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Eのランド・ローバー

 2008-08-04
Eの車で高速道路を走ると、色々な風のにおいが感じられる。青々とした草のにおい、森のにおい、放牧されている牛たちのにおい。シンプルでラフなEのランド・ローバーにはクーラーがついていないから、夏の日のドライブには窓を開けて風をあおぐ。

Eが12年間乗っているランド・ローバーは、購入したときすでに中古だったそうだから、かなり古い代物だ。見た目も粗野だし、友人たちには「これはトラックだ」とからかわれることもある。でも走行に問題はないし、モーターはよく動く、とEは気に入っている。後部のスペースが大きく、物もたくさん運べるし、実用的だ。そしてランド・ローバーはとっても丈夫だ。今のは4台目だが、Eはこれまでもずっとランド・ローバーだった。

12年前に車を買い換えたのは、事故にあったからだ。居眠り運転の対向車が突っ込んできて、壁にはさまれてよけきれず、正面衝突したらしい。Eと彼の同乗者はシートベルトをしていて無事だった。対向車の運転手も、運良く一命をとりとめた。相手の車はぺしゃんこになったようだが、Eのランド・ローバーはほぼ無傷だった。現場検証のあと、「あなたの車は大丈夫だから、そのまま乗って帰ってもいい」といわれたそうである。Eは「本当に丈夫な車だと実感した」という。それでも、帰途、車は真っ直ぐ走らず、やはりどこかおかしくなっていた。修理はしたものの、事故にあった車に乗り続けることがなんとなく嫌で、手放すことにして、知り合いに頼んで良い状態の中古のランド・ローバーを紹介してもらったのだそうだ。

Eのランド・ローバーは、だから本当に古くて、「格好をつけるための4駆」というわけではない。そしてエアコンもカー・ラジオもついていない。素朴といえば素朴、粗野といえばたしかにそうで、人によってはドライブがつまらなく感じられるかもしれない。でも、モーターのうなりと振動の中、ただ黙ってドライブを続けるのも悪くないと思う。

7月最後の週末、ジュラ地方で素晴らしいナチュラル・ワインをつくっているJ-Mのところにお邪魔して、総勢6人でアルボワの町まで買出しに行ったとき、Eの車を運転したJ-Mは「トラクターみたいだ!」「こういう農業機械みたいな車は大好きだね」と気に入ったようだった。

それがランド・ローバーだと知る前は、Eの車はどんなのだろうと想像をめぐらせつつ、ある種のこだわりをもつ彼がプジョー206だとかルノーのツインゴに乗っているとはどうも考えられなかった。ランド・ローバーを見たとき、「これか」となんとなく納得がいった。とても彼らしい車だと思う。そして、愛着をもって、買い換えずに長年同じ車に乗り続けるのも彼らしい。

フランス語だとvoiture(自動車)が女性名詞なので、代名詞では「彼女」と呼ぶ。Eいわく、ランド・ローバーは英語でも「she」と呼ぶのだそうだ。Eが自分のランド・ローバーを「彼女」と愛おしむとき、私はちょっぴり嫉妬を感じる。

devant la maison de J-M
J-Mの家の前にて
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