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久々に地元に帰って、駅ビルの中をうろうろし、「ずいぶんテナントが変わったな〜」と思いつつ、ふと思い出して本屋に立ち寄ろうとフロアを移動。ところが、かつて本屋のあった場所はアクセサリーショップになっていた。そういえば、前回(2年前)来たときに、もうそこの本屋はなくなっていたかも。そこで、「たしか隣の駅ビルに入っている本屋は前回もまだ残っていたはず」…と、また移動。ところが、そこもお店が変わっていて、一応本は売られていたのだが、雑貨が基本な店になっていた。いや、いいんだけどね、そういう店のコンセプトは。だけど、私の欲しい本はそういうんじゃないの〜〜〜!
で、ふと思った。「まともな本屋」が消えている? 駅からちょっと離れたところに大きなブックセンターはまだ残っているのだけど、小規模で、「通勤・通学などの移動途中にちょっと立ち寄る」客を対象にした駅ビル内の本屋が姿を消している気がする。 羽田空港で、「さすがに空港には本屋くらいあるよな」と思っていたのだが、搭乗ゲート付近に本屋が見当たらず。もしかしたら、保安検査を抜ける前にはあったのかな? ところで、東京都内とその近郊を走る電車に乗っていて気づいたのだが、車内で本を読んでいる乗客がほとんどいない。たまに読書している人も見かけるのだが、読んでいる本はたいていビジネス書や実用書。 つまり、移動する間に本を読む人がいなくなって、それで駅ビルの小さくてまともな本屋が消えているのでは。本を読むということはそれなりの気構えが必要で、だから本を読みたければわざわざ駅から離れた大きなブックセンターに買いに行くし、そうでなければ本屋は必要ない…という状況になっているのだろうか。 そこかしこに映像が氾濫し、本が消えているような印象。 これって社会の精神に影響を及ぼすのではないだろうか。 知らず知らず何かを見せられ、何かを見ないで(視野から隠されているというか、見ないようにさせられて、または見せてもらってないもののことまで見たり気にしたりする余裕もなく)過ごしているような気がする。 ま、今は一時滞在なので、住んでいればまた違うのかもしれないけど。 |
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日本に帰ってきてから2週間、経ちました。
この2週間の間に、7人の友達に会い、8キロ以上の買い物をし、3回も美容院に行き(髪がすっかり短くなりました)、確実にフランスでの倍以上の回数で靴を脱いでは履き、数え切れないほど(というか数えたくない…)お札がお財布から出て行きました。 久しぶりに気の置けない友達に会って、言いたい放題だったり、気持ちの裏を打ち明けあったり、「ああ、人に(特に友達に)支えられて生きているんだなあ」と思いました。 残りの日数もわずか。そろそろスーツケースに荷物を詰めないと。 まだ食料品を買ってない。うう、全部持って帰れるのか…と、弱音を吐かず、がんばろう。 あ、それとマッサージに行ってない。行く時間あるかなあ。 |
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あーねむ。時差ぼけで夜中に二時間おきくらいの間隔で目が覚めちゃいます。んでもって朝の4時からは眠れず・・・8時くらいから昼過ぎまではノンストップでよく眠れるんだが(ちょうどフランスの夜中1時以降ってことやね)。
というわけで今、日本です。 パリを出発する前にちょっと書いておきたいなーと思っていたことがあったのですが、ちょっと遊びすぎまして時間がありませんでした。なので今更ながら・・・といっても、いまだアクチュアリティな話です。えーと、つまり、引き続き北京オリンピックに関する話題です。 日本に帰ってきてから日本の新聞(紙)を読んだりTVのニュースを見ていますが、それでもこの話題についての主なニュース源がル・モンドとアレ・シュール・イマージュなので、相変わらずフランス視点で書きます。 さて、先週もパリおよび他都市での聖火リレーの妨害騒動などが尾をひき、中国で欧米バッシングが始まったとのこと。 中国では、フランス系大手スーパー「カルフール」の前での抗議行動や、フランス系企業に対して不買運動を促すメールがまわっているとか。しかし、実際の不買運動による打撃は非常に少ないだろうとの見方が強いようです。以前にも中国では反日不買運動の呼びかけがありましたが、これに実際に応えた人は少なかったらしい。 ル・モンドによれば、中国人ブロガーたちの間でも、「不買運動に対する関心への広がりが遅い」と苛立つ賛成派と、「中国のカルフールが販売している製品のほとんどは中国産だし、従業員は中国人なのだから、不買運動をしたら結果的に中国の不利益になる」と見る反対派に分かれているそうです。 これらの不買運動は、欧米(ロンドン、パリ、サンフランシスコ)での聖火リレー妨害騒動が発端ですが、その裏には反欧米感情およびナショナリズム的な感情があるようです。 アレ・シュール・イマージュを読んで知ったのですが、今、中国では「アンチCNN」というサイトが注目されているらしい。このサイトは、欧米メディアが中国についていかに間違った情報を流しているか、また情報操作をしているかを指摘しています。例えば、欧米メディアが「チベットでの中国警察による弾圧」として使っている写真が、実際はネパールで撮られたもの(ネパール警察が親チベット抗議行動者を排除しようとしているもの)だったり。 ただし、アレ・シュール・イマージュの検証によれば、彼らも間違っている点があります。それは、パリでの聖火リレーの途中、いまや中国ではヒロインとなった車椅子の女性ジン・ジンに妨害行為が加えられようとした(または加えられた)場面を写した3点の写真について「欧米では一切人目に触れられていない」としていること。実際には、そのうち2つはフランスのメディアでも取り上げられていたもの。私も見た記憶のあるものでした。 しかし、ひとつだけ、これだけは見たことがないという写真があります。 ←それがコレアレ・シュール・イマージュによると、この写真はインターネットの中国系サイトで流通しているそうですが、出所がどこかわからない。パリの聖火リレーについていた大手通信局AFP、AP、ロイターに確認をとったところ、それらのどこのカメラマンのものでもないとのこと。ただ、カメラマンたちは、「こうした場面が実際にあったが、あっという間の出来事だったし、遠すぎて撮れなかった」と述べているそうです。 でも、フランス機動隊が傍観してるっぽいのがなんとなくおかしな印象・・・。あと、なぜこの車椅子の少女らが車の隙間に入っているのか・・・。 まあ、パリの聖火リレーでは何が起こったのか不明な点が多すぎる気がするので、逆に何があってもおかしくなかったかも。 あと、あるコメントを読んで「たしかにちょっと変」と思ったのは、この車椅子の少女がリレーを担当していたとき、抗議行動者が次々と彼女の前に現れたようですが、写真を見ると例の「青い服の警備団」の姿が全く見えない。彼らはこのとき何をやっていたんだろうか?? それにしても、このアンチCNNのサイトは本当によく見ているなあと感心します。しかし、こうして間違いを指摘してくれるのはとても有難いのだけど、名前からしても、ただ「反欧米」のためにやっているにすぎないのか・・・と思うと残念。メディアで流される情報の嘘を指摘するなら、中国政府が流すニュースの偽善も問題にすればいいのに。 また、リレー妨害をしようとジン・ジンに向かって行った抗議行動者の一人の顔がネットで曝され、数日のうちに身元や住所、更にはグーグル・アースによる自宅の地図、職場、Eメールアドレスまで割り出され、出回っているとか・・・。恐ろしい。 (この情報は4月16日付けル・モンドに掲載されていますが、WEB版では無料購読リンクが切れているようです。) 他方、反欧米感情が主流となっているような様相の中、冷静に、「国粋主義に逃げ込む」ことを批判する中国人ジャーナリストもあるようです。このジャーナリスト、チャン・ピンはすごいバッシングにあっているらしいですが、Rue89のピエール・アスキは、「チャン・ピンのような人々が中国に存在すること、そして彼らがこんにち自己表現できるということ」は興味深い現象だと述べています。「問題提起すること、それだけでもすでに大層なこと」だそうです。 ところで、先日、再びパリの聖火リレーに関するニュースを見ていて思ったのですが、あのとき親チベット派として抗議行動をしていた人たちの中に中国人もいたのではなかろうか。チベット人だけということはなかっただろうし、アジア系の容貌の人たちの中には台湾人、韓国人、日本人などもいたかもしれない。そして、フランスに住む中国人の中には、政治亡命者だっているだろうし、中国以外の視点からものを見て中国政府に対して批判的な中国人だっているはず。 パリにいる中国人がみんな親中国政府派だと思わないし、彼らに対してむやみやたらと反中の視線を送るなんて絶対してはいけないと思うけれど、単純化したカテゴライズって原初的認識方法(と勝手に思っている)だから、意識していかないといけない・・・と思います。 参照: Rue89より "Patriotes" contre "libéraux": le débat chinois face au Tibet Le Mondeより ここまでを午前中に書いて、一日外出して帰宅したら、中国各地でフランスに抗議するデモがあったとニュースが伝えていました。不思議なのは、ロンドンやサンフランシスコでも数々の抗議行動や妨害運動などがあったのに、なぜフランスだけなのか?それは、「車椅子の天使」と呼ばれるジン・ジンが、一躍ヒロインに祀り上げられたのがパリでの聖火リレーだからではないか・・・と勝手な推測。 もしこの推測が当たっているのだとしたら、これでは単なる熱狂的ナショナリズムにすぎない。 本当に理念のために抗議行動をしている人たちは、中国政府の行為と中国人を混同して反中運動などしない。カルフール前に集まった中国人たちは何に対して抗議しているのだろうか?と疑問に思います。 参照: Le Mondeより |
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今から帰ります。
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パリでのオリンピック聖火リレーの余韻が少なからず残っていたこの週末。
ル・モンドでは「聖火が揺らめいた日」と題し、リレーの経過を追った記事がアップされています。 正体不明の謎の聖火警備団(パリ警察は彼らのはっきりした人数も身元も把握していない)、「青い服の男たち」は何者であったか…というと、ル・モンドによれば特別攻撃隊だとか。 「英語もフランス語もできない」そうだけれど、フランス側のオーガナイザーとはどうやって連絡しあったのか…。っていうか、コンタクトなし?? 朝日新聞では、中国側の説明によれば、この「青い服の男たち」はボランティアの学生で、トレーニングは積んでいて、英語の他、フランス語、日本語などで「止まれ」と指示することができると書かれていたんだけど…。 それから、金曜日にはル・モンドに、フランス国内スポーツ・オリンピック委員会の委員長、アンリ・セランドゥールが「競技者が人質に」というタイトルで寄稿。スポーツの祭典としてのオリンピックの擁護と、聖火リレーの妨害行為を非難する論調です。 まず、このセランドゥールが「オリンピック精神の普遍的価値」と言っているところからして私は気にくわない。(っていうか、何に対してであろうと、軽々しく「普遍的価値」と呼ぶことに賛成できないんだけど。)「オリンピック精神の普遍的価値」って何のことなのでしょうか…。 さて、オリンピックのボイコットに対して、「スポーツと政治は分けて考えるべきだ」という意見がよく聞かれます。 私は、子供の頃、たしかモスクワ五輪で日本がボイコットを決定して、金メダル候補と言われていた柔道選手が「4年間、オリンピックを目指して努力してきたんだから、行かせて欲しい」と泣いて訴えているのを見て、「国がそうやって決めちゃって、それを押し付けられる選手は可哀想。スポーツと政治は別にして考えるべきじゃないか?」と思いました。 それから月日を経て、その間に見た五輪で五輪に対する見方は変わってきました。 例えば、開会式を見ていて、「国によってどうしてこんなにも参加選手数が違うのか?」と思ったり。 「どうしてそんなにオリンピックを招致したいのか?」「どうしてオリンピックのスポンサーになることが重要なのか?」「ストップウォッチの下に必ず名前が出ているのは公式スポンサーなんだっけ」などなど…。 そんなことは誰しもが考えていることだと思いますが。 さて、「スポーツと政治を分けて考えるべき」という命題に戻ります。 ボイコットに反対する理由としてこの命題を立て、これを展開することは可能でしょう。そしてそれが論理に適っていれば、かなりの正当性は引き出せると思います。 でも、この命題自体、この問題に対してたてられるに相応しいものかどうかをちょっと考えてみるべきではないでしょうか。 私が「それは間違っているのではないか」と感じるのは、オリンピックのボイコットを問題として「スポーツと政治を分けて考えるべき」というとき、「オリンピック」=「スポーツ」としてみなされて論じられていることです。「オリンピック」は単なる「スポーツ」ではありません。よく言われるのが「世界各国が集まるスポーツの祭典」ですが、「祭典」の部分で、すでに純粋なる「スポーツ」ではないわけです。その「祭典」の部分によって開催国にもたらされる経済的効果や政治的効果がある。セランドゥールがル・モンド上で、オリンピック委員会が得た利益をちゃんと分配していると弁護していますが、オリンピックで上がる収益というのはオリンピック委員会が得る利益だけでは済まされないはずです。 それから「世界各国」といっても、万国が同じように参加できるわけではないでしょう。環境や経済的な理由により、ある国々で全く行われない競技もあるし、例えば(これはひとに指摘されて「なるほど」と思ったのですが)肌を露わにするユニフォームをつける競技にイスラム圏の女性が全く参加していないこともあります。 だから、オリンピックのボイコットについて「スポーツと政治は分けて考えるべき」という意見には、どうも賛成しかねます。 後ずさりして「オリンピック」=「スポーツ」というのを受け入れるとして、そもそも起源がオリンピアにあり…とか言うのなら、じゃあギリシャ時代のスポーツとは何であったのか、例えばプラントンが推奨する「スポーツ」(よく「gymnase」、すなわち体操と訳されていますが、アラン・バディウはスポーツとも訳していました)とは何であったのかと考えてみれば、国家や政治と関係ないと言えるでしょうか? ところで、今回、注目を浴びた聖火リレーですが、もともとは1936年のベルリン五輪から始まったそうです。これもひとから教えてもらって驚き、インターネットで調べてみました。オリンピアの火をスタジアムに灯したのはその前のアムステルダム大会(1928年)が最初らしいですが、オリンピアからリレーで会場まで聖火を持ってきたのはベルリン大会が初めて(こちらを参照)。その意図がどこまでのものだったのか、いまいちわかりませんが…その意図如何によっては、「リレーなんてもうやめてもいいかも…?」という気がします。フランスに関してオリンピックのボイコットの前例を挙げると、モスクワ五輪があります。1980年の夏季オリンピックには、アフガニスタン侵攻を理由に、アメリカをはじめとして日本を含む多くの国がボイコットしました。フランスは開会式をボイコット。また、競技の方のボイコットの決定は連盟に託され、乗馬、ヨット、射撃の3種目で不参加。この大会ではフェンシングで金メダルを得ましたが、表彰時に国旗掲揚はなく、フランス国内スポーツ・オリンピック委員会の旗が掲げられたのだとか。不参加を決めた乗馬では、チームが良いコンディションに仕上がっていただけに、監督は多少ショックを受けたらしい。しかしオリンピックで二度の優勝経験のあるピエール・ジョンケレス・ドリオラは、「モスクワに行くということは、見ない、知らないという態度を受け入れることになる…私はモスクワ五輪にノーと言う…」とル・フィガロ紙で訴えたそう(こちらを参照)。 しかし、オリンピックの中身、競技会を楽しむために人々が集まることで、開催国の政治・経済情勢が変わることもあるかもしれません。モスクワ五輪に参加し、フェンシングで金メダルを獲得したフィリップ・ボワスは「もしかしたら、プレッシャーにも関わらず参加した人たちが、ペレストロイカへ向かっていた状況を前進させたのでは?」と述べています。 フランスの世論調査では、相変わらず「開会式ボイコット」に賛成多数、「競技をボイコット」には反対多数です。 |
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ラサでの暴動以来、フランスでは継続的にマスコミでチベット問題が取り上げられています。特に、北京オリンピックをボイコットすべきかどうかが問われています。
折りしも、明日の4月7日は聖火リレーがパリを駆け抜ける日。抗議行動などが予定されており、この週末はメディアでも大きく扱われていました。 世界のここかしこでニュースになったと思いますが、3月24日、アテネで行われた聖火採火式で、「国境なき記者団」のメンバーが闖入。取り押さえられるまでの少しの間、手錠を五輪のモチーフにした黒い旗を掲げて、北京オリンピックに対する抗議をアピールしました。この「国境なき記者団」の本部はパリにあり、代表のロベール・メナールはフランス人。フランスではよく知られた団体です。最近の抗議行動から、「国境なき記者団」はともするといわゆる「人権保護団体」と思われているかもしれません。正確には「報道の自由」を擁護する団体。政府に批判的な報道や不利となるスキャンダルなどの検閲、それを書いたジャーナリストの逮捕など、世界で行われている報道の自由・表現の自由の侵害に対して抗議しています。彼らは以前から中国での検閲を非難しており、今回のチベット問題で突然中国の人権問題を訴え始めたわけではありません。 さて、フランスは、1789年に人権宣言を採択し、国民の多くがそれを誇りに感じている国。だから、よその国の話であろうと、人権問題には敏感。中国の人権問題は、これまでにも時々フランスのメディアで扱われており、それは報道の検閲や、政府の方針に反する思想の人々の逮捕、多数の死刑執行、苛酷な労働条件などについてでした。どれも人権問題絡みの報道といえます。だから、フランスでは「中国は人権について非常に問題が多い国だ」というイメージが広く一般にあると思います。 そのような経緯でチベット問題が報道されたので、フランスでは中国批判の焦点が人権問題に集まっています。また、中国での人権問題について抗議するために北京オリンピックをボイコットしようという声は以前からあり、チベット問題が大きなニュースになった後はボイコットへの世論の関心がたかまってきました。 ボイコットへの呼びかけは、私個人としてはすでに2005年の夏、ヴィレット公園で行われた野外映画上映会で見た記憶があります。映画が始まる前に、いくつかの広告(商業的CMだけでなく、公的な催し物やNGO団体による情報宣伝など)が上映され、その中に北京でのオリンピック開催を疑問視するものがありました。内容もなかなか衝撃的でしたが、「へぇーこんな宣伝もやるんだ」と驚いたせいもあり、強く印象に残っています。それは、歓声に沸くスタジアムで、陸上選手がスタートラインにつくと、「用意」と言った後、スターターが持っていたピストルを選手に向けて発射する…というものでした。その後、中国での人権問題とそこでオリンピックが行われることに対して異議を申し立てる言葉が続き、例の手錠を五輪に見立てた黒いイメージが出てきました。「国境なき記者団」の掲げた旗と同じイメージだったので、もしかしたらそれも同団体によるものだったかもしれません。 また、ボイコットについて、昨年から明言していたのはセゴレーヌ・ロワイヤル。2007年5月、大統領決選投票を前にした公開討論で、セゴレーヌ・ロワイヤルは国際情勢にふれ、北京オリンピックのボイコットも辞さない考えを述べました。というのは、ダルフールで虐殺が続く中、中国はスーダンの石油を目当てにして、惨状に対しては傍観を続けており、介入に消極的などころか虐殺を許容するかのような態度をとっていることは許しがたく、中国政府に圧力をかけるためにオリンピックをボイコットすることも提案する、と強い姿勢を示したのです。ちなみにそのとき、対するニコラ・サルコジは、「北京オリンピックをボイコットする考えは全くない」と述べました。 そのような流れがあって、今回のチベット暴動。最近、フランスの世論はボイコットに傾いてきたようです。(スティーブン・スピルバーグやリチャード・ギアのイニシアティブが影響したかどうかは、ちょっとわかりません。多少影響はあったかも?) ただし、一口に「ボイコット」と言っても、現在フランスで検討されているのは「開会式のボイコット」。競技まで、つまりオリンピック全体をボイコットするという考えはちょっと「急進的」と思われているようです。 インターネットで検索してみると、3月18日あたりから開会式ボイコットの話がメディアに大きく取り上げられてきています。3月19日と20日に行われた世論調査では、開会式ボイコットに53%が賛成、42%が反対と答えています。しかし、オリンピック競技全体に対するボイコットには半数以上の55%が反対。賛成は41%でした。 今週末に発表された世論調査(同じ調査機関CSAによる)では、開会式ボイコットに賛成する人が62%に増えています。 ボイコット議論が続く中、サルコジが「あらゆる選択を検討する」としてようやく開会式をボイコットする可能性もあげたのが3月25日。人権問題には黙ってられない国という自負のあるフランス人たち(ま、国民全員がそうだというわけではありませんが)にとっては、国家元首の反応が遅いと感じられたのでは。ル・モンドの読者のコメントの中には、「おかしなもんだな!世論がボイコットに傾いてきたのを見て、やっとそんなことを言うんだ」という意見も。 さて、昨日(4月5日)のル・モンドに、人権担当相、ラマ・ヤドのインタビューが掲載されました。月曜には聖火がパリに到着することをふまえ、チベット情勢に絡めて中国での人権問題とオリンピック開催に関するインタビューです。この中でラマ・ヤドは、ニコラ・サルコジが開会式に出席しない可能性について訊かれ、オリンピック開催時にはフランスがヨーロッパ議長国となるので「他諸国と話し合ったうえで発表するでしょう」としながらも「彼が開会式に出席するには、三つの条件があります。人民への暴力を停止すること、政治犯を解放すること、チベット問題への解決とダライ・ラマとの話し合いを開始することです」と述べています。 ラマ・ヤドのこの「三つの条件」に、「さすが人権担当相、強固な姿勢をみせた」という賛辞もあがり、「国境なき記者団」のロベール・メナールも喜んだようですが、後から「条件などという言葉は使っていない」とラマ・ヤドが否定。ル・モンド側は、「忠実に転写した」と主張しています。 まあ冷静に考えてみれば、そんな大事なことを当の大統領でもそのスポークスマンでもなく、人権担当の閣外大臣が公表するというもヘンな話。 彼女の上司ともいえるベルナール・クシュネール外相は国営TV放送フランス2に出演、「ニコラ・サルコジは3月25日に発言した通り、すべての選択を考慮する姿勢であり、フランスのとる立場に条件などない」と火消しにまわっています。 対して、相変わらず断固としてボイコットの考えを支持しているのがセゴレーヌ・ロワイヤル。今日のジュルナル・ドゥ・ディマンシュに、「まだまだボイコットによって圧力をかけるべき時期」と述べています。「抑圧と暴力行為はオリンピック開催の間にピークを迎えるに違いない」とし、開会式だけをボイコットするのでは意味がないという考えを示しています。また、パリ市長、ベルトラン・ドラノエは、聖火がパリをリレーする間、市庁舎前に人権擁護をアピールする垂れ幕を掲げることを決めましたが、セゴレーヌ・ロワイヤルは、そんなことでは手ぬるいといわんばかり。(蛇足ですが、ベルトラン・ドラノエとセゴーレヌ・ロワイヤルの両氏は、PS次期書記長を狙い、お互いをライバル視、牽制している…かも。) 中道派Modem党首、フランソワ・バイルーも、7日のパリ聖火リレーの際に、「チベット」と書いたTシャツを着るなどして意思を示すよう、静かな抗議行動を呼びかけています。また、「60台のオートバイと、ボディ・ガートが何人いるのか知らないが、ヘリコプターや100人の伴走警官(…)、そういう状況を見ていると、フランスがこのイベントを楽しんでいるとは思えませんね」と、厳重な警備に対して皮肉的な見解。 この厳重な警備は、「国境なき記者団」が必ず抗議行動をすると予告していたため。ロベール・メナールは、ここまでの警備に「国家元首の訪仏でもここまでの警備はない」「仰天している」とし、リレーを妨害することは諦めた模様。「暴力は私たちの方にあるのではない」ことを示すため、暴力的な抗議行動はしないことを約束。但し派手なパフォーマンスをするつもりらしい。今日のロンドンは、悪天候もあり、かなり大変なリレーとなったようですが…。朝日新聞だったか、「さながら障害物競走」というくだりには笑ってしまいましたけど。 明日のパリの聖火リレーはどうなるのでしょう。なんと、今、こちらも雪が降ってますけど! 参照: Yahoo Franceより 「Francois Bayrou appelle ses partisans a manifester sur le passage de la flamme olympique a Paris」(AP) JDDより 「Royal: "Je n'ai pas d'adversaire"」 Le Mondeより Rama Yade : Les "trois conditions" pour que M. Sarkozy se rende à l'ouverture des JO LE MONDE | 05.04.08 Rama Yade dément avoir parlé de "conditions" pour la venue de M. Sarkozy à l'ouverture des JO LEMONDE.FR | 05.04.08 JO de Pékin : la flamme olympique à Paris, les politiques divisés sur le boycott LEMONDE.FR | 06.04.08 |
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この間の日曜に、フランスは夏時間になりました。1時間時計を進めたのはいいが、体がすぐには追いつきません…。大体、最近は寒くって夏って感じじゃないのよ全然。
…と思っていたら、昨日は午後遅くなって青空が広がり、気づいたらいつの間にか日差しが強くなってました。そして夜7時になってもまだまだ明るく、通りかかった公園ではジョギングや散歩を楽しむ人々が。夏時間になって、仕事が終わってもこうして太陽の光を浴びることができるっていうのはいいなーと思いました。なんだかんだいって春ですなー。 と、のん気に過ごした今日、エイプリル・フールでしたが、気張って嘘をついてやろうという気にもならず。(だって、どうせつくなら面白い嘘がいいじゃーん。) っていうか、エイプリル・フールってことを半分忘れてました。 さっきル・モンドのサイトを開けたら、「4月1日には、あらゆるところでニコラ・サルコジの話題」という記事が。あーなるほど、やっぱりサルコジネタのオモシロ嘘ニュースが多いんだーとちょっと納得。まあ何かとネタにしやすいよね、存在論的にああいう冗談みたいな部分があるやつは。 めんどいので、ル・モンドのその記事をそのまま紹介。 その中で、「別に面白くない」「そこまでやるか」と思ったのは、バクシーシ・アンフォ(インディペンデント系ニュースサイト)が「フィヨン首相が更迭されて内閣が再編成」と報じ、わざわざビデオまで作っていること。ま、ビデオを見ていないので、もしかしてコメントが可笑しいのかもしれませんが。 同じくRue89の「大統領府がポワン・ヴィルギュルの救済に乗り出した」という嘘ニュースも、別に…って感じ。(今、この記事が読めない状態になっているので、リンクは貼りません。)Rue89は、先日、長い文章の中で用いられる「;(セミコロン、フランス語でポワン・ヴェイギュルと呼ぶ)」が使用されなくなってきたという記事を掲載していました。今回の嘘ニュースでは、「行政書類の作成において、1文書につきポワン・ヴェイギュルを最低3回挿入すること」を公式化するよう指示したと報じ、これにはほとんどの読者が騙されたようです。 ところで、私もいまだに「:」と「;」をどのように使い分けるのか、いまいちよく分からない…。 反対に、読んでいてあまりの馬鹿馬鹿しさに思わず笑ってしまったのが、テレラマが購読契約者に送ったというニュース・メール。それによると、ナノテクノロジー研究者によって、ウィフィダス・アクティフ(Wifidus actif)という新しいヨーグルトが開発され、それを食べると100km離れたところにいる妻とコミュニケーションがとれるようになる、とか…。 冗談を説明するのほど野暮なことってないんだろうけど、無線LANのWi-Fiのことをフランス語で「ウィ・フィ」と呼ぶので、ビフィダスだとウィフィダスをかけてます。 続いて、ランテルノットという総合情報サイトでは、ニコラ・サルコジがカーラの次のアルバムに歌で参加するという偽スクープを掲載。(ありそうな気がしてしまうところがまた怖い。) それから、「二日酔い」に健康保険がきくようになるとか、セバスチャン・シャバル(昨年のワールド・カップで人気が急上昇したラグビー選手)の協賛で「毛深い人のコンプレックスをなくさせよう」という「毛深い人の日」ができたとか…。←この人がセバスチャン・シャバルです やっぱり嘘ニュースは馬鹿馬鹿しいものの方がいいなー。 どこでどう発表されたのかよくわかりませんが(ビラがまかれたようです)、レバノンでやっと大統領選が行われるという嘘ニュースも。実に19回も延期されているレバノンの大統領選。「世界のどこでも普通に行われる大統領選がレバノンでは夢になっているということで、事態がいかにうんざりするものとなっているか、人々に知らせたかった」と 、この嘘ニュース発信元のYoumna Fawazさん。 ときに嘘の中には、夢の断片もあり、その裏にひそむ絶望の反映もあり…。 参照: Le Mondeより |
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