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匿名の履歴書

 2006-10-25
全国的な広がりをみせた郊外での衝突から約一年。この現象から、色々な分析、反省がなされ、その一環として、今年の4月に新たな雇用機会均等法が採択されました。その中には、「匿名の履歴書」を導入する項目が盛り込まれています。これは、人材採用の際に参照する履歴書に応募者の名前を書かせない、というもの。従業員50人以上の会社に義務付けられることになっています。

ここ数年、SOSラシズムなどの反人種差別団体が、雇用や住宅賃貸の際に行われている差別を調査してきました。肌の色や、出身国が自ずと推測される名前によって、雇用者側や家主の側からの選別がある、という実態が明らかにされています。
例えば、マグレブ系の名前の女性が、応募したけれどなしのつぶてだった企業に、名前だけ変えて全く同じ履歴書を再度送ったら返事がきた、など。

カナダでは、すでに匿名の履歴書登録のシステムがあり、国籍・性別などを問わず、実力と経験重視の傾向にあるそうです。
フランスでも、最近は、外見で判断していると思われるのを避けるため、履歴書に写真貼付を求めない企業が多くあります。が、履歴書を匿名にするところまでいっている企業はまだ少ない。名前による差別を乗り越えるため、応募番号だけの履歴書の実施を待つ声が上がってきています。また、雇用機会均等に関して、シラク大統領が匿名履歴書を望んでいました。

ところが、先週(10月18日)、内閣のスポークスマン、ジャン-フランソワ・コペによって、匿名履歴書を義務付ける勅令は今のところ施行されないと発表されました。
ただし、この案が廃棄されたのではなく、試運転期間を設ける姿勢。しばらく数々の企業で実施してもらい、労使代表とも話し合いを続けるとのこと。
ジェラール・ラルシェ雇用担当大臣は、「試験してみて、もし匿名履歴書がプラスであると判明すれば、そのときは実施しなければなりません。しかし、それだけが道具ではありません。差別への対抗と多様性を得るための闘いを、匿名履歴書だけに制限しないようにしましょう」と述べています。

たしかに、写真をつけず、名前を伏せても、採用前に面接は行われるはず。雇用者と応募者が対面するそのとき、外見や出身などによる差別が行われないと言い切れないのでは?
重要なのは、ひとつの道具である履歴書に変更を加えることそのものではなく、その変更によってもたらされる雇用人事側の意識の変化。労働組合CGTの連盟執行委員会所属、フレデリック・バルレットは、「本当の足がかりがあるところ、ステレオタイプを崩した企業では、匿名履歴書の必要がない」と主張しています。

ところで、大手自動車会社のPSAプジョー-シトロエンでは、2005年3月から2006年5月の間、匿名履歴書を導入しています。同社では「差別されたかもしれない人たちの採用が多少増えた」ことが認められるとのこと。ただし、人種別に統計をとることはフランスで禁止されているため、その結果を細かく提示することは出来ないようです。
また、リール地方にある情報科学関係の中小企業ノルシス(NorSys)では、2006年1月から、すべての応募に対して履歴書を匿名にしているそうです。この会社では、それ以来、女性の採用が5%上昇、40歳以上の採用も増えているとのこと。

これから、匿名履歴書が、人事採用側に固定された「ステレオタイプを壊す」役割を担ってくれるとよいのですが。

参照:
Yahoo Franceより

「Le gouvernement renonce a rendre obligatoire le CV anonyme」(AP)
「Le CV anonyme se faufile dans l'entreprise」(Reuters)
RTLより
「Le CV anonyme encore en phase d'experimentation」
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