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同性愛者とカトリック信者

 2010-05-24
RUE89で数日前に読んで、それからある点でひっかかっていたのが、「Lyon : face a face entre cathos et homos lors d'un « Kiss-In »」という記事。

5月18日の火曜、リヨンで同性愛者たちの「キス・イン」というデモがありました。この「キス・イン」は、同性愛者たちが普通に路上や街中でキスできるように、奇異な目でそれをみる偏見をくつがえそう、というデモで、アソシエーションを通して参加が呼びかけられ、同性愛参加者たちが指定の場所に集まり、合図と共に一斉にパートナーとキスする…というもの。すでにパリのフォーロム・デ・アールでも行われ、まずまずの反響を引き起こしたのだそうです。

しかしこのデモには、プラカードもちらしも何もなし。ただ、突然わらわらとゲイ・カップル、レズ・カップルが集まってきて、突然キスを始めるのです。
パリでのデモでは、その場に居合わせた人たちは事情がわからず驚いていたようです。(そりゃそうだろーなーと思う。)そして、侮蔑の言葉や「気持ち悪い!」といった声もあがったとか。

私がもしその場にいたら、どう感じるかなー…と想像してみると、やっぱりびっくりするだろうし、もしかしたら「気持ち悪い」と感じてしまうかもしれません。でもそれは同性愛者たちだからじゃなくて、異性同士でも、たくさんのカップルがいっぺんに数分間もキスしてる場面に遭遇したらどうだろ…と思うのです。やっぱり、まだ奥ゆかしさの残っていた日本で育った身としては、公然といちゃいちゃキスしている場面にでくわすと、いまだについ目をそらしてしまうの。別れ際の「チュッ」くらいならいいけど。(そしてそれくらいなら私もやるけど。)

それはさておき、リヨンでは、このデモに対抗するべくカトリック信者たちが集まったのだとか。
キス・インに反対するカトリック信者たちは、教義により同性愛を認めるわけにいかないようなのです。(ただし、同性愛を支持するカトリックのグループもいます。)反対派には、カトリック信者だけでなく極右グループも混じっていたようですが。

最初は、キス・イン参加者たちとカトリック信者たちの間でにらみ合いが続いていたようですが、「1時間半後、カトリック信者たちはサン・ジャン寺院の石畳にひざまずき、祈り始めた」そうです。

正直言って、私はこれも気持ち悪い。
自分たちが受け入れられないものを拒絶し、耳をふさぐために祈る…とは。
そして、「神」に祈ること、「神」を信じていることを表す敬虔な態度を示すことで、自分たちはいかにも野蛮でなく正しく善良であるかのように見せる。
うーーーん、気持ち悪い!
そういうの、偽善・欺瞞っていうんだろーー。

しかし、本当にカトリックは同性愛を認めていないのか?平等とは何か?
ま、カトリックの教義を詳しく知らないから反駁されたらそれまでになっちゃうだろうけど、フランスの理念、「自由、平等、博愛」ってカトリックに基づいているのだと思っていました。だから、同性愛者が平等を求めてどうしていけないんだろ…と素朴な疑問。
同性愛は「自然の摂理に逆らうから認められない」とか言う人もいるけど、じゃああなたは自然科学者ですか?と問いたい。自然の摂理っていったい何?子供を作ること?でも「愛」って生殖だけじゃないでしょ。(逆に「愛=生殖」的なことを言われると、「うわあ、すっごい直接的~。すました顔してるけど、つまりこの人にとって愛ってセックスだけなんだ~?」と思ってしまう。)他の動物の中にだって、生殖活動の他に同性愛的な行動が見られたりするんじゃない?
…と、いろいろ考えてしまいました。

キス・インは、たとえ私自身がその場で居心地が悪かったとしても、そっと目を背けるだけで主張したい人々を否定しないけど、それに反対するカトリック信者に対しては、「気持ちが悪い」というよりなにか怒りのようなものすら感じます。

で、それがリヨンのキス・インの記事を読んでひっかかっていた点です。

このカトリック信者のことを考えていたら、ふと、読みかけのままになっていた「エレーヌ・ベールの日記」のことを思い出しました。ユダヤ人迫害が行われる中で、他人事のような顔をしていたカトリック教徒たち。そうしたカトリック教徒やキリストに対するエレーヌ・ベールの鋭い洞察が頭の中に浮かびました。それで、再び本を手に取り、今度こそ、本当に読み終えました。以前、「読み終わったら、この本について書こうと思います」と言っていながらそれっきりになっていたので、次回こそは書こうと思います。
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