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「イスラエルにおけるレバノン戦争の政治的影響」

 2006-08-21
ヒズボラをテーマにしたチャットが行われる前日、イスラエルについてもル・モンドのサイト上で、特派員と読者の討論の場があったようです。
そちらのまとめがあったので、これも訳してみました。



イスラエルにおけるレバノン戦争の政治的影響

2006年8月17日木曜日に行われた、ル・モンドの特派員、バンジャマン・バルトとの討論の総括です。

エリー:イスラエル人たちは、オルメルト氏とブッシュ氏が主張しているように、戦争に勝ったと思っているのでしょうか?
バンジャマン・バルト:
総体的にみて、イスラエル国民は軍が戦争に勝利しなかったと確信しているか、そうでなければ少なくとも成果に対して非常に懐疑的で批判的です。マスコミにおいて、参謀長官、ダン・ハルツ、また国防相、アミール・ペレツに辞職を迫る多数の声があがっているのがその証拠です。戦争中の軍の行動についての調査委員会が最近発足されたことも、イスラエル人たちにとってどういう点でこの紛争が不確かなものであったかを明らかにしています。

バンジャマン:オルメルト首相は戦争の後、力が弱まりましたか?
バンジャマン・バルト:
明らかにそうです。エフード・オルメルトは、彼の軍隊での過去が慎ましいものではなかったので、首相に任命された際に既に批判の的になっていました。戦争の失望的な結果は、このような危機的時期におけるイスラエル国家を統率する民事的能力について、再び問題提起を招く可能性があります。

ル・ヴィエイユ・オブス:イスラエル人たちはこの戦争からどんな教訓を引き出すでしょうか?むしろ、最終的に打開策は今までにないほど政治的だと気づくのでしょうか?
バンジャマン・バルト:
近々、議論が始まるでしょう。図式的にいうと、二つの思想の潮流があります。一つは、「悪の枢軸」理論の後ろにつくもので、イスラム教主義者とはいかなる示談もあり得ないというアメリカの新保守主義の考え方を受け入れているものです。この考え方はヒズボラをアル-カイーダと同じカテゴリーに入れる傾向があり、そのため、紛争の政治的な解決を全て禁じます。反対に、少数派ですが、あるコメンテーターたちは、イスラエル軍のお粗末な結果を、6年来占領地区において勢いのない紛争を続けてきたという事実によって説明できると指摘しています。「弱いサッカー・チームとばかり戦っていると、どんなに強いチームでもレベルが下がる」と、元イスラエル軍情報局責任者が私に言いました。この分析は、アラブ世界との一切の領土係争が解決したとき、イスラエル国家防衛がもっと保証されるだろうことを仄めかしています。しかし、その考え方は政治的軍事的領域において支配的ではありません。

ガンジー:イスラエル社会内で、宗教派と政教分離派、または鷹派と鳩派の対立の増大は予想できますか?
バンジャマン・バルト:
ガザのパレスチナ人たちのカサムという手作りロケット弾の発射にしろ、またはヒズボラのカチューシャの発射にしろ、イランの核計画にしろ、イスラエル社会が戦争状態にいる、もしくは少なくとも脅威にさらされていると感じている限り、内部の緊張や分裂に取り組むことはむずかしいでしょう。政教分離派と宗教派の溝を筆頭として。鳩派と鷹派の亀裂に関しては、イスラエルの政治層全体がヒズボラに対する戦争は正当であったと考えている事実によって、対立が弱まりました。

ガンジー:この戦争終結で、政治権力と軍隊の関係の変化を予想できるでしょうか?
バンジャマン・バルト:
それはこれからの議論における争点の一つとなるでしょう。一部のコメンテーターたちは、ベレツ-オルメルト・ペアの軍事的経験のなさが、事実上、戦争の指揮を参謀長に任せていたとみています。他の分析家たちは、政治的決定者たちの間の軍事的勢力の均衡をとるとみなされている組織、国連安全保障理事会の消極性を残念に思っています。どちらにせよ、イスラエルにおいて民事と軍事の関係を再編成するのは大変難しいでしょう。国家創設以来、上層部の兵士が政治家の配下にいたことは一度もありませんでした。二つの時期を除いては。一つは2000年のレバノンからの撤退、もうひとつは2005年のガザからの撤退で、政治家と兵士たちはこれらに反対し、軍人たちは政治家たちのパートナーでした。

ジャック:アフマディネジャド大統領がヘブライ国家の破壊を呼びかけた後にイランに対する戦争が起こるかもしれないと心得えつつ、ツァルがこれから先の数年、手がけていかなければならないヒエラルキーや戦略、軍事での大きな変革は何でしょうか?
バンジャマン・バルト:
イスラエルは今のところ、イランの核の件についての処遇は国際共同体に任せています。ある外交官が数週間前に私に打ち明けたことですが、1980年代に成功したイラクの原子炉への爆撃とは反対に、イランの設備破壊を目的とした軍事行動はすべて無謀とみなされているそうです。こうした文脈では、イスラエルが国際外交へ圧力を強めること、今後数年のうちに対ミサイル防衛システムを最高度まで開発する努力をしていくことが予想できます。

イゼル:今回の戦争の後、イスラエル国民の気力はどのようなものですか?
バンジャマン・バルト:
よく使われる表現で言えば銃後は、軍隊自体よりも出来事にずっとよく対処していました。多数のイスラエル人が5週間、多くは不衛生な避難所に閉じ込もって暮らしたにもかかわらず、です。彼らの断固とした意志は、戦争中、弱まりませんでした。イスラエル国家の歴史上初めて、市民がこの点で第一線に位置していたということであり、こうした態度はコメンテーターたちを驚かせました。その結果、イスラエル人たちは、自分達がほぼ敗北と認めるものごとについて指導者たちに釈明を求めようと決心したとしても、気力充分で戦後に取り掛かっています。

ビバンダム:イスラエル右派政党、リクードは、この戦争で力を増すでしょうか?
バンジャマン・バルト:
もうそうなっています。もし現在選挙が実施されたら、リクードが3月28日に得た11議席以上を獲得するだろうという調査結果がでています。しかしながら、そのリーダーであるベンヤミン・ネタニヤフは性急にすぎないよう注意しています。過去に、彼の気まぐれが世論によく非難されていました。クネセト〔イスラエルの立法議会〕で、そうできたはずなのに彼はエフード・オルメルト内閣を責めなかった。彼は、政治の舞台の中心に復帰するために、現内閣に対する国民の幻滅が増大することに期待しています。

ジャロード34:この戦争はイスラエルのアラブ人を他のイスラエル国民から更に孤立化させるのではありませんか?
バンジャマン・バルト:
イスラエルのアラブ人たちは、ユダヤ人と同じく、ヒズボラのロケット弾の被害を受けています。この戦争は彼らのコミュニティの間にある分裂を更に広げただけでした。社会への統合と、ある種の形式でのイスラエル化に積極的なアラブ人たちは、ヒズボラを批判する傾向がありました。多数派の他のアラブ人たちは、彼らの苦難の責任をエフード・オルメルトに負わせています。この分野では、予想される大きな変化はありません。

カルカリ:この戦争によるイスラエル経済への打撃はどのようなものでしょう?
バンジャマン・バルト:
経済相は、戦争はイスラエル経済に100億シェケル、つまり約20億ユーロ強の損害を与えた、と発表しました。ヒズボラの主な標的となったキリアット・シュモナのような街は、再建に何ヶ月もかかるでしょう。ほぼ活動が停止して5ヶ月経過した後、多くの小企業が倒産の危機にあります。しかし、イスラエル経済は比較的急速に再出発できるはずです。ガリラヤに与えられた被害はレバノン南部が受けた打撃とは比べものになりません。

レオ:あなたの意見では、ヒズボラに対する新たな敵対心がありそうですか?政権の危機か、イスラエルの政治的危機がありそうですか、それともそういったものはなさそうですか?
バンジャマン・バルト:
ヒズボラに関して、大多数のコメンテーターは、短期または中期の新しい軍事的「ラウンド」は避けられないだろうという意見で一致しています。その推測は国連の1701号決議の適用のされ方によります。また、イスラエルの将軍たちが引き出すであろう駆け引きや戦術上の教訓にもよります。イスラエル政府については、エフード・オルメルトは踏みとどまることに決めたようにみえます。しかしながら、彼は、この数週間のうちに司法的な問題によって訴追されるかもしれません。国家監査官は実際に、不審な不動産取引について説明するよう、首相と彼の妻を召喚しています。エフード・オルメルトは、イェルサレム市長だったときに、不動産開発業者へ容易に建設許可がおりるようにした代わりに、イェルサレムのアパートを市場価格よりも安く買った嫌疑をかけられています。国家監査官は、唯一容疑の判断を下す資格のある検事総長に書類送検するかどうか、この数週間のうちに決定するはずです。
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コメント
訳出おつかれさまですー

これらの討論に参加してる人(若者?)って皆フランス在住の人なんでしょうか。
うーん、率直に聞きたいことを聞くのが主たる目的で、いずれかの立場にたっての討論という趣旨じゃないんでしょうが、質問の仕方にしてもずいぶん冷めてるなと感じてしまった。それも含めて興味深い記事でした。

ところでサッカーと違ってほとんど関心を持たれていないと思いますが、今日本で開催中のバスケット国別対抗戦(ワールドカップみたいなもの?)にレバノンが出場しているのです。サッカーはアジア杯予選自体を余儀なくされたレバノンですが、こちらは何とか参加出来たんですね。
今晩、同組のフランスと当たりますよ。
http://www.fiba2006.com/index_j.html

実は自分も今ひとつ関心薄かったのですが(地元が予選開催地の一つなのに)、レバノンが出てると知って少し興味がわいてきました。自分のブログに紹介しようと書いてたら消えてしまったので、フランスつながりでコメント欄拝借、失礼しました。
【2006/08/23 05:06】 | imasaru #6ilpfs42 | [edit]
こういった宗教が絡む現代の紛争においてわれわれの思考は必然的に判断停止に追い込まれざるをえないのかもしれません。そもそもこれらの紛争ではどの国に原因があるということすら誰にもはっきりしたことが言えなくなっているし、「ポスト・モダン」といわれる状況においてわれわれもこれを是認せざるをえない。そういった状況の中でなんらかの倫理的思考を紡ぐというのはほとんど不可能なようにすらみえます。これまで存在してきた倫理的思考はなんらかのかたちで、特定の宗教の影響のもとにおかれていて、カントなんかはそうでないといえるのかもしれないけど、その倫理学がいまのこの世界に有効かというとやはり無理があるといわざるをえない。だからといってカントを乗り越え全体において倫理の問題を考えたとされるヘーゲルもある意味ではけっきょくキリスト教の土台のうえで思考していたともいえるわけで。やはりいまのところは地道に個別の宗教がもつ倫理的規範の研究を積み重ねるところから出発するしかないのかもしれません。
【2006/08/23 05:23】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
>imasaruさん
そうですね、「チャット」「討論」と書いてありますが、結局、質問を投稿してリアルタイムで答えをもらう、という形式のようです。間にモデレーターがいて、回答者への中傷や批判がないかチェックしたり、質問が重なっていないか吟味したりするみたいですし、まとめになっているものも全部が載っているのかどうか、ちょっと疑問。でも、大体1時間なので、こんなものなのでしょう。

私は訳していて、ヒズボラ関連の方が、関心が強いように見受けられました。自分が無知なだけかもしれませんが、初めて聞く固有名なんかが多く出てきたのは、ヒズボラ関連の方だし、それだけ事情に詳しい人が多いのかなーという。イスラエルに関する方は、ヒズボラのに比べて、あまり突っ込んだ質問がなかったような気がします。
フランス全体を反映しているかどうかはわかりませんが、どちらかというと、やはりレバノンに親近感がある人の方が多いかな~という印象。

バスケット、なんかやってますねえ、日本で。こちらでは、あんまり報道されてないですねー。フランスは、アメリカNBAで活躍しているトニー・パーカーが怪我で出ていないんじゃなかったっけ。
レバノンかあ~。バスケットというと、やっぱりアメリカしか浮かびません…。モノポール。

>pianomanさん
倫理観が宗教から来ている部分が大きいと思いますが、それだけに、よく表現されるような「モザイク」的社会(議会も)のレバノンが今後どうなっていくか、ちょっと興味があるところです。
【2006/08/24 23:18】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
>サッカーはアジア杯予選自体 ←辞退

行きがかり上?バスケのつづき。
レバノン、終始リードを許さぬ展開でフランスに勝ちました(実況では「大金星』と言われてました)。結局、翌日は負けちゃって決勝Tに進めなかったんですが。
帰国の途につく選手団の心境やいかに。
(中継してる民放テレビ局もこういうところを報道班でフォローする視点があるといいのに、あくまでも「祭」です)

観てると結構面白いゲームも多いんですけど、やっぱり選手をよく知らないせいか今イチ思い入れが薄い。。。始まる前に唯一知ってたのがヤオミンだったりするんだもん。サッカーに興味がない人のワールドカップもこんなもんだったんでしょうかね。(そういう意味ではまんまと祭に興じていた自分がいたものだ)

話がそれてごめんなさい。スルーしてね。
【2006/08/25 12:54】 | imasaru #6ilpfs42 | [edit]
フランス、準々決勝まで進出してるんですねー。そのチームに勝ったレバノンが敗退っていうのは残念ですね。
でも、こちらでは、やっぱり目立って報道されていないような気がします。(って、最近、ニュースを見てないんですが。)

知ってる選手がいるかどうかで、結構ノリが違ってきますよね。あと、開催地にもよるのでしょうね。地元開催だったりすると、報道量も多そうですが。
それと、スポーツ自体の人気度にもよりますよね。「スラムダンク」が大人気だった日本では、バスケ好きな人、多いんじゃないのでしょうか?もう世代が違うか。(マンガの影響力って大きいですよね。「キャプテン翼」とか。あれはイタリアでもたらした影響も大きいみたいですし。)

話がそれるのは日常茶飯事、私の周辺では当たり前のことなので、そんなに気にされなくても大丈夫ですよー。っていうか、私自身、すごく話がそれてますし^^;)
【2006/08/27 13:45】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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