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左手はあいている

 2007-04-26
昨日の午後、フランソワ・バイルーの記者会見が開かれました。

彼は一次選で三位となり、決選投票には進出できませんでしたが、彼に投じられた票がどちらへ流れるかで結果に大きな影響を及ぼすものと予測されていたのは、以前にも触れた通り。昨日の記者会見は、一次選の結果が発表された直後から予定されていたもので、ここでバイルー氏の決選投票への意向が伝えられるとして注目されていました。この記者会見には、外国のマスコミからも多く記者が列席しており、国際的な関心をひいていることが伺われました。

20070426230333.jpgまず、フランソワ・バイルーは声明の中で「フランスには三つの危機がある」と指摘。それは「デモクラシーの危機」「社会層間の亀裂」「経済の停滞」であるとし、二人の候補者のどちらもこれらの危機からフランスを救えない、という見解を提示。まず、「デモクラシーの危機」については、ニコラ・サルコジにみられる権力への熱望や、彼がマスコミへ圧力をかけていることをみれば、大統領になってからこの危機を悪化させる怖れがあると警句を発しました。「社会層間の亀裂」については、サルコジ氏の政策が、失業者や低所得者、老人や子供など、社会的弱者を充分に擁護するものではなく、格差を広げる、としています。最後の「経済の停滞」に関してはセゴレーヌ・ロワイヤルに対する批判で、彼女の政策が「すべてを国家に任せる」方式の社会主義的なものであり、フランス経済を活性化できない、と述べました。
そういうわけで、どちらの候補者も大統領に適しているとは思えないので、自分に投票してくれた有権者に投票指示はせず、各人の自由に任せる、とのこと。
また、新しい「民主党」をつくることを発表。UDFの殆んどの党員がそのままその新しい政党に参加するであろうし、他の党でも加わりたい人は受け入れると述べました。

20070426230231.jpgさて、後に続いた質疑応答では、彼の意向を探って、より明確な答えを得ようと、色々な方向からの質問が飛びました。やり取りの中で、ベルルスコーニ前イタリア首相とサルコジ氏の類似点を肯定したり、プロディ現イタリア首相と自分の政治的立場が近いことを認めるなど、段々とアンチサルコジムードが濃厚に。また、「一方の危機は非常に深刻で、もう一方の危機は一時的」と述べたり、「自分がやるだろうこと〔決選投票でどういう票を投じるか〕はまだわからないが、やらないだろうことはわかっている」と答えるなど、右手は引っ込めたが左手はまだためらっている、という感じ。

バイルー氏は声明の中で、ロワイヤル女史から提案された公開討論を受けると発表しています。この討論で、ロワイヤル女史が、経済政策案についてバイルー氏をどれだけ納得させられるかによっては、彼女の勝算がかなり上がるかも。
この公開討論、「もしサルコジ氏からも同じような提案があれば受ける」とバイルー氏は述べていましたが、サルコジ氏が昨夜のTVインタビューでこれを拒否。「決選投票に残ったのは二人だけ、有権者の前でその二人が討論すれば充分」とのこと。「三人目の出る幕はない」(または「負けた奴はすっこんでろ」)ということか。

で、現時点では、ロワイヤル女史とバイルー氏の公開討論の時間と場所が決まらず、混迷状態。特に、選挙期間中、一般TVに映る時間が両候補とも同じでなければいけないので、片方が討論をやって他方がやらないとなると、この時間調整が難しくなります。
既に、金曜朝の新聞社でのロワイヤル候補の地方記者会見をバイルー氏との討論に切り替えようとしたところ、新聞社から断られ、土曜日朝にカナル・プリュスでやろうとして話が進んでいたのに、CSA(高等視聴覚評議会)からストップをかけられたということで頓挫。新聞社の労働組合長にサルコジ氏からコンタクトがあったという噂もあり、また、CSAは「カナル・プリュスにこの件で干渉した覚えはない」と述べていることもあって、社会党は「政治的な圧力がかけられているにちがいない」とサルコジ氏を非難しています。

なんとか早くセゴレーヌ・ロワイヤルとフランソワ・バイルーの公開討論が実現するといいのですが…。
ところで、フランソワ・バイルーが新政党をつくるということですが、「民主党」はフランス語だと「Parti Democrate」。略すと「PD」…?
(フランス語で「PD」とは「おかま」の意。)
まあ、さすがに他の名前をつけるでしょうが。

実はこの発表の前に、UDFと社会党の中道派が一緒になって新しい政党をつくりゃあいんだよ!と同居人と話していたのです。そうしたら、同居人が「そうだよ、SDFとかさあ」。思わぬ返答に爆笑。「Social Democrate Francais(フランス社会民主主義)」の略になるわけね。
(フランス語で「SDF」は「ホームレス」の意。)
あれ、でもよく考えたらその名前だと「党」とか「同盟」とか「運動」とかが抜けてるか。
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コメント
あらためて、バイルーはまともなことを言っていると、痛感しました。
経済政策にしても、政治方針についても。
ま、中道とはどっちつかずなので、
その実現可能性についてはかなり疑問が残ります。

>彼女の政策が「すべてを国家に任せる」方式の社会主義的なものであり、
>フランス経済を活性化できない、と述べました。
私自身もセゴレンヌ女史に関して
その懐古主義的経済政策は どうなのだろう?
と疑問を感じています。
(議論と方針のねじれは別として)

バイルーえらい よう 言うた。
【2007/04/27 05:30】 | Simon #NwqzF3Bo | [edit]
結局、「中道」「中道」というけれど、右と左の中間のことなのか、それとも右と左のパッチワークなのか、っていっても、いずれにせよ「右と左」というシェーマは残るわけで、中道ってほんとになんなのだろうと考えてしまうのですが、これはわりと一般的な問いなのではないかと思います。

バイルーの言葉を借りれば、経済的困難はクロニックであり、社会原理の危機の方がより深刻だと私は思うし、セゴレーヌの政策が「すべてを国家に」という方針だと言ってしまうのは、サルコジを「ファシスト」と言ってしまうのと同じくらいカリカチュアしているのではないかと思っています。

サルコジがquantite(労働時間数)なら、セゴレーヌ・ロワイヤルはqualite(労働の質、労働者の資格)に着目しているわけで、たしかに後者は時間はかかるしリスクも大きいと思いますが(そしてある一定の年齢代以上にはそれで昇給を目指すのは難しそうですが)、前者はそれに比べていささか近視眼的な部分があり、社会格差を広げそうな気がします。
まあ、経済については私は無知なので、あまり強くは言えませんが…。

でも、セゴレーヌのインタビューを見ていると、fantaisisteな雰囲気があって、ちょっと空に上って雲の中に迷い込ませられたみたいな心持になるのですが、それはそれでオプティミストでいいかなーと思ったりします。意外と、そういう「気分」につられて、景気が上がったりするんじゃないのかなーと思ったり。
【2007/04/27 23:38】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
決選投票に残った両候補の
経済政策の比較については
景気対策、税金と多様な比較が
Challengesにてなされていますが、
セゴレンヌ女史の政策は、全て、では無いにしろ
国家主導の感が否めません。

双方の労働条件に対するアプローチは、
おっしゃるとおりですので ここであえてもう一度論議はしませんが、
質を高めようとしたが故の35hであり、
その失敗に関してなんらかの打開策をとらなくては、
ならない、というのが現状でしょう。

また、景気というのは 気分によって左右されることについて 否定はしませんが、
(98のサッカーワールドカップ優勝後の好景気)

そうでなければ、篤志家で知られる家主が
書生を養い、人材を輩出するのはいいですが、
家主が自らの糊口をしのげない、という舞台は
家主はおろか 書生にとってもまずい と思うのです。
【2007/04/29 08:21】 | Simon #NwqzF3Bo | [edit]
>セゴレンヌ女史の政策は、全て、では無いにしろ国家主導の感が否めません。
同意です。
ただ、バイルーが「すべて」を国家に任せると批判したとき、「それは言い過ぎ。ステレオタイプ化している」と思ったのと同時に、そこにチャンスがあると思いました。つまり、セゴレーヌ・ロワイヤルが公開討論で、その点についてバイルー氏に「すべて」でないことを説明し、よく議論しあうチャンスがあるのではないか、そしてバイルーと同じようなステレオタイプ化をしている有権者にも説明するチャンスになるのではないか、ということです。
昨日の公開討論は見ていないので、実際はどうなったのかわかりませんが…。どうやら、経済に関しては完全に意見が分かれたようですね。

35時間制導入の際には、「ワーク・シェアリング」や「余暇の時間が増えれば消費も増える」という考えが第一にあったと理解しており、「労働の質を高める」というのはあまり考慮されなかったのでは、と思います。私が、ロワイヤルの政策が「質」に着目していると思ったのは、若年層の失業対策を念頭におきつつ、予算があるのに十分使われていなかった職業養成(formation)に力をいれよう、という点です。これは、35時間制導入の契機とは違うのではないかと思います。

>篤志家で知られる家主が書生を養い、人材を輩出するのはいいですが、家主が自らの糊口をしのげない、という舞台は家主はおろか 書生にとってもまずい と思うのです。
そのような議論に対して、ロワイヤルはいつもの宣伝文句、「gagnant-gagnant」で答えています。つまり、書生が経済を活性化させればそれが国家に還元されるということです。
ただ、問題は、それがかなりの長期的観測であろうことと、必ずしもうまくいくと思えないことですよね。

フランス国家の赤字額がすごいことになっているようですが、バイルー氏は記者会見で、両候補とも提出している政策にかかる予算が多額で、それをどこから埋め合わせるのかが不明確だと言っていましたが、サルコジに対しても、その政策では赤字を減らせないだろうと批判していた記憶があります。
【2007/04/29 11:55】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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