le bureau du PS」(Reuters)
Le Mondeより



※7月12日一部修正
制度改革を検討する委員会を率いる委員長にはエドゥアール・バラデュールが指名されていました。
(って、今更バラデュールが出てきたことにも驚いた。びっくりサルココネクション。)
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コメント
いつも こちらがキャッチしていないような情報を 頂いているので
こちらも 時にはそのお返しを。
<http://cruel.org/econ/stiglitzimfj.html>
スティグリッツのIMF 世銀批判は 
彼の著書(2000年に入ってからの著書)に詳しい。
世界を不幸にしたグローバリズムの正体
<http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E4%B8%8D%E5%B9%B8%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BB%E3%83%95%E3%83%BBE-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84/dp/4198615195/ref=sr_1_3/503-0183478-7765550?ie=UTF8&s=books&qid=1184195549&sr=1-3>
【2007/07/12 00:14】 | Simon #NwqzF3Bo | [edit]
どーもです。
上のリンクは未検出で出ませんでした…?
と思ったけど、ぐぐったらそのサイトが出てきました。面白いですね。
スティグリッツはノーベル経済学賞を受賞しているのに、最近まで全然知りませんで、ちょっと勉強しようかなと思っています。アマゾンも検索済みですが、ブックオフに売っていたら買おうかな~と思いつつ、とりあえずフランス語版を試す予定。
【2007/07/12 22:18】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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