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Les Antilleais n'ont pas voulu recevoir Sarkozy ~アンティル諸島の人々に反発くらったサルコジ~

 2005-12-08
11月末に植民地化運動の歴史についての法律(特にひとつの条項)が問題となり、じりじりとその火がくすぶりつつ、ここへきて新聞の一面に載るところまできました。

問題となっているのは2005年2月23日制定法の第4項で、「学校の教育プログラムにおいて、植民地運動においてフランスの肯定的な役割を認めること」という文が含まれているもの。全文フランス語はこちらのArticle4
これの廃止を求める決議が11月末に行われたのですが、右派多数により却下されました。この直後、アルジェリアの新聞は遺憾を表明。

そして議論はある場所では続けられていたわけで、12月7日、マルティニク島とグワドループを訪問する予定だったサルコジ内相は、フランソワ・バロワン海外県相に諭されて現地市民に歓迎されないことを察し、日程を延期することとなりました。
詩人でフォール・ド・フランス名誉議員であるエメ・セザールセゼール氏は「内相を迎えるつもりはない」と明言。氏は「ネグリチュード(negritude)」という、元フランス植民地の黒人たちのアイデンティティを要求するという態度を唱えた人。反・植民地化運動の信念を持った人です。
アンティル諸島ではサルコジ内相の人気は本土ほどではないようです。

これも郊外のあれやこれやと関連があるのかな…とちょっと思います。
というのも、フィンケルクロート(またか、と思われる方もいらっしゃるでしょうが…私自身もこの名前を出すのがちょっといやになってきている…)が、一連のインタビューで植民地化運動に触れ、「植民地化運動の歴史をもって共和国を非難するような教育は憎悪を煽る」(ル・フィガロのインタビュー中)「植民地化運動に犯罪的な面もあるが、それだけではない」(ル・モンドのインタビュー中)と述べています。
また、フランス海外県であるアンティル諸島から本土へやってくる人の多くが問題の起こった「郊外」に住んでいるため、サルコジ内相の「racaille(社会の屑)」「karcher(高圧洗浄器)」発言で反感をもったという話も。

たしかに、ネガティブな面だけを教え込むのはどうかと思うけれどある事実についてネガティブな評価をもつ語だけを使って教え込むのはどうかと思うけれど、だからといってポジティブな面を教えなければいけないというのはどういうことなのか…と強く疑問です。何より、それが法律で決められているということが納得できません。
その点で、11月30日付けのル・フィガロに載った歴史家マックス・ギャロの論説は同意できる内容でした。(100%ではありませんが。別枠で追記します。)一応翻訳したので後で上においておきます。

ただ、今回のアンティル諸島のサルコジ内相拒否に到る前、どうも気になっていたのが、この法律に関する論争が北アフリカ(特にアルジェリア)のことが中心になって展開しているらしいことでした。マックス・ギャロの文の中に出てくる例も、アルジェリアとインドシナばかりです。
また、今日付けのル・モンドによると、サルコジ内相はテレビ・インタビューで、問題になっている法が「北アフリカのことを対象としたもの」と述べたそうですが、条項に目を通してみると、「海外、特に北アフリカ(outre-mer, notamment en Afrique du Nord)」となっており、北アフリカだけを対象にしているわけではなくすべての海外植民地のことを指しています。
それで、現在フランスの海外県となっているアンティル諸島やニュー・カレドニア、タヒチなどのことはどうなわけ??と疑問でした。まるで植民地化されたことが忘れられたかのように議論の中に入っていないわけです。やっぱり今でもフランス国なわけだから、植民地扱いするにはデリケートすぎる関係があるのでしょうか。

といって、アンティル諸島の人たちが反発の声をあげた以上、もう無視できない状態となったわけですが。

※12月9日 加筆・訂正しました。
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コメント
店主さま、いくつか付け加えさせてください。記憶で書くので正確さには欠けますが、、、

該当の新法は2月23日、パリ地区冬期休暇中の深夜に、たしか二十数人の議員の賛成で強行採決されている。それはさすがにひどいということで社会党が廃案論を出したけれど否決、、ということだった。

また(すごい名前の)詩人エメ・セザールは90歳の長老です。アンティーユでサルコに人気がないのは、本土でのメディアフィーヴァーに感染してないからかも。

あと、マックス・ギャロについて。。この人はもともとミッテランに近かったけれど、今は社会ナショナリスト的カテゴリーに入るかな。ド・ヴィルパンと並んでナポレオン大好き人種の一人です。
【2005/12/09 02:11】 | 猫屋 #- | [edit]
昨日、私のところでは別の記事を書いてしまって、このニュースまで解説しきれなかったので、助かります。
海外県でペルソナ・ノン・グラータになっている人間は大統領になれない、というのが私の勘。
【2005/12/09 02:16】 | fenestrae #S1xi4FKw | [edit]
どこかの国の教科書問題が思い浮かびますね。
最近NHKで真珠湾攻撃の特集番組をみていて思ったのですが、どうも最近の日本の雰囲気は日米開戦の非はアメリカにもあり、ということになっているようです。その大きな理由の一つはハル国務長官が日本に示したいわゆる「ハル・ノート」というやつで、その内容はインドシナはおろか中国大陸からの日本軍の撤退を求めるというもので、これでは日本にとって最後通牒を突きつけられたのに等しい、というわけです。しかし「ちょっとまてよ」とわたしは思います。そもそも日本の中国侵略にもともと非があるのであって、一億円を盗もうとした泥棒が、「じゃあ六千万円にしとくからさ、これ以上文句はないだろ」と逆ギレしてるようなもんじゃないでしょうか。
で、「満蒙は日本の生命線」などといって、「これを断たれるのは死ねといわれているようなもんだ」、という人がいますが、じっさいのところはこういった植民地を失った戦後の方が経済的に発展したわけで、こういう説の根拠の貧弱さは明らかです。
結局のところこういった歴史に「修正」をもとめる人たちの最後の拠り所は、人類の歴史は「弱肉強食」にもとづくのであり、それこそが自然の正義なのである、というソフィスト流の論理にたどり着くようです。
この説にどういう態度をとるかでその人の思想が試されることになるでしょう。ちなみにニーチェはソフィストの味方をしているようですが。
【2005/12/09 02:24】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
クロスした猫屋さんのコメントにつづけて
>エメ・セザール
たぶん セゼール
オマージュサイトあり
http://www.cesaire.org/
現地では「生ける神 un dieu vivant」と、何回かTVで言っているのを聞きました。

【2005/12/09 02:24】 | fenestrae #S1xi4FKw | [edit]
>猫屋さん
あ、そういう経緯だったのですね。またしてもフォローをありがとうございます。
この法が可決されたとき左派は欠席だったと耳にしたので、無関心だったのかなんなのか?どういうことなのかとちょっと疑問に思っていました。

>pianomanさん
日本は戦争に負けているだけにフランスより問題が複雑でデリケートかなと思います。それは他国との関係という点よりも国内で抱える問題の方が大きいような気がします。

>fenestraeさん
あ、セゼールですね。ご指摘ありがとうございます。あとで訂正します。
【2005/12/10 00:08】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]
はじめまして。
植民地のことについて自分の方にエントリーしましたのでTBさせていただきました。植民地についてはフランスだけでなくどの国もいといろ問題をかかえているようですね。
【2005/12/12 15:16】 | ふらんす #- | [edit]
こんにちは。TBのお知らせ、わざわざありがとうございます。

失礼ですが…以前にも一度コメントを頂戴したような…。
あと、中野さんブログのコメント欄ですれちがっているみたいです。(ネットの世界ってすごいな~…と再認。)

ふらんすさんのブログは私も時々拝見させて頂いてます。フランス社会の知識を広くお持ちなので参考になります。

これからもどうぞ宜しく。
【2005/12/12 20:12】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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    政治の話題よりクリスマスの買い物の方が気になる今日このごろではあるが、先週の「植民地政策のポジティブな面」についての法律には少し驚いた。問題のいきさつについては こちらのブログエントリーをご参照いただきたい。日本人である私にとって、植民地という事実自体が
【2005/12/12 23:09】
  • 歴史と記憶、そして国家【ね式(世界の読み方)ブログ】
    まず最初のル・モンド記事(12/24付)。またしてもサルコジの名で出てきてしまう
【2005/12/27 11:02】
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