「Pekin Express」がやらせ?
2008-03-12
民放TV局M6で、すでに3シーズン目になる「Pekin Express」。人気番組なのかどうなのかよく知りませんが、先週、「実はやらせだった」と週刊紙カナール・アンシェネが暴露。(ちなみに私は一度も見たことがない。)「Pekin Express」は、二人一組(親子だったり兄弟・姉妹だったり親友だったり)の10組が、一日の所持金1ユーロでヒッチハイクをしながら見知らぬ土地を旅する番組。全行程はいくつかの区間に分かれており、各区間で目的地への到着を競います。
タイトルが「Pekin Express」なのは、最初、北京を中心にこのヒッチハイク競争が行われたから。(北京が目的地だったと思うけど…自信なし。)
この番組の宣伝を最初に見たとき、昔、「電波少年」で猿岩石が…なんて思い出しました。(っつっても、私は猿岩石のやつが始まったときはもうパリに来てて、一度も見たことがない。ネットもない時代、パーティーで知り合ったフランス人に「この間、日本のテレビの仕事したよー、ヒッチハイクで旅する若者をずっと追っている番組で、日本ですっごい人気があるんだってねー」と言われて、何のことやらさっぱりわかりませんでした。とりあえず「すごい太った男」が松村ということだけわかった。)たしか、猿岩石のときも、やらせだったという話があった気がしますが。
「Pekin Express」のやらせを暴露したのは、プロダクションからカメラマンと一緒に現地へ送られたジャーナリスト、フィリップ・バルトロット。彼は途中でこの仕事を降りています。
バルトロットによると、制作側が、視聴率によって成り行きを密かに誘導していたとのこと。彼曰く、「プロダクションの指示で、時々、参加者を遅らせたり、逆に遅れを取り戻させたりした。ヒッチハイクで車に乗せてくれるよう、お金を払ったこともある。」
この暴露記事を受けて、カナル・プリュスの「ラ・マティナル」では、元参加者に電話インタビューを試みました。
前回、このヒッチハイク競争に参加したジョフロワ君は、一緒に旅をしたのでカメラマンも感動的な場面では涙を浮かべていたし、車が止まってくれなくて惨めな状態が4時間も5時間も続いたりしたし、やらせを感じたことはない、と述べています。ただし、この旅がある程度スムーズに進むよう、制作側がこっそり手助けした可能性については、確信を持って否定はできないようです。
この番組中でも取り上げられていますが、カナール・アンシェネの暴露記事の後、怪しい部分をprogramme-tv.netが編集してインターネットでアップしています。この動画を見ると、ある女性参加者に頼まれて食料を買いに行ってくれた人と、別の参加者をヒッチハイクで車に乗せてくれた人と、更に別の参加者に肩を貸してくれた人が同一人物らしいのです。つまり、一人で三組も手助けしている?
この問題の場面の当事者である女性参加者によると、事実は「いたって簡単」。彼女は、食料品を買いに行ってくれた男性がすごく優しかったので、翌日もヘルプしてくれるよう頼み、OKをもらったが、彼の到着が遅かったので、別の車で移動し、彼は彼で別の参加者を手助けをした…と説明しています。
また、M6は「テレビで放映しなかった未編集部分」を公開。
Pekin express sélectioné dans TV
これによると、確かに、最初の女性参加者が運転手にどこへ行くのか尋ね、行き先が同じなので翌日拾ってくれるように頼んでいますし、三組目はゴールのはっきりした場所がわからず困っていたところで前日食料品を買ってきてくれた男性に出会って助けてもらっていることがわかります。
でも、この部分が偶然だったとしても、他の部分でどうだったのかはわからないし、この部分だって制作側から何かしらの報奨がなかったとも保障できません。
やらせ暴露は微妙に波紋を呼び、国営TV局フランス5の「Revu et corrige」という番組でも取り上げられました。
「Pekin Express」に参加した女性二人と、やらせを暴露したジャーナリストが番組に出演。その中で、ジャーナリストのバルトロットは、その場にいる二人の女性参加者のために実際にお金を払ったことを告白、それもどういう状況でどの場所で拾った車だったかを描写しています。
うーん、ここまで言われると、ジャーナリストの方が信憑性があるような気が。
ま、正直言って、やらせだったとしても全然驚かないし、どうでもいいんだけどさ…(見てないし)。
でも、「あの感動は造られたものだったのか!」とショックを受ける人もいるのかなあ…まあいるんだろうなあ。可哀想。
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