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「中学校で、言葉のテストを受ける人種差別的偏見」

 2006-06-14
下の記事と同じくル・モンドの社会面に出ていた記事↓
カルシェール≠カシェールのことろで、一人で大笑い。(←ネタバレ)

無邪気さというものが深く人を傷つけることがあるように、世間一般に横行する差別や偏見に蓋をして、ただそれが「いけないこと」と教えるより、無意識に刷り込まれた表象と意味の結合を意識化させること、そうやって問題提起することは、問題の解決のひとつの手法であると思います。それは精神分析的手法でもあるわけだけど。

しかし、この記事の中で気になるのは、移民家族出身の子供のアイデンティティが「フランス人」から乖離していること。「フランス人」とは何か、「フランス人」であることに何のコンプレックスもない人たちも含め、問い直すべき問題なのでしょう。


※()は原文通り、〔〕内は訳注です。


「中学校で、言葉にテストされる人種差別的偏見」

道徳の授業も市民教育もなしに、人種差別と反ユダヤ主義に対して闘う。その実行は可能だ。ナッシム・ミルー、28歳、そしてジョナタン・アユン、22歳、二人はそれに挑戦する。この週末、第3学級〔日本の中学三年相当〕の14人の少年少女の前で、スタン(セーヌ・サン・ドゥニ県)のパブロ-ヌルダ中学校の視聴覚室で。ナッシムは、コンベルジャンス〔収束〕・クラブ・ネット・ワークに属している。このネット・ワークは2003年に結成され、マグレブとアフリカの移民家族出身の若者達が集まる団体である。ジョナタンはフランス・ユダヤ人学生連合(UEJF)のメンバーである。二人とも歴史地理学の教師、ギヨーム・ジッケルに招かれ、優先教育地域に分類されるこの中学校にやってきた。

ボランティアではあるが、だからといって二人は素人というわけではない。コエグジスト〔共生〕・カリキュラムの他のボランティアたちと同じく、社会心理学者、ジョエル・ボルデと、精神分析家の指導員、ジュディット・コーエン-ソラルによる指導を受けた。UEJFとコンヴェルジャンス・クラブの意向によって生まれたこの計画は、青少年の人種差別的偏見と反ユダヤ主義に対して闘うことを目的としている。

「道化者」「汚い奴」
そのために、第3学級と第4学級〔日本の中学2年に相当〕の授業への教育的参加の単位が構想された。教育省から支援を受け、この計画は、差別への闘いと同化のための社会行動基金(Fasild)から資金援助を得ている。2005年3月以来、30の中学校で50以上の参加が実現した。

パブロ-ヌルダ中学校の教室には、14歳から16歳の、8人の少女と6人の少年が集まった。進行役コンビが、生徒各自に単語リストの記載された用紙を配る。それは特に「女性」「マグレブ人」「ユダヤ人」「郊外の若者」「アラブ人」「フージュ〔ユダヤ人の逆さ言葉〕」「アフリカ人」「ブール〔フランスで生まれたマグレブ系移民の子〕」「フランス人」「ホモ」「虐殺」などである。生徒達はそれぞれの単語の下に、頭に浮かんだことは何でも書くよう促される。「緊張しないようにして」とジョナタンが説明をする。「君達を審査するために来たんじゃないんだから。」

少年少女たちはすぐにゲームに取りかかった。一人が尋ねる。「ユダヤ人っていったら、『カルシェール〔ケルヒャー、ドイツの掃除機メーカー〕』だよな?」隣りの少年が答える。「違うよ、『カルシェール』はサルコジだろ。お前、『カシェール〔ユダヤ教の法に適した清浄な食物〕』と混同してるぞ。」それぞれの用紙に記入した後、殆んどがマグレブ系とアフリカ系移民家族出身の生徒達は、共同のリストを作成するために4つのグループに振り分けられる。連想が次々はじけ出る。マグレブ人は「汚いアラブ人」「移民」「北アフリカ」「盗賊」「苦労を知っている人」。ユダヤ人は「金持ち」「くたばりかけ(ケチ)」「ネズミ」「イスラエル-パレスチナ抗争」。アフリカ人は「黒人」「焦げ」「熱帯草原」「大家族」「一夫多妻」。アラブ人は「テロリスト」「テロ」「アフガニスタン」「ムスリム」「しょっちゅう唾を吐く人」。

この中学校に存在する反ユダヤ主義は、パリ郊外にある数多くのゲットー的建物の中にはびこるものの尺度だ。「ここでは、反ユダヤ主義は潜在的にありますが、暴力行為にまでは及んでいません」と歴史地理学の教師は言う。

一旦ペーパー・ボードの上にステレオタイプが集められると、二人の進行役が生徒と共に、もっとも問題提起的な点に戻る。「郊外都市では、殆んどのアラブ人がユダヤ人のことを悪く言います」と一人の生徒が説明する。「それは彼らが金持ちだからだ」と別の一人が反論する。「ある人たちは彼らを嫉むし、彼らの座を横取りしたいと考える」と、三人目が自分の信じていることを述べる。

続けて、彼らの先入観を揺るがせ、一般化することの危険性を示すために、進行役は質問をする。「マグレブ人と黒人は尊重されているのに、ユダヤ人はそうじゃない、何故ならユダヤ人たちはいつもグループにかたまっているからだ」と生徒の一人が断言する。「じゃあ、ひとは襲われた時、どう反応する?」ナッシム・ミルーが尋ねる。「自分の中に閉じこもります」と少女が答える。「結局、すべてを同じ袋に入れてしまいがちなんですよね」と別の女の子が分析する。

ジョナタン・アユンは「フランス人」という単語に戻ることを促す。生徒達によって「道化者」「汚い奴」または「ハム-バター」などと連想された「フランス人」。「誰ひとりとして『フランス人』という単語に自己同一化していないようだ」と彼は指摘する。「自分のことだと感じなかった」と一人の女生徒が認める。移民出身ではない別の一人は、クラスメイトたちの反応を説明しようと試みる。「彼らはフランス人の身分証明書を持ってはいても、どちらかというとアラブ人だと感じているんです。」「でもフランス国民の20%は移民家族の出身だよ」と進行役が明言する。「たしかに100%フランス人というのは稀ですよね」とサブリナが同意する。つまり、と進行役が結論を出す。「フランス人とは、必ずしも白人じゃないんだよ。」
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