スポンサーサイト

 --------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

住居に関する国家への抗弁権

 2007-01-04
先日ふれた「ドン・キホーテの子供たち(Les Enfants de Don Quichotte)」が展開しているテント活動が大々的に話題を呼び、パリ10区のサン・マルタン運河から始まって、現在はリヨンのベルクール広場やニースの海岸、リールの公園に及んでいるようです。そして、大統領選前で意欲的な態度をみせたい政治家たちが、こぞってこの問題に取り組み始めました。

2637282965.jpg「ドン・キホーテの子供たち」は、サン・マルタン運河憲章を作成、路上生活者を援助するための要求をそこにまとめて提示。数名の政治家が、それを認める署名または同意を表明しています。主なところでは、緑の党書記長セシール・ドュフロ、社会党書記長フランソワ・オランド、共産党書記長マリー-ジョルジュ・ビュッフェ、LCR代表オリヴィエ・ブザンスノ、UDF党首フランソワ・ベイルー、パリ市長ベルトラン・ドラノエ、UMP所属でFRS(Forum des republicains sociaux)代表のクリスティーヌ・ブータンなど。セゴレンヌ・ロワイヤルは「ドン・キホーテの子供たち」の代表と電話でコンタクトを取ったそうですが、憲章すべてに同意はしていないとのこと。また、ニコラ・サルコジは、仲介役にアルノー・クラルスフェルドを立て、SDF(sans domicile fixe:ホームレス)の状況調査を要請し、「ドン・キホーテの子供たち」の要求を積極的に扱う構え。唯一、極右FN党首ジャン-マリー・ル・ペンのみが、彼らの憲章に反対しています。

「ドン・キホーテの子供たち」のテント活動が引き金となって、SDFや住居問題が社会問題のトップに浮上。そこで、一定住居が確保できない場合に国家を訴えることができる権利についての討論が活発になっています。これは「le droit opposable a l'Etat」というもの。「国家に対する抗弁権」というのでしょうか(ちょっと自信なし)。
最近、この権利を法律に書き込むことを目立って提案したのがニコラ・サルコジ。しかし、実はもっと以前から提案がなされており、ル・モンドによれば、恵まれない人々の住まいのための高等委員会が2002年12月に提出した報告書に、住居に関する抗弁権への方針が打ち出されていたそうです。また、同じ頃、複数の団体によって「住居に関する抗弁権のためのプラット・フォーム」が作成されていたとのこと。この考え方が次第に広まり、現在はニコラ・サルコジの補佐に任命されたクリスティーヌ・ブータンが、23議員の署名を集め、2005年9月に法制化案を政府に提出したそうです。
そして、この問題の解決策を早急に具体化するようにとのシラク大統領による強い要望があり、昨日(1月3日)、ドミニク・ド・ヴィルパン首相は、この住居に関する抗弁権の法案を1月17日に閣議へ提出すると発表。その後、国会閉幕の2月22日以前に討議、法制化される予定。
しかし、実質的に施行されるまでには時間を要するようで、2008年にSDFと低賃金労働者、シングル・マザーが優先的対象となり、2012年には不適合住宅に住む全ての人が対象になるとのこと。

参照:
Yahoo Franceより

「La France se dote d'un droit au logement opposable」(Reuters)
Le Mondeより


それにしても、この急展開には驚きました。ちょっと納得いかない部分がある私はひねくれ者かしら。大統領選を前にして、国民の目につくようになった問題に慌てて飛びついているように見えなくもない。こんなに早く話が進むなら、政府は何故もっと前からとりかからなかったのか。勿論、「ドン・キホーテの子供たち」の活動が成功したという面もあるのだろうけど。「世界の医師団」がテント配布を始めたのは一年ほど前。それは今回ほどの話題にはなりませんでした。「ドン・キホーテの子供たち」のやり方ほどメディアを、ひいては世間の目を、ひかなかったからだろうと思います。しかし、問題提起の仕方が(ある面で)弱かったとはいえ、同じ問題が前からあったということです。「ドン・キホーテの子供たち」のパフォーマンス的活動が広まるにつれ政府が慌て出す以前、(先日このブログに書いたように)内閣所属の社会統合担当大臣、カトリーヌ・ヴォートランは、「世界の医師団」や「ドン・キホーテの子供たち」に対する激しい非難を表していたのです。「ドン・キホーテの子供たち」の活動効果には拍手を送りたい反面、政府の変わり身の早さに不信感がつのります。

と、ここまで書いた後で見つけたル・モンドの今日の社説。

Droit au logement
LE MONDE | 04.01.07

© Le Monde.fr
長い間、住居問題に関する解決案は、政治家の口約束にのぼっていたけれど行動にはなかなかうつされなかったことが書かれています。今回の法案も、どこまで具体的な線がひかれるかまだわからない。法案の実際の内容が注目されるところ。その点では、多くのNGO団体も慎重な姿勢をみせていることが想起されます。そして、この社説の最後の一文に同感。サルコジもロワイヤルも、大統領選候補者としてこの問題に取り組む約束をしたからには、必ず実行にうつしてもらいたいものです。
スポンサーサイト
コメント
こんにちは。
SDF問題について弊ブログで取り上げたのですが、
いろいろ参考にさせていただきました。
勝手ながらトラックバックいたしましたので
よろしくお願いします。
【2007/04/09 02:39】 | NEPOJA #5l.YEkqk | [edit]
こんにちは。リンク、ありがとうございました。
【2007/04/09 22:37】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://hibinoawa.blog10.fc2.com/tb.php/476-1fc34d1f
  • サンマルタン運河発ホームレス闘争【パリ発NEPOJA日記】
    C'est le printemps!! ハルデスネ。( ´_ゝ`)春眠暁を覚えずって言うけれど、ホント最近朝起きられない!(一年中って噂もありますが。)寒い週もあったけど、基本的に暖冬だったパリ。早咲きの桜が咲き始めた2-3週間前、突然寒波がやってきて春分の日にはヒョウが降った
【2007/04/09 10:38】
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。