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“Our Body”:解剖学の、または死体のエキシビション

 2009-04-04
久々に開いたRue89で読んで、かなりショックを受けた記事↓
「"Our Body", l'exposition de cadavres portee devant la justice」
「D'ou viennent les corps humains de l'exposition "Our body" ?」

この「Our Body, a corps ouvert」というエキシビションをやっていることは、地下鉄のポスターなどで見て知っていたのですが、模型を使って解剖学的な人体構造などを学習するものなのだろうと勝手に理解していました。そういう科学的なエキシビションは、たいていヴィレット公園にある科学博物館などで行われるので、ポスターの詳細をろくに見なかった私は、てっきりその類の国立博物館で行われていると思っていて、あるときばったり街中でそのエキシビションの大きな広告を目にし、「えっ、こんなところでやってるんだ」とびっくりしました。というのも、そこにそんなスペースがあることさえ知らなかったのです。そんな知られていない場所のわりには、広告はなかなか大きかったという印象があります。

さて、Rue89の記事によると、なんとこのエキシビションに展示されている人体はすべて本物なのだそうです。樹脂を使い、特別な方法で人体を加工しており、無臭・無害で、半永久的に保存できるのだとか。

問題になっているのは、まず、倫理的にどうかということ。死んでいるとはいえ、一つの生を送った人間の体を切り刻んで展示し、一般の目にさらすというのはどうなのか・・・。生前に本人が「自分の死後の体は科学のために使ってもらって構わない」と了承していたとしても、一般に公開となると話はまた別なのではないか。エキシビションそれ自体が科学の進歩の一環を担うものかどうかも問題になるでしょうし。実際、主催者はヴィレットの科学博物館や自然博物館などでの展示を希望していたらしいのですが、倫理協議会で反対意見が大半だったため、断られたのだそうです。
第一、この「Our Body」展の入場料は15ユーロと高い。(普通、エキシビションの入場料はだいたい7~10ユーロくらいではないでしょうか。)倫理協議会は、アカデミックな目的よりも商売色が濃く感じられるという見解から、このエキシビションに否定的な意見を出しています。

それとは別に問題になっているのが、ここで展示されている人体の出所。これがどうもはっきりしないらしいのです。
展示されている人体の元の顔がわかる部分があり(顔がそのまま全部残っている場合もあります)、どれもアジア人の顔立ち。実はみんな中国人なのだとか。
一応、「Our Body」展の主催者は、香港の研究機関(?)から提供してもらっていて、もとは大学や中国の医学研究所などから寄せられている、と説明しています。
しかし、これらの人体は中国政府が横流しした処刑者のものではないかと疑われています。政治犯として中国で徒刑し、現在アメリカに亡命しているハリー・ウー氏は、「Our Body」展で展示されている人体は死刑囚のものと確信していると述べています。実情を知るウー氏によれば、中国政府は死刑に処された人体を解剖し、臓器を売買にまわしているとのこと。アメリカでは「Our Body」展に似たエキシビションが既に公開されたようですが、彼はいくつかの州でこのようなエキシビションを禁止に追い込んでいます。

また、人種差別的意識を指摘する声もあります。人体がアジア人なのでフランス人(白人系)にはショックが少ない、と感じる人もあるようです。人種が違うと、自分と同一視しないという心理的な壁を作ることが比較的たやすいのでしょう。そして、やはり歴史的なことを考えれば「植民地主義的な考えがここにまだ残っている」と言うこともできるし、実際にそういう批判の声をあげている人もいるようです。

私の個人的な感想としては、この「Our Body」展の中で展示されているそれぞれの人体に顔があって、ところどころ切開されれているとはいえ五体そろっているので、「ひとりの人間」という印象を強く受けてしまって、写真を見ていてなんとも言えぬおぞましさを感じてしまいました。科学という名において行われたアウシュビッツの人体実験のことが思い起こされ、いやいや、アウシュビッツだけではなく南京や「海と毒薬」もあるなあ・・・と連想。Rue89に貼ってあるデイリーモーションの動画(「Our Body」展の内容と見学者の声)を見たら、人体が自転車に乗っていたりチェスしていたり・・・そういう姿勢で見せる意義が本当にあるのか?ほとんど「見世物」という感じ。Rue89の記事は、吐き気を感じながら(昨日の夜、飲み過ぎたせいもあるけど)読みました。倫理協議会の副会長で、哲学教授のピエール・ル・コズ氏が「小さな子供たちは睡眠に支障をきたす恐れがあるのでお勧めしません」と言っていますが、子供じゃなくったって悪い夢を見そうだよ・・・。

(というわけで、写真はここに転載しません。見たい人はリンクを辿ってね。)
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