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反CPE運動から考えた日本のあり方?

 2006-04-14
で、日本の新聞がこぞって「フランスは改革する能力がない」と報じたとのこと。

まあ、日本の視点から言ったらそうでしょうね。

考えてみれば、日本はバブルの時代があって、それがはじけてから不況に陥って、ナイーブな私などその落差に愕然とさせられました。
いつだったか忘れましたが、アメリカでも経済が傾き始めた頃、50歳すぎの人がある日突然解雇させられて…というCNNドキュメンタリーを見て恐れおののいたものです。
その頃から、解雇される、または仕事がみつからない、という不安は、若年層に刻印されたのではないかと思います。

倒産すれば全員が路頭に迷うわけで、それなら企業が生き延びる方策をとった方がよい、と誰もが考えていたのではないでしょうか。バブル崩壊後の長期的不況は、企業が生き残りをかけて負担を減らすために雇用を制限し、正社員雇用が減る一方、人材派遣やアルバイトなどの雇用を創出してきました。それに対する拒絶的な社会反応というのは見受けられませんでした。

さらに溯って考えてみれば、たしか80年代に、「年功序列」と「終身雇用」という日本社会の特徴が批判されていた記憶があります。それらが経済を停滞させる、と。欧米のようにもっとフレキシブルに、とさかんに言われていたようです。その時代に、安定した正社員雇用に固執する社会的価値観というものが崩れてきたのかもしれません。
また、バブル時代には、労働市場では供給よりも需要が多く、学生達はひくてあまたでした。内定を出した会社は、学生の気が移らないよう、研修合宿と称した旅行やパーティーを企画して足止めしたものでした。その頃の「仕事はすぐに見つかる」という感覚と相俟って、ひとつの会社で一生働くという観念が薄らいだのかもしれません。

そういうわけなのかどうなのかわかりませんが、日本は、不況の中、人材派遣やアルバイトといった不安定な雇用形態が増殖し、それが普通である社会になったようです。
もちろん、正社員という、福利厚生が企業に提供されるポストの方が望まれているでしょうが、それが叶わなければ人材派遣やアルバイトといった仕事に就くことにさほど抵抗がないように思います。

CPEがあれだけ抵抗にあったフランス社会と比較しなおすと、その感覚の違いにえらく驚かされます。
ちなみに、去年TVニュースで見た統計によると、フランスの高校生の80%以上が公務員になりたいと言っているそうです。ま、公務員といっても職種は色々あるわけですが、一般公務員(郵便局員とか市役所職員とか)だったら、かなり保障されているし年金もだいぶもらえるらしいし、一生安泰というイメージ。安定志向ってことだろうなあ。

あと、多分、日本では親がまだお金をもってて援助してくれたりするんだろうなあと思うのですが、フランスの場合、将来のための貯金ってあんまりしないみたいだし、親もお金を持ってない家庭が多そう…というところも、バックグラウンドとして違う点かなーと思います。

pianomanさんが以前残してくれたコメントによると、日本では経済格差が広がっているらしい。不況の打開策としての雇用契約形態の柔軟化は、たしかに今、日本は景気が好転してきて、その点では結果「吉」と出たのかもしれないけれど、他の面に別の影響があるんだろうなと思います。


関係ないけど、先週、「小さな政府」を提唱しているという新自由主義的経済学者のインタビュー(日経新聞の一面に載っていた)だったと思うけど、とにかくなんか読んでちょっと恐ろしく感じたのは、少子化問題云々についての答えで、「子供」を経済的要素としてしか語ってなかったところ。子供が大きくなったら労働力になって経済を支えるからもっと子供を作んないと、とかそんなことだったと思う。まー、経済学者だから仕方ないのでしょうが、「少子化問題」なんだから、そんなダイレクトに「子供=国民経済発展の要素」にしなくても、もちっとなんか違う視点、社会的観点から経済に波及する効果とか、そういう風に語ってもいいじゃね?と思いました。あと、産めよ増やせよ、国力のため…って感じもあり。なんだかなあ…。
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コメント
まあ、社会が不安定になるほどの極端な雇用形態は問題だとおもいますが、わたしがフリーターから会社員になっておもったことは、ある程度の競争は人間をタフにする側面があって、それはそれでいいのではないかということです。実際、会社勤めをするようになってから風邪をひかなくなりました(現場の社員がひとりという状態がながく続いたため休めなかったというのが実情ですが)。
ウィトゲンシュタインが第一次大戦に一兵卒として出兵したとき、戦場では大事なことをいろいろと観察できた、といったようなことを言ったそうです。戦場とまではいかないですが、いつ潰れても不思議でない企業に身をおくというのはそれなりに観察することがいろいろとあっておもしろいです(実際、ウチは某一部上場企業に何回か潰れそうになったことがあります)。
その一方でそんな競争はしたくないという人の意見もよくわかるのですが、そういう人たちがのんびりと暮らせる社会を実現するのはなかなか難しい。
いま民主党は代表が小沢一郎に替わって、彼は小泉構造改革の歪をいろいろと批判しています。要するに小泉構造改革はヴィジョンなき改革だというわけです。小沢一郎のヴィジョンがどれほどの射程をもっているのかわかりませんが、いずれにせよこのさき小泉構造改革にたいする反動が大きなものになってくるのは間違いないとおもいます。
と、土曜にひとり会社でリー・コニッツを聴きながら書き込んでみました。
【2006/04/15 02:38】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
shibaさんに従えば、新自由主義と福祉国家の二項対立を参照しつつ、CPEは新自由主義を推し進めるものだとして議論を進めてますけど、それを推し進めると何だかよくわからなくなることがいくつかでてくるように思ってしまうのですが。
新自由主義、または「小さな政府」は、市場への国家介入をなるべく縮小すること、福祉国家、または「大きな政府」はその逆。そしてフランスは福祉国家の方に自身のアイデンティティを見出してると。このshibaさんの整理に従うと、まず前回の書き込みでのイギリスの職安システムのルポルタージュで言ってることがよく理解できなくなる。
「以前、イギリスの職安システムのルポルタージュをやっていましたが、スタジオに招かれたフランス人コメンテーターは「わが国にはこんなシステムがなくてよかった」と言っていました。そのルポルタージュの中では、失業保険の不正受給者を減らす為の告発制度(近親者が電話で通報する)や、ほぼ強制的に企業面接に向かわせるような厳しいチェック制度が紹介されていました。たしかに、国家権力からの監視や拘束に敏感なフランス人からは拒絶反応が出るだろうなあ、という内容でした。」しかし、福祉国家は、国民に対しての国家介入をその旨とするのであって、ここでshibaさんの行ってることに従えば、フランスはむしろ自由主義を求めていることになってしまうのでは? 
さらに今回の書き込みでは、新自由主義は子供を経済の統計的ファクターに還元すると議論していますが、これもさきほどの前提に矛盾するのでは。つまり国民の生命管理に気を焼いているのは福祉国家なのであって、新経済主義の論理に従うなら、少子化問題を扱う福祉領域への国家介入をなるべく縮小していく方向になるはず(実際、アメリカはその傾向にある)。
また、結局スウェーデンの例の位置づけについてはどうなってしまうのでしょうか?
ぼくには今回ふたつの書き込みについて、いまいち筋が通ってないのではないかと思ってしまうのですが・・・
【2006/04/15 21:40】 | ストラスブールの住人 #1Nt04ABk | [edit]
 shibaさん、はじめまして。東京在住のobserverと申します。猫屋さん経由でたどり着きました。ニフティからのトラックバックが送れなかったので、コメントで紹介させていただきます。『ルポ 解雇』という本から、2003年に日本で起きた解雇ルール撤回についてまとめたものです。

フランスのCPEと日本の解雇ルール
http://cityscape.air-nifty.com/cityscape_blog/2006/04/cpe_ebf8.html

 今回のCPEで、日本とフランスは大きく違うものだなと改めて思いました。日本ではフランスのCPEについて、あまり大きく報道されませんでしたが(意図的にあまり大きく報道しなかった?)、フランス政治に関心がある私が火星で起きた出来事のようだと思ったくらいですから、一般の日本人にはフランスのデモをテレビで見ても何が何だかよくわからなかったという人が多かったのではないかと思います。政治に関心がある人でも、日本では既にアメリカ流の新自由主義が世界の流れとして定着してしまっているのだから、それに順応するしかないと思っている人が多いですから、フランスは時代遅れのことをしているくらいにしか思っていなかったりします。

 shibaさんもご存じだと思いますが、日本の現状は、大学を卒業しても正社員にはなれずにフリーターになる人が多い状態が続いていて、統計には表れませんが若年層のフリーター率は相当高い状態が続いていました。ここにきて、景気が少し良くなってきて、正社員の採用が少し増えてきたようです。

 フリーター、派遣、請負、アルバイト等が増えても、政治に対する怒りというものはありません。あるのは政治的無知と諦めです。怒りは拉致事件を起こした北朝鮮と小泉首相の靖国参拝を批判した中国、韓国に向けられています。フランスでは、移民に対して強硬姿勢をとるサルコジ内相の人気が高いようですが、日本では、北朝鮮、中国、韓国に対して強硬姿勢をとる安倍官房長官の人気が高いのは似た構図です。大きな違いは、日本では全くといっていいほど労働問題が政治の争点にならないということです。労働問題というものがないことになっているとさえいえます。マスコミが労働問題を避けているということもありますが、最近は読売新聞でさえ格差社会を取り上げるなど、マスコミの新自由主義に対するスタンスが少し変わってきています。(日経新聞はいまだに格差社会を否定しているようですが)

 しかし、ここにきて民主党代表に小沢氏が就任したことで、またわからなくなりました。政権交代の可能性は高まっても、民主党が新自由主義の党になる可能性が高くなったと思います。小沢氏にリベラルな政策を期待する識者が多いですが、小沢氏は著作の『日本改造計画』で知られるとおり、10年以上前からの新自由主義者です。私は、小沢民主党が自民党と似たようなものになると悲観視しています。

 フランスでは社会党の大統領候補に女性のロワイヤル氏が候補に挙がっているようで、安倍対小沢の新自由主義同士の対決になりそうな日本の状況を考えると、フランスにはしっかりした政治的選択肢があってうらやましい限りです。
【2006/04/16 04:59】 | observer #- | [edit]
>pianomanさん
あらま~土曜日も出勤っすかー。お疲れさまです!
その後、またちょっと考えてみましたが、まだ社会がそこまでの状況になっていないならまだしも、どんな雇用形態だろうと選ぶ余裕もない状態だったら、福利厚生がなかろうと、それどころか一日10時間だろうと最低賃金だろうと、とにかく生活するために働くかもなあ…と。
フランスでも、労働条件が悪くても、とにかく生きるために働く人たちはいます。その多くは移民、外国人だと思います。フランスを支えてるのって、実は移民だったりするんじゃないの?と思います。前に福祉国家のことについて書きましたが、その中で「実は植民地からの搾取によって助けられた部分が多かった」という部分、今の福祉国家構想は、相変わらず元植民地や第三世界との物価の格差や、はたまた国内の移民(多くは元植民地からの)によって助けられているんじゃないかな…とも思いました。
話がそれましたが、外国人として、とにかく生活していくためにつべこべいわずに働かなければという状況のなかで自分自身が鍛えられたかな、というのは、私も実感としてあります。
【2006/04/16 13:33】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
>ストラスブールの住人さん
あっいたた~~。不勉強なところがつつかれた感じ(笑)。先にも書きましたが、ほんっとーに経済関係は苦手で、福祉国家構想とか新自由主義という語も浅はかな知識で使ってしまいました。
それでもお答えできる範囲で弁明させていただきたいと思います。

まず、先に「福祉国家」と「新自由主義」二項を対立させて話を進めましたが、それは一視点でしかなく、もっと話を展開させようと思ったらその他の観点の導入も必要になってくると思います。

イギリスの職安の例についてですが、福祉国家は「国民」に対しての国家介入を行うのではなく「国民の生活水準、また経済」に対しての介入を行うものだと私は理解しています。国民ひとりひとりを管理する権力というのは、また別の位相の話になるのでは、と思います。

経済学者のインタビューについて、新自由主義云々というくだりを入れたのは余計だったかもしれません。この経済学者自身の発言がひっかかっただけで、新自由主義がみな同じことを言うとは思いません。が、それでもわざわざ「新自由主義」という修飾語を入れてしまったのは、私の狭い範囲での理解(というか単なる印象)から新自由主義に対して抱いている恐れと嫌悪の表れかな、と思います。それは、人間の生ですら経済ファクターに還元されてしまい、第一目的が金銭の流通と資本の拡大による経済の発展であるような新自由主義の論調です。

また、「国民の生命管理に気を焼く」というのは、「生政治(bio-politiaque)」ですね。これも、先に述べたように、福祉国家というタームで語るよりも、権力のレベルの話になってくるかと思います。福祉国家であろうと新自由主義であろうと、少子化問題は国家の将来に関わる重要な問題であり、どちらにしろ政府が担わなくてはならないと思います。ただし、その対応が違ってくる。福祉国家では、出産に関する援助金や公立保育園の設立など、公的制度の整備から積極的にアプローチするでしょうが、新自由主義傾向の国家では、例えば保育園の設立と運営などを民間企業に委託し、いわば仲介の役割にとどまるでしょう。後者において、自由市場のルールにのっとって動く民間企業は、利益の拡大のために子供たちを獲得しようとし、最終的に子供はひとつの経済ファクターになる、ということです。
これは倫理観や個人的な好みの問題かもしれませんが、後者のシステムはどうも私にはdegueulasseに感じていただけません。

スウェーデンの例、というのは、デンマークのコンセプトのことでしょうか。とにかく北欧型ということでよいでしょうか。
今回、改めてウィキペディアを見てみましたら、福祉レジーム論というのがあるのですね。知りませんでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%9B%BD%E5%AE%B6
ここで福祉レジームが三つに分類されていて(表の中にスウェーデンを代表とする社会民主主義的福祉国家というのがある)、説明を読むと、やっぱりフランスは北欧型とは異なるようですね。
こう言うと言い訳っぽいですが、本文中にちょっと触れた通り、福祉国家対新自由主義という構図はもう古いのかもしれないと思っていたので、今回ちょっとだけでも調べてみて、ご指摘の通り二項対立ではおさまりきらない三つ目のタイプを含めた新しい理論があるということがわかって、おかげさまで勉強になりました。

これで辻褄の合わないと感じられた部分が少しは説明できたのならよいのですが…。
【2006/04/16 14:15】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
>observerさん
はじめまして。コメント、どうもありがとうございます。
FC2では宣伝対策のためにTB制限がついているので、その障害などがあるかもしれません。

日本の政治状況というのに疎いので、observerさんのページやコメント、ありがたく参考にさせていただきたいと思います。

前の記事で触れた「デモクラシーの冒険」は、2003年の暮れに行われた対談なのですが、「政治的無知と諦め」、そして北朝鮮・中国・韓国といった摩擦関係にある近隣諸国を不満解消の矛先とするナショナリズム、ポピュリズムの台頭の話などが出てきました。これらは、フランスの現代社会にもあてはまる話です。ただ、同じことを感じつつ、それに対する国民の反応が異なるだろうなと思い、興味をもって観察(主にフランス社会を、ですが)しています。

そうなんですよね、フランスは左右が分かれていてわかりやすい。それぞれの勢力がまあ均衡状態にあるし。私としては、そこがフランスの好きなところです。
【2006/04/16 14:42】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
北欧型モデルについてだけおおざっぱに書きます。
もちろん各国の持つバックグラウンドの違いまではよく分かりませんが、
1.ソビエト連邦に近い部分では、ある意味、社会主義的なるいは国家経済政策的なシステムだった。あとノキアやイケアに代表されるような北欧型企業の成長が国家を支えていたりする。ノルウェイには(森も歩けど)オフショアの油田という強い味方があって、国民所得レベルが抜群に高い。
2.デンマークの例が注目されましたが、移民の絶対数はまだ、他オールド欧州国に比べてさほど多くない。だいたい経済規模が大きくなく、また人口政策的傾向も強い北欧型は、EU全体のモデルとはなりえない。
3.大きな社会保障を支える税制システムがあるが、ここでも人口の高齢化などの問題があって社会不安がないわけではない。
ってな感じかと。
【2006/04/16 19:54】 | 猫屋 #- | [edit]
ひとがある程度以上の生活レヴェルを保とうとすれば、どこかに皺寄せがいくこととなり、国のなかに格差が生まれてしまう。
しかしみなが平等の生活レヴェルを保とうとするとかつての共産圏のように全体のレヴェルが下がってしまい、それはそれで不満の種となる。
となるとこの間でいかにバランスを保つかということが重要になり、そこに二大政党制をもつことの重要さがあるのでしょう。
observerさんがおっしゃっているように民主党が新自由主義に傾いていて、実質的に選択の余地が無いというのはそのとおりなのかもしれませんが、それでも今後民主党が新自由主義をなんらかのかたちで修正する政策を掲げなければ、政権をとるのは難しいようにおもわれます。とにかくまずは二大政党制を根づかせることが重要で、その過程において徐々にカラーの違いが出て来る、あるいは出さざるをえないのではないかとわりあい楽観的に考えているのですが。
【2006/04/17 12:05】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
shibaさん、お返事ありがとうございます。shibaさんの言いたいことは理解しました。

その上で、「生政治」と福祉国家を区別する際、権力の次元の有無、ということで整理されているところが、一般的な整理のしかたではないのでは、と思ってしまうところなのです。「生政治」というのはフーコーの言葉ですが、このフーコーの語り方にしたがえば、20世紀初頭に福祉国家と全体主義国家が登場する。このふたつの国家体制は一見相対するけども、じつはひとつの根底を共有している。それは権力の変化である。つまり、主権権力が規律=訓練権力を通じて生権力へ、またはマクロな権力からミクロな権力へ、という変化である。

どういうことかといえば、かつての主権権力は、国民を殺すことができる権力だったけども、生権力は国民を生かすことに関心のある権力となる。こうして、国民の生命は国家の管理対象になり、人口という統計対象に還元される。このことに福祉国家の基礎があるのであり、さらに、誰を生かすべきか、という有用性の観点が極端化していくと優生学にむすびつき、アーリア人優位のナチズムになる、という話をフーコーはしていた記憶があります。つまりぼくが言いたいのは、フーコーにしたがうなら、福祉国家はまさしく生政治の権化そのものであって、それらふたつを区別するのは一般的ではないのでは、と。

もちろん、新自由主義から対立するものとして福祉国家をshibaさんがひっぱってきてるのは重々承知しています。その意味ではここで問題になってる福祉国家はフーコーの言う福祉国家とは異なる。だけども、そのことで、ここで問題になってる福祉国家が生政治から逃れてるかというと、ここは慎重な議論が必要ではないかと思います。

実際、「福祉国家であろうと新自由主義であろうと、少子化問題は国家の将来に関わる重要な問題であり」とshibaさんが言うわけですが、このときフーコーなら、このように人間の生を国家の有用性に還元する政治こそが「生政治」だと答えることでしょうし。その意味で、人間の生を福祉対象とすることと、人間の生を経済ファクターに還元することをshibaさんは区別していますが、この区別も曖昧になってきてしまうと思うのです。この点からもまた、「福祉国家対新自由主義という構図はもう古いのかもしれない」とぼくは思います。
【2006/04/17 12:11】 | ストラスブールの住人 #1Nt04ABk | [edit]
こんばんは。初めてコメントします。日経の新聞記事の話を読んで、私も全く同じように感じたので思わずコメントしたくなりました。
おっしゃってるのは小宮隆太郎氏ではないですか?この方は確かロンドン大学の先般亡くなられた森嶋通夫氏と長年に渡って論争されていたようですので森嶋氏と正反対の経済論理の持ち主かと思います。といっても私は両方良く知らないのですが。
本当に、子供を持つことについて経済的な側面に限定して語るその語り口に違和感を感じました。昨年10月末まで子供と一緒にフランスにおりましたが、フランス人に比べて日本の人は子供が好きでなくなってきているような気がします。好きか嫌いかでなく損か得かで議論するのも国の立場からは必要なのかもしれませんが。
全く感覚的なものですが、’弱者’の最たる立場にいる子供ができると自分まで’弱者’(ダブル弱者ですね)になってしまうことを恐れる女性が子供を産まなくなってきているのかなと漠然と感じています。
【2006/04/17 15:25】 | KY #OrOC7vhI | [edit]
 現在行われている衆院千葉7区補選では、小沢効果で民主党候補が有利な戦いを進めているようです。小沢代表に対する期待する人は多いですし、pianoman in Matsudoさんのように小沢代表になったことが民主党のプラスになると考える方が日本の多数派なのだろうと思います。私も小沢氏が代表になったことで政権交代の可能性が高くなったことは認めます。
 しかし、10年以上前から小沢氏の動向をみていると、小沢氏は簡単に自分の理念を曲げる人とは思えませんし、仮に政権を取っても党内の分裂が起きて、政権は長く持たないと思います。そうなる前に、他の人が代表になればよいのですが・・・
 新自由主義に対するカラーの違いについてですが、自民党の新自由主義よりも、より徹底させた新自由主義を民主党が打ち出すという方向に進むのではないかと思います。先日、小沢代表の記者会見がありましたが、私はそのように解釈しました。前原前代表が自民党の新自由主義の行き過ぎを抑える政策を打ち出そうとしていただけに、それが変わっていないことを願いたいです。
 政党は政策の違い(フランス流にいえば右翼・左翼、日本・アメリカ流にいえば保守・リベラル)をはっきり打ち出したうえで選挙を戦うのが本来の形ですが、それをやっていると保守の勝利になってしまうから、今回民主党はわざと保守の仮面をかぶったということですが、これって禁じ手に近いと思います。それがしかも小沢氏ですから、仮面ではすまない可能性が高い。小沢民主党については、近いうちに自分のブログでまとめたいと思っています。
 福祉レジーム論は知りませんでした。以前、民主党はイギリス・ブレア労働党流「第三の道」を目指していたようですが、「第三の道」は福祉レジーム論だと自由主義的福祉レジームに分類されるのでしょうか。イギリスとアメリカでは同じ自由主義的福祉レジームでも内容は大きく違っていそうですし、wikipediaで保守主義的福祉レジームが悪く書かれていましたが、経済的に悪いとしても福祉の質は自由主義的福祉レジームより高そうです。それぞれ一長一短ありますし、高負担高福祉のスカンジナビア諸国でも経済がうまくまわっていたりしますから(猫屋さんがおっしゃるとおり、私もオイルマネーのノルウェーは特殊かなと思う)、慎重にみていったほうがいいかなと思いました。
【2006/04/17 16:07】 | observer #- | [edit]
>ストラスブールの住人さん
私自身はっきり区別をつけていなかったのですが、日本語の「国家」というのは、定義が曖昧な表現かなと思います。「Etat」の場合、ロベールなど見ると、「政府」を意味していますが、自分の中では「国家」というタームは必ずしも「政府」や「権力」とイコールになるとは思っていませんでした。私は「nation」という意味でも使ってしまっています。「福祉国家」というタームを使うときには、そうした混同をするべきではなかったのでしょうね。というか、「福祉国家」という定義をきちんと理解していなかった証拠だということでしょう。(Etat providenceとwalefar stateって同じものなのか…というのも疑問に思いつつ調べてないところなのですが。)
それから、ご指摘の通り、福祉国家を新自由主義との対立側面でのみ捉えていたということもあります。

フーコーの「生政治」については、大体の定義は知っていました。福祉国家と生政治の関連は理解できます。福祉国家と生政治が相反するものである、福祉国家は生政治から逃れている、とは考えていません。
ただ、今までの印象だと生政治については政治権力と併せて語られることが多く、私が話していた「福祉国家」の範囲からはみだして広がってしまうかなと思ったので、迂回させてもらいました。あと、私はまだ勉強不足で生政治について語るまでいっていませんし。
正直、この点についてあまり興味がなかったのですが、ストラスブールの住人さんの書き込みを読んだら面白そうなので、そのうち勉強したいと思います。

それから、「福祉国家であろうと新自由主義であろうと、少子化問題は国家の将来に関わる重要な問題であり」といったときの「国家」はnationの意味で用いたので、Etatの有用性への還元というのとはちょっとちがうかなと思っています。自分の感覚では。
ナイーブと言われるかもしれませんが、Etatはnationのために働くべきと考えています。

まあどっちにしてもあまりconvaincantじゃないかもですね(苦笑)。

上にリンクをはったウィキペディアの福祉レジームの説明をみると、結局どの国も「福祉国家」であり、そのうえで「自由主義的」とか「社会主義的」とか分類されているからも、福祉国家と新自由主義の二項対立という図式は古いことがわかりますし、それはストラスブールの住人さんのおっしゃっていることに合致するかと思います。
【2006/04/17 17:02】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
>KYさん
コメント、ありがとうございます。
同じように違和感を抱いた方がいたとは…ほっとします(笑)。
検索をかけてみましたら、日経新聞のインタビューは小宮隆太郎氏のようです。最初、日経新聞のサイトで調べようと思ったのですが出てきませんでした。ありがとうございました。
>損か得かで議論するのも国の立場からは必要なのかもしれませんが
そうですよね。といっても、やっぱり個人的にはどうも…。
先日、サルコジ内相の提案により、自発的に自国へ帰る不法移民には手当て(3000ユーロだったかな)が支払われることになった、とTVのニュースでやっていました。それも、一人いくら、の計算でもらえるのだそうです。人間の生活がお金に換算されるのが当たり前の世の中なのだろうか、と考えてしまいます。故郷へ帰ってそれを元手に商売をして成功した人などもいるようですが。(ちょっと話がそれました。すみません。)
【2006/04/17 17:21】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
わ~なんかすごい、日本の政治の議論展開!どんどんやってください(と、日本の政治に疎い私はひと任せ…)

なんか日本の政治って難しいな…。

>福祉レジーム論
分類してしまうと、どうしても相違点が端折られてしまいますね。
【2006/04/17 17:25】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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