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Cricature de Mahomet ~ムハマンドの風刺画~

 2006-02-06
イスラム教の預言者、ムハマンド(欧州風発音ではマホメット)の風刺画(12全てがここで見られます)が、数日前から世界のいたるところで大旋風を巻き起こしているらしいですね。これについては、日本でも報道されているようですが、フランスの反応についてちょっとメモしておこうと思います。

今日にいたる経緯は色々なところで紹介されていると思いますが、Le Mondeで見た記事を元に(ほぼ訳す形で)記述しておきたいと思います。


2005年9月30日、デンマークの保守系大手新聞Jyllands-Posten(ユランズ・ポステン)が文化欄3面に「ムハマンドの顔」として12枚のイラストを掲載。
これは、左派系作家Kåre Bluitgen氏(発音がわからないためカタカナ表記ができません…)が、子ども向けのムハマンド本を作ろうとしていたところ、匿名でなければイラストを描こうという人がいないと、ユランズ・ポステン紙文化欄担当のFlemming Rose(フレミング・ローズ)氏に不満を漏らしたことに端を発する。ローズ氏は、それを聞いて、イラストレーターのアソシエーションへ一筆書き送った。それは「自分達がムハマンドをどのように見るか、そのままを描いてくれ」という依頼だった。つまり、新聞掲載後に「風刺画」と呼ばれたイラストは、もともとそういう目的で描かれたのではなかった。ローズ氏は「彼らに風刺画や嘲笑的な絵を描いてくれとは一度も言っていない」と主張している。
この呼びかけに12人のイラストレーターが応じた。大きな紙面に彼らの描いたイラストが掲載された。彼らは特別に問題視されなかった。デンマークは表現の自由が奉られている国である。ナチス的な運動や放送、鉤十字の掲載さえ存在する国である。

これら12のイラストのスタイルは一様ではない。夕日を背景に、ロバをひきながら杖をついて歩く姿という詩的なもの、星と三日月がはめこまれた顔、不安気に隠れてムハマンドを描くイラストレーターなどである。天に昇ってくる、自爆したテロリストたちと思われる男性群を押しとどめて、もう彼らのための処女はいないと申し訳なさそうに言っている姿もある。しかし、最も議論の的となったのは、導火線に火がついた爆弾がターバンになっている顔だけを描いたものであった。イスラムとテロのアマルガムだろうか?ローズ氏によれば「この絵は、ムスリムがテロ行為のためにイスラムを利用しているということを言いたかったのだろう」ということだが。

しかし二人のイラストレーターは罠にはまることを逃れた。一人は、イラストレーターが見つからないと嘆く作家にとって、この一連のイラストはいい宣伝になるだろうと示唆した。またもう一人は、ムハマンドという名の子どもが「ユランズ・ポステン紙の記者は反動的挑発者の寄せ集めだ」と書かれた黒板を指しているものを提出した。このイラストを描いたLars Refn氏は2週間後のインタビューで「ユランズ・ポステン紙は最初から挑発したかっただけだと思う」と言っている。デンマークではムスリム移民周辺の雰囲気は強硬化しており、ユランズ・ポステンをはじめ多くの新聞が率直なトーンでそれを促している。

フレミング・ローズ氏はイラストと共に載せた文章で次のように述べている。「世俗の近代社会は少数のムスリムたちによって拒絶された。彼らが自身の宗教的な感情を特別に意識するよう主張するとき、彼らは独自の位置を要求する。それは、侮辱されたり嘲弄されたりすることにも心構えがなければならない民主主義的世俗社会と表現の自由とは折り合わない。とても感じがよかったり楽しいものばかりとは限らないし、宗教的感情が何にかえても滑稽化されなければならないということではないが、この文脈でそれが最も重要であるというわけではない。」

Politiken紙の編集長、Tøger Seidenfadenの見解では、上記の文章は、表現の自由の保護よりも挑発の意志を表している。彼によれば、少数派、特にムスリムを社会に統合させることが大きな問題になっていると発言することが、現在のデンマークの政治とメディアでの成功の秘訣だということである。
これに反論して、ローズ氏は「馬鹿げている。挑発目的ならすぐにムスリムのアソシエーションのところへイラストを持って行ってイスラム教指導者たちにコメントをもらっている」と述べている。

イラストに対する反応は、しばらくの間、形とならずにとどまっていたが、10月14日、コペンハーゲンにて多数のムスリムにより「挑発的で横柄」と見なされたイラストに対するデモが行われる。

数日後、イスラム系の11カ国の外交官が首相との会見を申し込むが、それは新聞の問題でしかないから、ということで拒否される。他方では、話し合いが行われた。12月1日、8人のイラストレーターとムスリム団体の5人の代表者が会議を開く。その会議に参加したデンマーク記者連盟代表のMogens Blicher Bjerrgård氏は「議論はとてもうまくいって、謝罪が問題ではなかった」と言っている。

翌日、すべてが一変する。パキスタンで、ある集団がイラストレーターたちの首に賞金をかける。イラストレーターたちは慄いて、インタビューに応じなくなった。この時期、12月から1月初めにかけて、ムスリム国家を動かすために、デンマークのイスラム指導者代表たちが中近東に出かける。彼らは12のイラストを見せたが、1月12日付けEkstra Bladet紙によると、どうやらそれに加えて他の暴力的なイラストも見せたらしい。ひとつはムハマンドが悪魔の角をはやし、少女を手中におさめ「小児愛好預言者、ムハマンド」と書かれているもの。もう一つは豚のお面を被った人物に「これがムハマンドの顔」と書かれたもの。最後の一つは、イスラム教徒が祈りを捧げている後ろで、犬が彼にのっかろうとしており「ムスリムが祈る理由はこれ」と書かれたもの。風刺どころではないこれらのイラストはエジプトや湾岸諸国の高官を憤慨させた。警察は出どころを調査中である。

今日、デンマークはこの事件に当惑している。イラストレーターたちは不安がり、ナーバスになっている。彼らのうち、他のイラストレーターよりも恐怖を感じている人もいるし、釈明したがっている人もいる。しかし警察は彼らに沈黙を促し、ヨランズ・ポステン紙にはそれを強いている。彼らに代わって発言が許されているMogens Blicher Bjerrgård氏によると「彼らの多くが苦しんでいる。しかし私の知る限りでは、誰一人として自分のイラストを後悔していない」とのことである。



…で、結局ほぼ全訳になっちゃいました…。
とりあえずこのままアップしちゃいます。

上記はデンマークの流れですが、それから現在にいたるまでの出来事、各国報道について、kiyonobumieさんがすっきりとわかりやすくまとめていらっしゃいます。
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コメント
やはりイスラムのことを理解していない人間に嘲笑されると怒りが倍増するのでしょう。
それにしてもラシュディはまだ「死刑」宣告をうけたままなんですかね。ラシュディがどこまでイスラムのことを理解しているのかわかりませんが、死刑宣告をくだしたイスラム教徒もラシュディや現代文学を理解しているようにはみえないですね。
最近ずっと旧約聖書を読んでいるのですが、やはりユダヤ教やキリスト教の側からの文献ばかりでイスラムからの旧約(という言い方がそもそもキリスト教からみた呼び方なのですが)の扱いについて述べた文献がきわめてすくないというのが現状です。
キリスト教とユダヤ教、さらにイスラム教とのあいだで対話を可能にする鍵は「旧約聖書」にあるような気がするのですが……。
【2006/02/07 01:55】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
fatwaってやつですね、ラシュディの死刑宣告。あれはfatwaを出した本人しか撤回できないとのことで、ホメイニ師が死んでしまったのでそのままらしいです。ということをwikipediaで読みました↓。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%A9%A9
「悪魔の詩」って日本語訳した人も殺害されたんですね。おとろしい。

「悪魔の詩」にしろ今回の風刺画にしろ、信仰心のある民衆が政治の道具にされているようです。ということをまた新しいエントリーで触れましたので読んでいただければ幸いです。うまくまとまらなかったのですが…。
【2006/02/07 23:20】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
今回の事件は、“なんかなー”と呆れてます。リアクションとして、猫屋がいちばん共感持ったのがカナール・アンシェネのもの。また、問題のデッサンのひとつ、ターバンが爆弾のやつは家のPCのHDにあるけど、結局どーってことないよ。

今週のアンシェネはいつものジュルナル・サテリックてのをジュルナル・サタニックに書き換えてサタニックなデッサンを多く掲載、さすがです。でもいったい地球人口の何パーセントがそれらを理解できるのかどうか、、、これはまた別の問題なんだよね。ちなみにカナールによると該当デッサンを掲載したフランス・ソワールの資本はフランス・エジプト。結局、騒いでる各国の内政問題を対アンチ・イスラムなマンガ騒ぎでどうにかしようと言うことでしょう。だいたい該当マンガが発表されたのは去年の9月なんだよね。すべてはプロパガンダなり。
【2006/02/11 21:15】 | 猫屋 #- | [edit]
カナール・アンシェネは読んでいませんが、出版責任者を解雇した経営者はエジプト系フランス人でキリスト教徒だそうですね(kiyonobumieさんのところで知った)。

ターバンが爆弾のやつは、9.11以降イスラム=テロリズムという偏見が表面化して問題になって、そういうアマルガムへの感受性が敏感になっているだろうことへの配慮はできなかったのだろうか、と疑問に思います。メディア的影響があるとは思いますが、あのイラストを見た私の個人的第一印象もそれ(アマルガム)でした。
昨日のTout le monde en parleでちょっと耳にしましたが、ムスリムにとってマホメットは個々の親よりも上の存在、全てのムスリムの親のような存在で、そのマホメットがテロリストを想起させるように描かれていれば、全てのムスリムがテロリストだと言われているように感じるということでした。

今回の一連のエントリーを書く前に、発端は何なのか、何故4ヶ月も経ってからこんな騒ぎになったのかを知りたいと思いフランスの報道に目を通した時、自ずとイスラム系諸国の政治的意向の働きが疑われました。そしてそれは、エントリーを書きながら読んだDSKの発言、私が訳したル・モンドの記事によって、あながち的外れな見解でないことを確認させられました。
その後、その見解がフランスのメディアで一般的なものと感じました。
しかし、シャルリー・エブドの編集長も諷刺画掲載後のインタビューで、同じようにイスラム系諸国の政治高官を批判していたのを見ると、それを自分達の正当化・表現の自由の権利の盾にしている、またはそれによってその問題を避けているという気がしなくもないです。
プロパガンダを批判するのは当然として、しかしそれでも表現の自由についての問題、国内のムスリムとの関係の問題を、フランスは今、考えるべきだと思います。

カナール・アンシェネについての記事、面白そうなので猫屋さんが書いてくれるのを期待してます。(プレッシャー?)
【2006/02/13 00:21】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
はい、プレッシャーに負けますた。
【2006/02/13 05:12】 | 猫屋 #- | [edit]
うわっはやっ
【2006/02/14 11:42】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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    各種コメント一覧。 http://www.blog-headline.jp/archives/2006/02/post_1496.html 北欧研究者から。http://gustav.air-nifty.com/furuya/2006/02/post_a23c.html 流石です。 フランスから。 しかも「宗教と民主主義」がご専門の研究者から。http://d.hatena.ne.j
【2006/02/07 18:59】
  • 2006/02/11 「ムハンマドの風刺画」問題から考える編集者の責任(後編)【通販旬報 編集後記】
     さて、でも、やっぱり絵を見なければ始まりませんよね。それで、いろいろ調べたらありました(2006年2月9日現在)。メディアのサイトではなく、インターネット最大の百科事典「Wikipedia」です。こういうのを見ると、メディアとインターネットは共存できるなぁ、とつくづ
【2006/02/10 13:16】
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