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家族呼び寄せビザのためのDNA鑑定

 2007-10-07
先日からこのブログで少し取り上げてきましたが、移民法に関するDNA鑑定の導入についての法案が、水曜日(10月3日)から木曜日(10月4日)にかけての夜中、元老院を通過しました。

但し、国民議会を通った法案は元老院で一度却下されており、修正が加えられて再検討されました。国民議会通過の前も修正が加えられているので、今回決議された最終案は原案からかなり変更されたものになっています。

元老院を通過した修正案には、「両親のどちらか」ではなく「母親のみ」との血縁関係を調べる旨が明記されました。これは、父親が自分の子を実子でないと偶然知るような事故(家族ドラマ?)がないよう、考慮してのことだそうです。また、DNA鑑定にかかる費用は、「まず申請者が負担し、ビザ発給後に払い戻しを受ける」のではなく、鑑定結果に関わらず最初から「フランス国家が負担する」ことになりました。

この法案を討議するにあたって、与党UMPの中でも反対する元老院議員が出ており、DNA鑑定に関する項目は削除されるのではないかという話もありました。UMP内反対派の一人にラファラン元首相がいたのは、前回にも触れた通り。しかし、内閣からの積極的な変更を受けた法案に、結局はラファランも満足の意を表明。

しかし、一般の間でも多くの反対意見があがり、物議をかもしました。反対している人たちは、どんなに修正を受けようとも、「家族関係を遺伝子ではかる」という考え、また、「DNA検査を人民を管理するために利用する」という考えがこの法案の基底にあることを批判しています。

charliehebdouneseptcentiw5.jpg元老院での最終決議に先立つこと10月3日、風刺週刊紙シャルリー・エブドとSOSラシズムは、この条項の削除を求める署名運動を開始。数時間で一万人以上の署名が集まり、翌朝には4万に達しています。著名人も多くこの署名運動に参加。政治家では、フランソワ・バイルー(Modem党首)、フランソワ・オランド(PS書記長)、セゴレーヌ・ロワイヤル(ポワトゥ・シャロント地方議会長)、リヨネル・ジョスパン(元首相)、ピエール・モロワ(元首相)、ミッシェル・ロカール(元首相)、マリー-ジョルジュ・ビュッフェ(PCF書記長)、オリヴィエ・ブザンスノ(LCR代表)などなど。また、芸能界からの署名も多く、イザベル・アジャーニやジャンヌ・モローを初め、ジョジアンヌ・バラスコ、ミッシェル・ピコリ、ランベール・ウィルソン、オリヴィエ・アサイヤス、クロード・ランズマン、ベルナール・タヴェルニエといった女優・俳優・映画人も名を連ねています。その他、政治家で詩人のエメ・セゼール、遺伝子研究者のアクセル・カーン、作家のエリザベット・ロディネスコ、FNAC社長のドニ・オリヴネス、労働組合CGT書記長を務めるベルナール・ティボー、学生組合UNEF代表のブリューノ・ジュリアールなども。しかし、この署名運動で最も注目を浴びたのは、ドミニク・ド・ヴィルパン(元首相)も署名していること。

また、国立倫理諮問委員会(CCNE)から、DNA鑑定導入の法案は「フランスの法律の精神と相容れない」とする意見書が提出されました。この意見書は、フランスにおいては家族が血縁関係に集約されることなく、離婚・再婚による複合家族や養子縁組などにおいても家族関係が認められていることを挙げています。また、いずれ遺伝子鑑定が一般化して個人の自由を侵害するおそれがあるとして危惧を表明。そして、「社会的・文化的な同一性に関する問題に対して、最終的な決定を下すよう生物学的真実に頼る措置」に注意を促し、「CCNEは、この条項の精神が、社会によって表現されている沢山の基礎的原理に疑問を呈するものではないかと懸念する」と述べられています。

ところで、フランスの世論はDNA鑑定導入についてどう感じているのでしょうか。金曜(10月5日)、日刊紙ル・パリジャン-オジョルドウィに掲載された世論調査によると、47%がDNA鑑定導入に賛成、45%が「フランス社会の価値にそぐわないため、良くないことだと思う」と答えています。つまり、賛成・反対は約半々。

これだけ物議をかもしたDNA鑑定導入について、首相のフランソワ・フィヨンは「重要でない細部」とみなす発言をしています。(発言抜粋がル・モンドの記事に引用されていますが、嫌悪感に伴なう脱力感に勝てず翻訳しません。)

元老院を通過したとはいえ、反対派にとっては憲法評議会が最後の頼み。

参照:
Nouvel Obsより

「100.000 signataires de deux petitions」
「Le Conseil national d'ethique contre les tests ADN pour les etrangers」

Le Mondeより

↓ル・モンド編集長による社説


国立倫理諮問委員会(CCNE)の報告書
「Avis No.100 Migration, filiation et identification par empreintes genetiques」
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