スポンサーサイト

 --------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

小休止中のこと

 2006-03-29
一昨日、フランスに戻ってまいりました。

ヴァカンスっつーか、フランス生活をベースに考えるとまあヴァカンスなんですが、ちょっとした事情ありの帰省でした。主に家事手伝いをするつもりで日本の実家に帰ったので、これってヴァカンスなのかなー…と自分としてはちょい疑問に思いつつも、うっかり家事なんて忘れちゃって、結局、いっぱい寝ていっぱい食べていっぱい買い物して…という毎日でした。やっぱヴァカンスじゃん。

そういうわけで、日本在住リアル友人の皆様にはご連絡さしあげずに帰郷の上こっちに戻ってきてしまい、お会いできずに残念であるとともに申し訳ありませんでした。事後連絡。この次は事情なしのヴァカンスで帰郷できればよいのですが。

で、フランスから離れている間にこっちでは色々とあったようで。まいったな。

まず、一時、キャンデロロ発言関係で多数アクセスいただいたようです。私も日本で新聞記事を目にして「なんかヘンなの」と思ったのですが、トリノ五輪で荒川選手が金メダル獲得したときのキャンデロロのコメントが誤解を招くようなものであったとして、TV局から平林駐仏大使へ謝罪があったとのこと。
いやあ…今更こんなことを言うのも気がひけますが……フランス語文(「Ce soir, elle merite un bol de bon riz」)は記憶を頼りに書いたので…間違っていたらどうしよう~~と冷や汗をかきました。えー、うん、多分あってるよ…。とりあえず、あの翌日に同僚とその話題になったときは、誰も侮蔑的とは思わなかったですね。個人的には、キャンデロロが「俺はちょっと日本文化に詳しいぜ」的な軽薄なノリ(つっこんだら「日本人にとってお米は大切な食べ物なんだ、彼らはお米にこだわりをもってるんだ」くらいは言うかも?)で何気なく口にしたんだろうなあという印象。それが「オリエンタリズム」っちゅうか、「よくある西洋人の日本趣味」っちゅうか、そういう風に受け取れなくもなくて、そういう意味ではちょっとバカにされてる気分にならなくもないかも。
でも、荒川静香さんは「金の芽がある」金芽米の宣伝でご飯をもりもり食べているし(おかげで金芽米の売上げがすごいあがったそうですが)、キャンデロロ発言はジャストフィットだったのではないでしょうか。まあ、宣伝ではおかわりしてるから「一杯のご飯」じゃ足りなかったかもしれないけど…フランス語的表現ですから…。

そしてCPE。
最初にこの案が首相サイドから出たときは、周囲であんまり反応ないなと思ってました。まだ国民議会にかけられる以前だったこともあるし、CNEがあっさり通ってしまった経緯とCPE案に対する社会的反応が希薄なことを鑑みて、これほどの問題になると当初は思っていませんでした。
以前、最初のデモについても書きましたが(2月8日)、そのときは保守系新聞ル・フィガロが「失敗」と見出しに書くくらい動員数が少なかったわけで、今になって反対運動が全国的に盛り上がってきたのを見て、なんだか不可解な気分です。たしかに、最初のデモのときは学校の長期休暇期間に入っていたことは、動員数が少なかった一つの要因ではあると思いますが…。

それとは別に、日本社会から見ると、このCPEに反対している学生達を理解したり彼らに共感したりすることが難しいかもしれません。しかし、日本でも試用期間は6ヶ月が普通だと思いますし、やっぱり2年間は長いと思う。2年の間いつ解雇されるかわからないというのは、失業率が高く就職先を見つけることが困難である現状からみるとかなりストレスになるのでは、とも思います。その現状を打開するための案なわけですが、これがうまくいくという保障はないわけで。何より、日本と違う点は、雇用者側と労働者側の信頼関係ではないかと思います。基本的に、雇用者は労働力を搾取するもの、労働者は立場的に弱い、という観念が、フランスでは一般的にあるようです。そして実際、雇用者と労働者の対立構図を裏付ける事例もあります。例えば、CPE案が提出される前、安価な労働力となる研修制度を改善するよう要求する学生達のデモもありました。研修という名目で学生を雇い入れ、実際は社員と同じ仕事をさせている会社があるのです。CPEは研修制度に比べればましだとはいえ、若い労働力を安く利用する企業があるという事実を前にすれば、給料をあげたくないという理由などで、試用期間が切れるぎりぎり、簡単に解雇できるうちに解雇する企業があるだろうと考えられます。また、解雇理由を提示する必要がないのだから、労働者側に手落ちがなくても解雇されるかもしれないわけで、どんなに優秀な人材であろうともその可能性から逃れることはできません。例えば、親戚の子がそのポストにつきたがっているからとか、ただ単に上司の気に入らないからといって解雇されることも考えられます。世の中って、それほど理に適ってるわけでもないんだよねえ。不条理なことはいっぱいあるでしょ。

しかし、大学の閉鎖については、全面的に共感はできません。なぜ学生同士が衝突しなければならないのか。勉強する権利がある学生が、なぜ同じ学生にその権利を剥奪されなければならないのか。大学でストや閉鎖がある度、特に試験期間には問題になることですが、勉強をしたい学生が被害にあうというのはどうも納得がいきません。「連帯」と言われますが、それを強いるやり方は全体主義的な傾向があるのではないかと考えてしまいます。せめて討論をする場くらいは開放しておいて欲しいものです。

デモの暴走に関しては言うことなし…。ソルボンヌ閉鎖で68年想起云々という話も聞きますが、あのときはまだ一般市民との討論があちこちで行われたり、言説の力があったのではないかと思うんですけど、今回はどうなんでしょうねえ。デモに紛れ込む「壊しや」集団の乱暴狼藉はひどくなっているようだし。

あと、反CPE運動の遅まきながらの盛り上がりは、やっぱりCPEそれ自体への反対だけじゃなくて、現在の社会に対する不安や不満の噴出という面もありますね。

えらく長くなりましたが、そんなわけで、ため息つきつつ日常に戻ります。
スポンサーサイト
コメント
お帰りなさいまし。んで読書は進んだですか?てか体重計の針ばかり進んでいたりして、、おいおい石投げないでね。
【2006/03/29 01:16】 | 猫屋 #- | [edit]
素朴な疑問。
フランスにはニートは存在するんですかね?
【2006/03/29 03:16】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
おかえりなさいです。
出発の時は思いがけずバッタリと会えて(予想はしてたかな?)うれしかったですよん。
うちはデモの通り道のすぐ横なので、最近は警察の車がずらーっと並んでたりします。
そういや私が通っていた頃(アラン・ジュペの時代)も大きなストで3週間交通が全面的に麻痺して、授業がほとんど休講ってこともありました。大学はいって間もない頃で、ついていけないーって感じだったので、この3週間に復習やらして遅れを取り戻したので、何とかついていけるようになって、私には幸い・・でしたけどね。
【2006/03/30 10:52】 | Miel #pAcMFups | [edit]
>猫屋さん
読まなければいけないのと違う本の読書が進んでしまいました…。で、また読むべき本が増えてしまったし。
体重計の針は一時進んでまた戻った…と思いますが…こっちに帰ってきてからは体重計に乗ってません。ひゃ~。

>pianomanさん
えー、存在するんじゃないですかねえ。
ニートというか、何年か前「タンギー」という映画があって、その主人公はちゃんと働いている青年だったのですが、30近くになっても両親の家に暮らしているという設定でした。で、親元から独立しないことを最近では「タンギー」と呼ぶようになっていますが、近年、そのタンギー現象がかなり一般的に目立ってきたようです。若年層の雇用が不安定であるという傾向がそこにも表れているようです。

>Mielさん
ただいまです。
最近、仕事以外の場で会ってないですよね、そういえば。
私の場合は、仕事のために4時起きして、その後仮眠が1時間くらいしか取れず、それでも頑張って楽しみにしていた講義を聞きにはるばる学校まで行ったのに、デモ参加の召集で中断させられてがっかりしたことがあるんです。で、せっかくだから大講堂に討論を聞きに行ったら、討論じゃなくてデモの主催者が一方的に自己陶酔調で演説してるだけだったし、学生が口々になにか訴えて収拾ついてなかったし、なんだか馬鹿らしくなってムカついちゃいました。それ以来、大学の封鎖にはちょっと疑問を感じています。
【2006/03/30 21:40】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
あー、こっちではその「タンギー」はパラサイト・シングルなどと言われています。
いまウチでは人を一人採用しようと、募集をかけていますが、やはり30ちかくまでスーパーのアルバイトしかしていなかったひとなんかがけっこういます。最初はそういう人は書類選考で面接断ろうとおもったんですけど、いろいろ話し合って、まあ一応会うだけは会ってみようということになり、全員面接することになりました。
何年か会社員勤めをしているうちに、かつては自分もそのひとりだった「ニート」だとか「フリーター」のような存在をつい色眼鏡でみてしまっていることに愕然とするきょうこのごろです。
それにしても人を選ぶのはほんとうに難しい。
【2006/03/31 07:52】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
>その現状を打開するための案なわけですが、これがうまくいくという保障はないわけで。

実はCPEと似たような法案がイタリアやスペインではすでに実施されてるらしいです。イタリア人の友人によれば、雇用はたしかに増えたんだそうな・・・
【2006/03/31 19:23】 | ストラスブールの一住人 #1Nt04ABk | [edit]
あ、ストラスブールの人こんにちは。
イタリアのはベルルスコーニが退却すると一緒に消滅する法かもしれません。
【2006/04/01 10:29】 | 猫屋 #- | [edit]
たしかにベルルスコーニが再選できるかどうかは今微妙なところですよね。ま、でも、この法の評価は、フランスとは違って、若者の間でも均衡しているような感じなので、ベルルスコーニが消えても廃案になるかどうかについては微妙なところだとぼくは思いますが・・・

ちなみに、ぼくはここに書き込んでる人たちとまったく面識がありません。というわけで、はじめまして、といい忘れました。どんな方がここのブログを書いてるのかは存じませんが、とても知的で魅力のある文章に惹かれて、思わず足跡を残してしまいました。中でもとりわけ、イラン・アリミさんの事件関係の記事を興味深く読ませてもらいました。「反ユダヤ主義」の言説の政治的影響力はフランスでは、というかヨーロッパ全土で絶大ですよね。このあたりの感性が日本に生活基盤のあるぼくにはイマイチ実感がわかないものですが。それはともかく、こうした反ユダヤ主義の言説も一連のヨーロッパからイスラム勢力を締め出したいという機運に乗じるひとつの政治的言説として機能することはたしかだし、そして、単なる身代金殺人として刑事事件としてのみ処理されたかもしれないひとつの殺人事件が恣意的にそうした政治的言説までに昇華された、というのが事の真相なんでしょうね。

ともかくまた、魅力のある記事を楽しみにしています。
【2006/04/01 12:55】 | ストラスブールの一住人 #1Nt04ABk | [edit]
>pianomanさん
あーなるほど!パラサイト・シングルというのがありましたね、そーいえば。
よい人材が見つかりますように。

>ストラスブールの一住人さん
はじめまして。
ヨーロッパの他国でどのような効果があったかというのは「よき指標」になると思いますが、フランスでも同じ結果になるという「保障」にはならないのではないか…と懐疑的にとらえたりして。
デンマーク(だったかな)の失業対策案を参考にしたいとド・ヴィルパンが示唆したことがあって、そのとき、フランス人たちは「フランスではそれは適応不可能」という拒絶的な反応を示していました。まあ、やってみなければわからないじゃない?と言いたいところなのですけど、「やってみなければわからない」っとことは「保障されてない」ってことなわけで。今の若者達にとって、冒険的な改革に乗り出すには不安の方が大きいのではないかと思います。
フランスでは若者の就職難に加えて、若者の平均給料があまり上昇してないことや、50-60歳と20-30歳の給料の格差が広がっていることなどが、若者たちの不安の背景にあるようです。就職難、物価に対して給料が上がらない、と、この辺はさして若くない自分も実感するところです。(っていうか、若くないから??)

いやはや、勿体無いお言葉、ありがとうございます。
近頃は春眠ばかりですっかりCPE関係から取り残されておりますが、またお立ち寄りいただければ幸いに存じます。
【2006/04/02 22:37】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://hibinoawa.blog10.fc2.com/tb.php/289-7589c2cb
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。