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納豆が好きなフランス人

 2008-11-30
この前の水曜日、特別にお休みをいただいて、やっとエリエットおばさんのカフェのランチに行くことができた。

エリエットおばさんは、若くして受け継いだカフェを40年近くひとりで切り盛りしている。そのカフェでは、週に一度、水曜日だけランチが用意される。でも前もって予約した人しかありつけない。エリエットおばさんはもうすぐ引退するので、あと3週間後には閉店となるから、その前に一度くらいはそのランチを味わってみたかった。数ヶ月前から水曜日に休みをとる機会をうかがっていたのが、やっと実現。

毎週水曜日はエリエットおばさんのところでお昼を食べるEに頼んで、私の席も予約しておいてもらった。Eはいつも奥の大きなテーブル席に、他の仲間と肩を並べてわいわいと食事をとるそうだが、その日は奥が満員で、今回は私がいたせいもあってか、バーカウンターのあるホールの席だった。エリエットおばさんが気を利かせてくれたらしく、常連で日本人のNさんの隣に私たちのテーブルを用意してくれていた。しかしNさんは急に仕事が入ったらしく、代わりにご主人が来ていた。

Nさんのご主人Jさんと会ったのは二度目だが、親しみやすくユーモアのある方で、食事中の会話もはずむ。フランス人のJさんは、日本で働いていた経験もあって、日本語が達者。話していると、ときどき日本語にスイッチする。まだ日本に行ったことがないけれど最近は日本の色々なことに興味があるEと、日本をよく知っているJさん、それに日本人(Jさんの友人と私)を交えた会話となると、自然に日本の話題になる。そして、会話の流れで、なぜか納豆の話になった。

小さい頃は納豆が食べられなかった私だが、今ではムース感の出るまでぐるぐるとよくかきまぜた納豆が大好き。「毎日食べたい」というほどではないが、日本食料品店でときどき冷凍納豆を買っている。この前も、納豆の噂をかねがね聞いていて興味を示していたEが「食べてみたい」というので、3個パックをひとつ購入した。しかし、なかなか食卓に出す機会がなく、まだ冷凍庫にしまったままだ。

異文化の食べ物は、美味しいと感じられないことがある。特に乾燥した魚や海藻の出汁をベースに使った日本の食べ物は、磯の香りがただよう料理に慣れない外国の人たちにとって難しいこともあるだろう。そんな中でも、海のものではないが、においの強い納豆は難易度が高いと聞く。「あんなにくさいチーズを食べるんだから、フランス人は納豆だって平気だろう」と考えがちだが、そういうものでもないらしい。実際、チーズが苦手なフランス人も大勢いるし(・・・といえば、納豆が駄目な日本人だって沢山いるけど)。においだけではなく、あのねば~っとした感じが駄目なのかもしれない。

ところがJさんは、納豆が大好きだという。どれくらい好きかというと、彼の夢は「納豆風呂に入ること」だそうである。日本のテレビのバラエティー番組でとんでもない罰ゲームとか体を張ったチャレンジゲームなどがあるが、もしその類で、納豆の中を転がり納豆まみれになるものがあったら「自分が一番に立候補する」というのである。そして、ときどき、日本式に朝から納豆を食べることもあるし、トーストに納豆を塗って食べることもあるそうだ。Jさんが、「美味しいのはね、醤油を入れてよく練って、糸をひく納豆を、こう、白いご飯の上にのせるでしょ、それを海苔でくるんで食べるんだよ」と、箸を持つジェスチャーを交えながら描写してEに説明する。それがあまりにリアルで、Jさんのお友達は思わず日本語で「うわ~っ、すっごい食べたくなってきた!」ともらした。

Eも、俄然納豆を試してみたくなったらしく、「よし、今夜の献立は納豆」ということになった。うちに帰って、早速納豆のパックを一個、冷凍庫から出して自然解凍。炊飯器がないので、鍋でご飯を炊く。パックについていたかつお出汁のタレをかけ、箸でかき混ぜる。パックを開けた直後はあまりにおいがしなかったので、Eは「全然くさくない」と拍子抜けした様子。凍っていたせいで、納豆菌がまだ眠っていたのか?練り始めたら、徐々にあの独特のにおいが立ち上ってきたが、それでも「皮が黒くなるくらいまで熟成したカマンベールに比べれば全然におわない」とE。しかも、そのとき作った茶碗蒸しの出汁の香りが台所中に漂い、納豆の香りがそれに負けている感じ。

大体、Eがもっとも敬愛するワインは、アニマル香がするナチュラル・ワインで、人によってはグラスに鼻先をつけた段階で「ナニ、これっ!?」と顔をしかめるようなものなのだ(でもEは、その香りは気にならず、フルーティさが気に入っているらしい)。チーズも、熟成が進んだものが好きだし、中でもロックフォールが一番好きだという。普通にチーズが好きでも「さすがにこれは」と引いてしまう人もあるエポワスやマンステールも好き。さらに、糸をひく納豆は、カンカイヨットという、パンなどに塗って食べるタイプのとろけたチーズに似ている、と嬉しそう。うーん、なるほど、Jさんが納豆をトーストにのせて食べるというのは、その辺からきているのかも。

そういえば、最近は牛乳の代わりに豆乳を使う人が増えているし、有機食品の店ではヨーグルトと並んで豆乳デザートが豊富に並んでいる。たしかに乳製品と大豆製品は近いところがあるのかも。

さすがに納豆はどうかな・・・と思っていたけれど、Eには何も問題なく、それどころか大変気に入ったらしい。納豆好きフランス人がまたひとり増えた。
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