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サッカーにまつわる二つの出来事 その1

 2006-11-26
国内リーグやらチャンピオンズ・リーグやら国際親善試合やらで、TVつけるとサッカーの試合をやってたりするこの頃。しかし、サッカーの試合そのものではなく、場外にてメディアを騒がす出来事がありました。ひとつは社会党所属のラングドック・ルシヨン地方議会議長、ジョルジュ・フレッシュのフランス代表チームに関する問題発言。もうひとつは、国内チーム、パリ・サン・ジェルマン、略してPSGのサポーターが試合後の乱闘の中で警官の発砲により死亡した事件。
今日はとりあえず一つ目から。


061123220418.vs1n3xhj0_le-president-ps-de-la-region-languedoc-roussillon-b.jpgジョルジュ・フレッシュがフランス代表チーム、レ・ブルーの選手編成に対して挑発的な意見を述べたことが地方紙Midi Libreに報じられたのは11月16日。14日にモンペリエで行われた地方議会で、フレッシュ氏は「このチーム〔フランス代表チーム〕には、11人中9人の黒人がいる。普通なら3人か4人のはずだ。それが社会の反映だろう。しかしこれだけ多くの黒人がいるということは、白人が無能だからだ。もうすぐ黒人が11人になるだろう。こうしたサッカー・チームをみるとき、私は辛くなる」「フランスにとって恥だ」と発言したとのこと。
この発言が人種差別的であるとして、その後すぐに多くの批判が噴出。人権保護系団体や反対政党の右派から、またフレッシュ氏が所属する社会党内、地方議長選出において連盟した共産党と緑の党からも、困惑や非難の声があがっています。

フレッシュ氏の問題発言は、じつはこれが初めてではありません。メディアは彼が「再犯者」であることを報じています。特に、今年の2月、ハルキ(harki:アラブの民兵、アルジェリア独立戦争でフランスに雇われた現地補充兵)を「人間のくず(sous-hommes)」扱いしたことで、裁判沙汰になっています(近々その裁判が行われる予定)。
Liberation紙は、今までの彼のきわどい発言の数々を列挙。例えば2000年6月、市街電車の落成式で、ムスリムのヴェールを被った乗客をからかい、続く会話で、移民人口が非常に多いモンペリエ郊外パイヤード地区をモロッコのワルザザート市に比較したとか。また2003年5月には、「我々の土地で外国人の親から生まれた何百万という市民を適切に同化させられない我が国の能力の無さは(…)我々の将来にとって最も大きな内的脅威である」と地方紙にて発言。ジャン・ポール二世ローマ法王を「ばか」扱い(2005年4月)し、アルジェリアのフランス人のための博物館建設計画を批判されれば「ケツの穴〔バカ〕大学教員のコメントなんかどうでもいい」(2005年11月)と言い返す。また、彼は「歴史家」の肩書きを持っていますが、専門(法の歴史、ローマ時代)以外のことに無茶なコメントも。「中国は一度もチベットを侵攻したことがない。チベット人が中国を侵攻したのだ」(2005年6月)、「セネガル人はブルターニュ地方人よりもずっとフランス的だ。前者は1532年からフランス人だが、後者は1536年からだから」(先週の木曜日)。フランスのサッカー・チームについての発言を最初に報じたMidi Libreの記者によれば「耳にしたことすべてを伝えているわけではありません。フレッシュが吐いた暴言を全部転載しなければならないとしたら、毎日1ページが埋まりますよ」とのこと。
「確かに初めての暴言ではありません。しかし数ヶ月前から、彼は全く自分自身を抑制しなくなったような印象があります。彼の病気(2004年10月に心臓の手術を受けている)が何か関係あるのかと疑っているのですが…」と、共産党所属のランドック・ルシヨン地方議会議員は漏らしたそうです。
しかし、他方では、フレッシュ議長に連帯して、メディア操作的な展開を糾弾する声もあり、「文脈から離れて非常に部分的に報じられている」とも言われています。

さて、多くの批判的な反応に対し、フレッシュ氏は「謝罪するようなことは何もない」とし、「悪く解釈された」と弁明。「私が話した同国人たち〔フランス代表チームにおける黒人たち〕は(…)私たちの社会で地位を獲得することがいかに難しいかを知っている。そのために、自分たちに栄光を与える勝利を得るための激しい闘志を彼らはもっている」、「もっと優遇された社会的カテゴリーに属するチャンスに恵まれた人々が、同じような勝利への渇望をもっていない」ことを残念に思う、「それが私の言いたかったことです」とのこと。

ハルキ発言で、すでに社会党内決定機関への参加を2年間停止する処分を受けているジョルジュ・フレッシュ。社会党は21日、今回の件に関する党内争議委員会の発足を決定。党のスポークスマン、ジュリアン・ドレイは「報じられた発言は社会党に所属することと相容れない。もし問題の発言が確認されたら、当然、除名の手続きが必至となるだろう」と発表しています。
実際、ジョルジュ・フレッシュを社会党から離脱させることを要求する声があがっていますが、氏は「もし私が社会党を去るなら、Urbaに関する資料をすべて暴露する」「そうしたら想像もつかないようなパニックが起きるだろう」と発言。Urba事件は、1980年代に社会党が選挙キャンペーンの資金作りのために不正取引をしたと疑われているもの。しかしこの脅迫めいた発言のすぐ後に、セゴレンヌ・ロワイヤルを応援しているフレッシュ氏は「私は黙っていましょう(…)自分の党に反することは何もしません」と述べています。

11月20日に、ラングドック・ルシヨン地方議会副議長で元運輸大臣、共産党のジャン-クロード・ゲッソーが辞職を表明。フレッシュ議長はこれを拒否、人権委員会の発足を約束する代わりにゲッソー氏の辞職は撤回されました。これを受けて、共産党の議員の多くは行政活動を通常通りに行うことを決定。しかし、党の書記長、マリー-ジョルジュ・ビュッフェは議長の辞職を要求しており、共産党系議員の数人がこれに呼応しています。緑の党の議員たちは、やはりフレッシュ氏の辞職を要求、行政活動への参加を停止するそうです。

参考:
Nouvel Obsより

「Les explications successives de Georges Freche」
「Affaire Freche : le PS demande a verifier」
Yahoo Franceより
「PS: Georges Freche allume des contre-feux apres ses propos controverses」(AFP)
「Freche: l'affaire fait des vagues chez les elus communistes de la region」(AFP)
Liberationより
「Georges Freche, un habitue de la ligne jaune」

さて、私的感想。
しかし、それにしたって肌の色を引き合いに出す必要はないでは…。
個人的には、ジョルジュ・フレッシュの発言はやっぱりショッキングでした。最近、フランス代表チームの試合を見るときに、各選手の肌の色など気にしたことがないもの。ただ彼らは「ブルー」です。

「社会の反映」とういことを言っているので、もしかしてアファーマティブ・アクション(ディスクリミナシオン・ポジティヴ)のことを言いたいのかな?とも思ったのですが、そこで同居人が「それなら議員も黒人が3割4割を占めるべきだろ」。そりゃそうです。

サッカーのレ・ブルーの大半が黒人であることを指摘するなら、ラグビーのレ・ブルーはどうなんですかね?とも言いたい。肌の色を見るなら、ラグビーの方はほぼ白人ですね。それで「白人は無能」とは言えないでしょ。
ところで、フランスにおいて、サッカーが庶民のスポーツだとすると、ラグビーは比較的金持ちとか、中よりやや上の社会的クラスのスポーツ。ラグビー選手の中には弁護士や医者も多いそうです。サッカーのナショナル・チームに黒人が多いのは、フレッシュ氏が言うように社会的に困難な層が頑張っていることの現れだ、と認めるとしたら、その反面、ラグビーのナショナル・チームに白人が多いのはやっぱり優遇されている層は白人ばかりだから、と言えるかもしれない。でももし彼がそういう社会学的意見を述べたかったのだとしても、「白人は無能だ」と嘆く必要はないし(というか、もともと全く意味が無い)、問題提起の方向が違うはずだと思うんだけど。

※後から一部修正しました。
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コメント
はじめまして。

リヨンで、一度だけリヨン対ルマン戦を観戦しました。

リヨンは、リヨン市民のチームという感じで、家族で来ている人も多く、サポーター全体がまとまって盛り上がっていました。(今強いから、荒れないでまとまれるのかもしれないですが)でも、観戦者の90%くらいまでが白人でした。黒人やアラブ系の人はスタジアムの外の露天商以外、ほとんどいませんでした。

そこで思ったことは、ある程度出資してスタジアムまで来て応援する行為は、まだまだ、白人だけに許された愛郷心の表現なんだなあということです。

スタジアムは、何年か、あるいは何代かそこに住んだ人だけが入ることを許される会員制クラブのような親密な空間、といったら言いすぎでしょうか。日本人の私は、あくまでもお客様であることをわきまえてそこにいなくてはいけない。ここは、さまざまな分野を移民や黒人に明け渡しつつあるフランス土着民の、残された砦のひとつのかも。

だとしたら、一歩間違えばPSGのラシズムにつながる排他性は、どのチームのサポーターも持っているということだと思います。(でも、ユダヤ人は何代も何年もヨーロッパに土着しているから、私の説では、PSG問題を説明することはできませんね。)

フレッシュ氏の発言が出たとき思ったのです。人口比率が合ってないのはナショナルチームではなくて、観戦者のほうじゃないか。そのことを問題にしなければならない、と。

よくもまあ、一度スタジアムに足を運んだだけなのに、ここまで話を飛躍させたものです。

おバカなコメントをお許しください。

【2006/11/30 14:04】 | ぬし #- | [edit]
はじめまして。コメント、ありがとうございます。

う~ん、なるほど。そういえば実際にスタジアムに観に行ったことがないので(仕事で行ったワールド・カップの試合を除いて・・・)、サポーターたちの熱狂具合というものを肌で感じたことがなかったです。
>会員制クラブのような親密な空間
この辺りから排他性みたいなものが出てくるのかも・・・と思うと頷けますねえ。

リヨン、強いですねー、最近。
そういや、この前、サッカー好きのフランス人と話したのですが、OM、PSGが強かった時には多くの人に愛されていたけれど、リヨンはいまいち好かれていない・・・とか言ってました。リヨンのマーク(OL)は、リヨンの街でよく見かけられる金融だったか不動産だったかのマークと一緒で、金持ち的なイメージがあるとかなんとか・・・。本当かどうかわかりませんが。
【2006/12/03 01:11】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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