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「黒い雨」、「L'ARBRE DE NOEL」、つまり原子爆弾のこと

 2005-08-11
今日はちょっと帰りが遅く、ご飯を食べながらTVをみよー(お行儀が悪いですか)とチャンネルをまわしたら、ARTEで「黒い雨」をやっていました。もう始まっていたので、なんとなくちゃんと観る気がしなくて、他を探すとFRANCE3でも映画。「L'ARBRE DE NOEL」(監督:テレンス・ヤング)というフランス-イタリア映画でした。
「黒い雨」は以前に観たことがあるのですが、あまり印象に残っていません。田中好子(スーちゃん!)がなかなかの好演だと思ったのと、「笑っていいとも」でロケが山奥だったので撮影中は生活が不便で大変だったと話していたなあということくらいしか覚えていない。あと、鯉がはねて気が狂うとこ。なぜそれほど印象に残らなかったかというと、自分が知っている反戦思想の範囲・その視点でしか観ていなかったからだと思います。それと深夜で眠かったから…。今村昌平のあの淡々としたリズムは眠い時には辛い、と言い訳。
「L'ARBRE DE NOEL」の方は、もう…最初から「なに、このわざとらしい演技?」と思いながらも観ていたのですが、とうとうつまらなくなってチャンネルを替え、でもやっぱりちょっと続きが気になる、ってことで、結局「黒い雨」と交互に観ていました。(こういう映画の観方って間違ってるよなあ~と思いつつ。)ストーリーは、母を亡くし、父親とコルシカ島へ夏のヴァカンスに出かけたパスカル少年が、海で遊泳中に軍用機の事故を目撃、そこに積まれていた原子爆弾が爆発し放射線を浴びて不治の病になってしまい、父親はパスカルを連れて田舎のお城にひきこもって最後の日々を送る、というものでした。
なるほど~、「黒い雨」も「L'ARBRE DE NOEL」も原爆関連なのか、もしかしてフランスもちょっと関心度を高めようとしてるのかな?なんて思いました。
しかし、「L'ARBRE DE NOEL」は「子供可愛い」ばっかりで、あんまり原爆に関係がなかったなあ。一応、番組宣伝はそれに出ているブールヴィル(Bourvil)という俳優の映画をやりますということだったし。
この二つの映画の違い、「黒い雨」がユーモアを交えながらそれで逆に物悲しさがじんとくる現実味のある映画なのに対し、「L'ARBRE DE NOEL」は不治の病の子供とそれを見守る父親という悲劇なんだけど「物語り」でしかない映画。両者の共通点は原爆による被害にあるのですが、前者は原爆と戦争そのものを問うのに、後者にとって原爆は物語の単なる契機でしかない。ここに原爆被害を実際に受けた日本と、原爆実験を続けていたフランスの姿勢の違いが現れているような気がしました。勿論、アラン・ルネの「ヒロシマ・モナムール」のようなフランス映画もあるわけですが。
で、ザッピングしていたところ、「黒い雨」で、被爆症候が出て寝込んだ人が「なあ、なんでアメリカはピカドンを落としたんやろ、もう日本がじきに負けることはわかってただろうに」と問い、叔父さん(北村和夫)は「さあ…」と首をかしげるという場面にたまたま遭遇。それに続いて「なんで東京でなくて広島やったんやろ」。答えらない叔父さん。「わからんことだらけで死にきれんわ」。(セリフは記憶に頼ってますのでだいぶ違うかも。)映画全般の流れ、ストーリーの流れの中ではそれほど要になる場面ではないかもしれませんが、これも意味の重い場面のひとつだと感じました。
それは、自分が最近そういうことが気になっているからかもしれません。
「黒い雨」の中で、年頃のヤスコ(田中好子)が有害な黒い雨を浴びたので縁談を何度も断られる。叔父さん夫婦は、彼女が直接に被爆していないということにこだわり、なんとか結婚させてあげようと心を砕く。
被爆者に対する偏見、それに対するやり場のない怒り、またいつ発症するかわからない恐怖。そういうことがはっきりと描かれていたのに、何故一度観てからこの映画の主旨をまったく忘れていたのか、と反省。
どうも最近、メディアで、原爆の被害者たちがなぜ多く語らなかったのかということが問題にされているという印象を受けます。60年という時間は、ただ流れていったわけではなく、60周年とはただ過ぎていった年月を数えただけではなく、あの事件からこれだけ離れることで少しずつ事態が変わっていき、わからなかったことや隠されていたことも少しずつ覆いをはがされていく。常に過去のある時点を振り返るけれど、振り返る人間がいる時点は刻々と変わっていく。振り返って見えるものも、必ずしもいつも同じとは限らない。ヒロシマのことも同じ議論にとどまらないのだ、と思いました。

ところで、カミュが原爆投下直後に書いた記事を取り上げている方がいらっしゃいました(fenestraeさん)。なかなか興味深かったので、関心のある方は是非。
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コメント
黒い雨はわたしも昔みたきりですが、最近DVDが出てるようなので、また見直してみたいとおもいます。できれば井伏鱒二の原作にも目を通したいものです。
ところで最近わたしはフランソワ・オゾン監督の「スイミング・プール」という映画をみてひどく関心したのですが、フランスでのオゾン監督の評価はどうでしょうか? 前の同居人がオゾン監督の映画をつまらないと言っていたので、あまり見る気がしなかったのですが、この「スイミング・プール」という映画にはやられました。それになんといっても子どもの頃から好きだったシャーロット・ランプリングも出ているし。シャーロットはいまいくつなんだろう、たぶんもう50は超えているでしょう。しかし彼女は女優として年齢を重ねた甲斐をその演技から感じさせてくれます。「デボラ・ウィンガーをさがして」でも彼女が若い女優からいかに尊敬されているかがよくわかります。そのうちひさびさにDVD化された「愛の嵐」を見直したいと思います。
【2005/08/12 02:06】 | pianoman in Matsudo #- | [edit]
映画界のことはよく知りませんが、フランソワ・オゾンはフランスでは、若手で評価の高い監督として名前が定着してきた気がします。次々撮っているし、商業的にもそこそこ成功しているんじゃないでしょうか。芸術映画の人ではないです。どちらかというと俗っぽい。そこが肩こらなくていいんですが。
「スイミング・プール」は彼の作品の中で最も完成度の高い映画に数えられるのではないでしょうか。観ていないけど。公開当時の評判でそんな印象を受けました。
「8femmes」は、とりあえず豪華キャスト、あとはただ舞台劇を撮ったという感じでしたが。あと観たのは「Sitcom」。まあバカバカしいブラック・コメディ映画でした。
シャーロット・ランプリング、お好きなんですか。うちの同居人も好きだと言ってましたが、私はあの三角の目があまり好きではないです。同じくフランソワ・オゾン監督の「Sous le sable」にも出ていますよ。あの映画は途中からしか観ていないけど、テーマが心理的なものだし、まあまあ面白かったです。
【2005/08/12 22:47】 | shiba #h/1ZVhMA | [edit]












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