去る人々
昨日今日と、立て続けに、朝、インターネットブラウザを立ち上げて「えっ」と声を上げてしまった。昨日はミッシェル・セローの訃報、そしてイングマール・ベルイマン、今日はミケランジェロ・アントニオーニ…。

っていうか、失礼ながら、後者二名は「あ、まだ生きていたの…」と存命されていたことを知らなかったのですが。言わずと知れた偉大な映画監督、彼らの作品をしみじみ見直してみたいなあと思ったり。

h_9_ill_940214_151627.jpgミッシェル・セローは、近年、テレビや映画で見ると、やっぱりお年を召していらっしゃるなあという印象と共に、死の影をまとっていたような気がする。彼には妙なエロティシズムがあり、それは死と隣り合わせにあったように思う(個人的感想ですが)。

それにしても、仏語ウィキペディアのミッシェル・セローの項目をみると、その出演作品数の多さに驚かされます。そのうちいくつも見ていませんが…。

ミッシェル・セローの訃報に、ニコラ・サルコジが「偉大な俳優」と追悼の言葉を発表したそうで…これでふと思い出したのが、演劇人のアリアーヌ・ムヌーシュキン。

mnouchkine.jpg彼女は最近、コレージュ・ド・フランスの教授に任命されたのですが、リベラシオン紙に「ニコラ・サルコジに任命されたアリアーヌ・ムヌーシュキン」と報じられたため、この報道のされ方に憤慨して教授職を拒否。ヌムーシュキンは「2006年11月26日には、コレージュの教授会によって選ばれるという栄誉を得たと思っていたのに、2007年になってニコラ・サルコジから『任命』されただけだと知った。非常に失望し、これを拒否する」と発表。彼女は大統領選前に、完全アンチ・サルコジ的立場を表明していた人。「サルコジから栄誉を授かった」みたいな書き方をされて、余程頭にきたらしい。演劇祭でアヴィニヨンにいるムヌーシュキンは、「あのような書き方で報道されたことに怒っています。コレージュ・ド・フランスのメンバーは教授会によって選出されているのに、あの報道は私をニコラ・サルコジ政権の協力者に仕立て上げました」と怒りのコメント。「ニコラ・サルコジ政権の協力者」という部分、フランス語(「une collaboratrice du regime de Nicolas Sarkozy」)で読むとそこに込められた意味がよくわかります。蛇足と思いつつ解説しますと、「collaboratrice(collaborateurの女性形)」とは、一般に「協力者」という意味ですが、ナチス占領下の対独協力者を指す言葉でもある。つまり、「ヴィシー政権下の対独協力者」を文字っているわけです。彼女がいかにアンチ・サルコジであるかが伝わってくるコメントだなあ。実際には、ムヌーシュキンが言う通り、教授選出はコレージュ・ド・フランスの教授会によって行われており、大統領はそれにサインするだけ。上記の通り、8ヶ月前には教授会によってこの任命が決まっていたわけです。今、大統領がサインして公式に任命した、ということにすぎない。ムヌーシュキンは、マスコミを使ってなんでも自分の成果であるかのように宣伝するやり方に強く反発しています。
しかし、後日、結局はこの教授職を受け入れることを発表。とりあえずまるくおさまったようです。

で、思ったのですが、アリアーヌ・ムヌーシュキンがもし今亡くなったら、やっぱりサルコジから追悼の言葉とか受けることになっちゃうんではないかと。死んじゃったら拒否もできないし。ムヌーシュキンさん、サルコジ在任中には死ねませんな。

参照:
Le Mondeより

【2007/07/31】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
最近、安倍さんの顔をよく見かける
日本の参議院選挙がこっちでも報道されていて、なんだか最近安倍さんの顔をよく見かけます。ほとんどが、しょぼ〜ん(´・ω・`)という顔ですが。今日は、パリ中心部、観光客の多い地区のキオスクを通りかかったら、安倍さんの顔がで〜んと目に入ったので驚きました。日本の新聞を売っていたようです。
ま、こっちの新聞で書かれていることといったら、自民党の歴史的大敗とか、現在の日本国民の一番の心配ごとは年金問題とか、一般的な要約ですけれどね。

そんな中、ル・モンドで、ちょっと変わった記事を発見↓
尾辻かな子さんって、最近、同性愛結婚をした人(公式には認められないけれど)ですね。彼女をクローズ・アップするとは…やっぱりどっか一味違うな、フランスのル・モンド。尾辻かな子さんの発言を読んで、「そうだそうだ、安倍の「美しい国」イデオロギーに負けるな〜!」と思った。
…って、イデオロギー云々で投票する人なんて少ないよなあ。

とりあえず、私の場合、日本の現実を生きていないので、逆にイデオロギーだけで投票してきました。あ、在外投票なんで、日本の選挙日の10日くらい前でしたけど。ずいぶんな前倒し投票だったもんで、先週の日曜(22日)、間違ってインターネットで速報を探しそうになりました。

それにしても、辞めないんだねえ、安倍さん。

なんかよくわからないニュースサイトから、前に訳出したピエール・ロザンヴァロンのインタビューにいくつかTBがきた。ほんと、よくわからないんで、半分削除して、なんだか面倒くさくなったので半分放置です。
【2007/07/30】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
占いをやってみた
mixiで、マイミクのヨシヒロさんがやっていた占いを、私もやってみた。(脳内メーカーは、なんとなくあんまり好きでないんでパス。)

そそそしたら、なんか恐ろしい結果がでてきた…。
ヨシヒロさんにも「せっかくだから」と言われたので、アップしてみます↓

あなたの持って生まれたもの
美女らしい美女が多い。いわゆる正統派で昔風の、誰がみても美しい、というタイプである。
そうでなくても愛らしい印象があり、年をとっても色気を失わず、かわいい、といわれる、トクな容姿をもっている。性格的にも努力の末に何かをつかむ、ということはあまりなく、できないことにはさっさと見切りをつけ、次々と色々なことをやってみる、チャレンジャー精神の星である。プライドが良くにも悪しきにも異常に高いので、あまり下積み生活を長くつづけてしまうと段々”自分を認めてくれない”世間に背を向けるようになり、悪い方へとおちていく事があるので注意が必要。ムリなガマンは禁物である。相手の心や能力を見抜くカンは鋭いので、よい仲間や上司を選びとっていくこと。
又、外見や外面のハデさ、愛敬の良さとはうらはらに、内面は古風で、ゆうずうも効かず、短気なので自分のもつプライドや気むずかしさをどうコントロールしていくかが幸運のポイントといえるだろう。ロマンを愛し、楽しみながら個性を生かせるような仕事を見つけること。俳優や作家、歌手、料理研究家など、自分のやりたい事をやる人が多いのだが、どの人も長い下積みを送ったタイプの人は少なく、いわゆる”好きこそものの上手なれ”の天才型である。
才能があればやってみれば大いに成功するかもしれない。又、商家に嫁ぐと、主人を上まわって家業を切り盛りし、その家の財産を冨ますことで自らも尊敬されて大きな発言力をもつに至る、というタイプもいる。何にせよ才能とプライドをどう生かして両立させるか、ということと、本質的にはゆうずうのきかない古風な人間である、ということさえわかっていれば道をふみはずすこともないだろう。
女だてらに一家を支えている人も多くみるが、欠点は身内をかばいすぎるあまりにいわゆる”親バカ”といわれ、頼りにされすぎて身内をだめにしてしまうことの多いことを気をつけてほしい。


しぇぇ〜〜〜〜〜〜〜なんじゃそりゃ。

たまに「当ってるかな?」と思うところがなきにしもあらずだけれど(「短期」「自分のもつプライドや気むずかしさ」「自分のやりたい事をやる人が多い」)…全体的に当ってないと思うなあ。

特に最初の外見の部分が当ってない!でもちょっと面映く感じつつ、へらへらと同居人に「こんなこと書いてあるよー、当ってないよね〜?」と言ったら、あっさり「うん」と即答されてしまった……ちッ。

それよりも、ドキっとしたのは、「あなたの持って生まれた色」が「SALAD GREEN」であったこと。小さい時から、何故か緑が大好き。4歳くらいのとき、クマさんの絵のトランプがあって、緑色のクローバーの6のカードを見て「これはあたしのカードだ」って思ったんですよ。緑、クローバー、6。何故か分からないけど、そのとき、自分の好きな色と数字はこれだって意識的に初めて認識しました。それ以来、緑と6が好きです。あと、クローバーも。

しかし、この占い結果を読むと、才能がなかったらただ社会に溶け込めない偏屈な人って感じですな…。
【2007/07/26】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
これであなたもパリジャン(パリジェンヌ)?
ル・モンドから飛んだブログで、「Comment se comporter comme un vrai Parisien ?」(「ホンモノのパリジャンのように振舞うには?」)という話がありました。このブログはパリのイベントやニュースなどを生活レベルの視点でつづっているもの(多分)で、今回のパリジャンの行動様式については、もともと他のサイトがネタにしたものを拾ってきたらしい。

夏のヴァカンスに入ったフランス。その中でも、地方からのみならず、近隣諸国や遠い日本からの観光客も集めるパリ。そんな街の人込みで、パリ在住であろうとなかろうと、「観光客と間違われたくないわ」という人はいるのではないでしょうか。では、どのように振舞えばパリジャン・パリジェンヌらしくみえるのでしょう?
上記元ネタサイトによりますと、
・パリ中が自分のものであるかのような高飛車な視線を保つこと。
・てきぱきと速く歩くこと。
・絶対に地図を(どんなものでも)公共の場で取り出さないこと。
・フランス語以外の言語で何かを尋ねられたら、完全に無視すること。
また、地下鉄の中では
・他の乗客のことは全く無視。
・ホームレスやミュージシャンに何もあげてはならない。
・進行を阻む人が沢山いたら、ぶつかっていく。(「ごめんなさい」と言うことも可能。)
など。

これの筆者は、最後に、「このリストは、パリに何度も旅行した際の自らの個人的経験による結果である。世界中のどこにも見られない、典型的パリジャンの行動を研究する機会があった。勿論、このリストは意図的に面白くしてあり、多少誇張されている」と断り書きをしていますが…。

まあ、人によると思いますけどねえ〜。高飛車な視線っていうか、地下鉄の中で、座ってから一瞬ほうける人とかは多い気がしますけれどねえ。なんか、視線が宙に浮くっていうか。はあ〜やっと一息…って感じで。やっぱり都会の中で、何気に緊張しているからでしょうか。

しかし、地下鉄の中で出会うマナーの悪さは、本当に理解に苦しみます。10年以上経ってもいまだに。上記リンクのブログにも、「ここを見れば、無作法さが問題の頂点に達していることがわかる」として、パリ市交通公団(RATP)関連のサイトが紹介されています。

で、そのRATP関連サイトに飛んでみたら、トップにきていたのが「ZEN車両をつくってほしい」という意見。ZENとは、「禅」のこと。「忘我の境地に達した」というか、「ストレスのない」「おだやかな」みたいな意味で使われています。その禅車両の提案とは、音量を大きくして音楽を聴いている人や、携帯電話で話している人がいて迷惑だから、そういうものを禁止した車両を作ってほしい、というもの。う〜〜〜〜ん、日本に住んでいる人にはびっくりでしょうねえ。日本では電車内での携帯電話の迷惑使用は禁止ですもんね。パリでは、も〜ガンガンに大声で喋ってますよ。呼び出し音もフツーに鳴りますし。たまに、電話に出て「ちょっとまって、今地下鉄の中だから…」と切ろうとする人がいて、よしよし…と思っていても、「え?なんだって?そんなこと聞いてないよ!?」とか、結局話が続くことがしばしば…。また、超混みで身動きがほとんどできない電車の中、携帯が鳴って、周囲のイライラ倍増。さすがに出ないだろう…と思っても、「フ〜ッ」と嫌々なため息をつきつつ、周りの人にぶつかりながら必ず電話を取り出すパリジャン・パリジェンヌ。で、嫌々なフリをしていたわりには「あら〜元気ぃ〜?」なんてハッピーに答えてたりして。ま、いーですけど…。

以下、個人的に我慢できないパリジャン・パリジェンヌの地下鉄内行動様式。
・通路とか隣りの人に邪魔になろうが構わず足を組む。
・子供が捕まり棒を軸にぐるぐる大回りしてはしゃいで、周りの乗客にぶつかりそうになっても、叱らない。
・降りる人がまだいるのに、ぶつかってでも乗ろうとする。
とにかく、一番最後のが一番許せない。なんでこんなに他人に対する配慮と忍耐力がないのかしら。それこそ「ZEN」が必要ですよ。

さて、「あなたもすっかりパリジャン(パリジェンヌ)だね〜」と言われたら、喜ぶべきか否か…?

でも、たまに、狭い道でぶつかりそうになったらにっこり笑って先を譲ってくれる人もいる。知人は、観光名所をバックに、自分で自分の写真を撮ろうとしていたら、通りがかりのマダムが「そんなんじゃダメよ、貸しなさい!」と写真を撮ってくれたと喜んでいた。
ま、パリジャン・パリジェンヌにも色々いるってことで。

(今回は結局、ちょっと愚痴になってしまったな…。)
【2007/07/23】 | essai de mon point de vue 〜私見試論〜 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
Velib'利用開始から1週間の感想
Velib'利用開始から1週間が経ちました。私は、その間に二回ほど一日契約をして活用。実際に乗っていると、興味津々の眼差しで見つめられたりするので、パリ市民のVelib'に対する関心はやはり高いのでしょう。このところ、パリの中心地であのグレーの自転車を頻繁に見かけ、なかなか好評なようです。滑り出し順調?

しかし、個人的感想としては、まだまだ改善の余地があるな、というところです。

というのは、まず技術的な問題がある点。
前回、早速利用開始日に使ってみたところ、同居人の自転車返却が登録されていなくて焦ったことは書きましたが、実はこれと同じ問題が初日に頻発していたようです。翌日、同居人がインフォメーションセンターに電話したら、「C'est normal, c'est le premier jour!」、つまり「(そんな問題があるのは)初日なんだから当たり前ですよ〜!」と言われたとか…。使っていないのに高額のレンタル料と保証金を引き落とされるのではないかと慄いていた私たちは、この返事にガクッと気が抜けた。ま、とりあえずよかったよかった。Velib'のオフィシャルサイトにも、この問題についての記事が追加されていて、「不当なレンタル料請求はありません」と説明されています。この問題は早急に解決されている模様。
その他に、短期契約用のチケットが足りなくなってしまって自動券売機から出てこなかったというケースもあったよう。先日、同居人が一日契約で借りようとしたけれどできなかったのはそのせいかも。(どうも同居人はVelib'運がないらしい…。)
それから、スタンドに自転車が数台あるのに、通信回路に問題があるのか、中央にあるメインの機械が自転車を認識していないため、借りることができないこともありました。これは1週間経過してもまだまだよく出会うケース。

ま、初日から技術的な問題が発生しないなんて、フランス的には逆にありえない気がしますけれどね〜。
あと、やっぱり、来年の市長選を前に、ドラノエ市長が好意的評価を受けるに違いないVelib'の開始を急がせたことも、システム不備に影響しているかも?

あとは、ある意味、経済的な問題。単純に、自転車の数が足りないと思われます。と同時に、配分がうまくいっていないせいか、満車で返却できないことも。これは最初から予想されていたこと。しかし、さすがにこればかりは実際の統計が必要だろうし、すぐには改善されないのではないかと思われます。Velib'の運営を担っているJCDecauxも、この点に関する問題解決には時間がかかると言っています。

それから、Velib'のシステム自体ではなく、利用者側の問題も。
まだまだシステムのコンセプトや実際の利用方法、その手順などの理解が浸透していない様子。
まず、「abonnement」のこと。直訳すると「加入契約」。日本語ではこれが「パス」「一日券」と紹介される場合もあるようですが、あくまでもシステムへの「加入契約」であって、レンタル料を含むものではありません。つまり、「加入契約料」と「レンタル料」は別物。これを誤解する利用者も少なくないようです。ル・モンドで読んだ記事によると、利用開始の初日、やはり一日のレンタル料が1ユーロだと勘違いして4時間乗っていたというカップルもいたらしい。私も、ずっと路上に停めてあるVelib'自転車を見かけたことがあります。昨日は、パリ中心部の地下鉄の入り口に防犯チェーンをくくりつけて停めてあるVelib'自転車を数台見かけました。ほんのちょっとのお買い物に寄ったのか、超過料金を払ってもいいからやっと見つけたVelib'自転車を保守しておきたいのか、それとも料金体系を理解していないのか…。

私自身、最初に借りたとき、操作手順にまごついたし、よくわからずに困っている他の利用者に出会ったりしました。やっぱり利用開始1週間くらいは、主要個所に係員をつけていた方が親切でしょうね。
でも、1週間経ったので、すでに何度も利用している人がいるから、お互いに教えあっていけばいいのかもしれません。

個人的には、この一週間のVelib'体験で、知らない人と会話する機会があったのは楽しかったです。自分と同様に自転車を返却できなくて困っている親子とか、借りるつもりだったのに自転車がなくて戸惑っていたときに「もう一本向こうの通りにもあるわよ」と教えてくれたマダムとか、返却登録をどう確認したらいいのかとまごついていたおじさんとか。

あと、車道を走るとき、やはり自転車専用レーンがないのはちょっとストレスだなあと感じました。なるべく車の邪魔にならないように…と思うと、ついつい車と同じスピードで走るべく(無理)、懸命にペダルをこいで息切れする私。それと、日本を訪れた大学教授が、路上駐車の区域が非常に少ないことに驚き、「都会の自動車交通量を減らすには、draconien(厳しい策)だけど一つのよい方策かもしれない」なんて言っていましたが、それをふと思い出し、路上駐車空間を自転車専用道路にすればいいのに…なんて思いました。でも、路上駐車は市の重要な財源でもあるだろうしなあ。環境問題を考慮した都市改革には、まだまだかなりの時間と労力と費用が必要なのでしょう。
【2007/07/22】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Velib'始動
1593765934-paris-en-selle.jpg今日からパリのレンタサイクルシステム、Velib'(ヴェリブ)の利用が始まりました。この一ヶ月、パリ市内の色々なところで、設置のための工事や、設置済みで利用開始を待つスタンドなどを目にし、「あ、ここにあるんだー」なんてチェックしながら心待ちにしていました。更に、各メディアでも取り上げていて、私が実際に読んだ中では、フィガロ・スコープ(日刊紙ル・フィガロ付録)や週刊誌レクスプレスなどが紙面を割いていました。そこでは、システムの利用方法、自転車の特徴などが説明されており、同時に、様々な角度から、このシステムに対する疑問点や問題点などが取り上げられていて興味深かったです。まさに利用開始直前の昨日、ル・モンドに「ヴェリブの限界」と題した社説が掲載され、WEB版上では読者からのコメントで、ヴェリブ賛否両論の意見(並びにこの社説への賛否両論)が繰り広げられてます。(個人的には、この社説には嫌気がさしてため息が出ました。後退的で否定的すぎる。)

Les limites de Vélib'
LE MONDE | 14.07.07

© Le Monde.fr


疑問点としては、本当に自動車利用者が減るのだろうか?ということ。このシステム導入の先駆者、リヨン市では、自動車交通量が実際に激減したわけではないらしい。どちらかというと、もともとバスや地下鉄を利用していた市民がレンタサイクルシステムに切り替えた率の方が多いのでは。その意味では、目的を達成するための手段として相応しいかどうかは、長い目で見て結果が出てから(出ないかも?)ですね。
また、自転車利用者が急激に増えて、パリ市内の交通に混乱をきたすのではないか?ということ。これは、後述の点につながるのですが、それとは別に、「2万人」(自転車愛好協会の人の言。「Le velo en libre-service debarque a Paris」参照)も一気にに自転車利用者が増えるとは思えない。とはいえ、車を運転する人は多少なりとも自転車が増加したら神経質になるのかな。

Velib'に批判的な意見の多くは、「パリで自転車を運転するのは危険」ということ。この点で、車を運転する人と自転車を運転する人で、問題点についての意見が分かれるところ。特に、車を運転する側からの自転車利用者に対する批判の方が多いようです。フランスの交通規則では、自転車が歩道を走るのは厳禁。自転車専用道路、またはバスレーン、それがなければ車道を走ることになっています。速度も大きさも違う無防備な乗り物が脇を走っているのだから、車から見れば、ひっかけてしまわないかとひやひやするだろうし、邪魔に思えるのでしょう。そしてこの点で、先にふれた「交通の混乱」が危惧されるようです。

また、もう一つ、「交通の混乱」に関して心配されるのは、マナーの悪い自転車が増えて迷惑するのではないか、ということ。たしかに、平気で歩道に乗り上げて走る自転車もたまに見かけます。また、自転車は、車道と同じく一方通行は守らなければなりません。一方通行の道がやたら多いパリでは、ちょっとの距離なのに遠回りさせられたりして、うんざりします。小回りのきく自転車では、そのルールを違反して逆走しているケースもあるようです。これらは明らかに自転車利用者の交通規則違反。

それから、パリの大気汚染はひどいため、自転車を乗ればそれだけ悪い空気を吸うことになる、という意見も。つまり、健康に関する「危険」がある、ということです。

しかし、私はまず、これらの自転車を乗る人に関するイメージが最初から否定的なことにびっくりしました。数年前、まだ私が自転車を持っていて、パリ市内を自転車で移動していたときのことを思い起こしてみれば、交通規則を守るのは当たり前でした。狭い道では、こちらも車が怖かったし向こうもひやひやしただろうなと思うのですが、こちらとしては車がスピードを落として気をつけてくれるのでありがたかったし、同時になるべく端っこによけていました。もし、車の方で「追い抜けない」「危ない」と思えばクラクションを鳴らしてくれるでしょうし、そうしたらこちらも脇に寄って止まるなどすればいいのでは。…って、これって当たり前ですよね?と私は思っていたのですが、これってずいぶんナイーブな考え方だったのかも?私は、車対自転車がそんなに激しい対立だとは知らず、今回のVelib'論争で数々の相互批判を読み、驚いてしまったのでした。

とにかくまず間違っているんじゃないかと思うのは、車対自転車という構図。まあ、実際の道路上ではそうなるのかもしれないけど、この対立では「車を乗る人は絶対自転車に乗らない」という前提があるみたいです。そうとも限らないだろうになあ。個人的には、パリの車の運転マナーの悪さにほとほと頭にきているので、そういう人たちが自転車に乗れば、そりゃあマナーが悪い自転車が多くて危険度が増えるだろうよ、と思います。なんつーか、車対自転車という以上に、フランス人のマナー遵守、他人への気遣いの問題だと思うんですが…。

もっと自転車を乗る人が増えて、事故ではなく、お互いの配慮が増えればいいなあと思います。(ソレ、楽観的すぎるだろうな。)

それにしても、「自分は自転車を乗るのは好きで、いつもトランクに折りたたみ式を入れていて、森の中でサイクリングを楽しむけれど、大気汚染がすごいからパリで自転車に乗るべきではない、だから自分は市内では車に乗る」という人(ミッシェル・ドリュッケール)…なんちゅう自己中心主義。そういうあなたが大気汚染を増やしてます。
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【2007/07/15】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(1) | コメント(3) | page top↑
よく分からない…が、世の中は流れる
この前のエントリーで触れた事柄のうち、ジャック・ラングの制度整備委員会代表任命の噂の件、ドミニク・ストロス−カーンのIMF専務理事候補推薦の噂の件、ニコラ・サルコジのユーログループ(欧州経済会議)参加の件、という三点について続報です。

まず、サルコジが出席したユーログループについて。
EUメンバー近隣諸国は、サルコジが大統領に就任して以来、その経済政策方針によって財政赤字が増えるのではないかという不安を見せていました。サルコジ的経済政策とは、経済的余裕を生み出せるように国民の税負担を減らして(逆にいうと、税負担を減らしても経済的余裕を生み出せないような低所得の国民のことはどうでもよいらしいが)、消費活動を活発化させることで、経済力の増大をはかる、という方針。しかし、税負担の軽減から経済の活性化までの間、赤字が増えるのは確実と見られています。ユーロ圏内では、一年の財政赤字がその年のGNP3%を越えないこと、という約束事があるのですが、2007年度、2008年度は、サルコジ経済政策によって、フランスがこのリミットを越えてしまうかもしれないという懸念があります。それから、EU諸国は2010年には財政赤字をGNPに対して0%とすることを目標にしていますが、サルコジは大統領選公約時にこれを2012年に設定。彼の予定ではEUの目標を2年も超過してしまう。これについて、他国は、EUの約束を顧みない経済計画を発表したフランスに説明を求めていました。つまり、5月以降、ヨーロッパ諸国はフランスに不信感を表していたわけです。
そのような背景もあり、ユーログループが始まる前、特にドイツ(現在、EUの中で経済的優等生)は、2010年の財政赤字ゼロを目標とする約束をフランスも遂行するよう、厳しく要求する構えを予想させていました。また、イタリア(現在、フランスと同じく財政赤字を抱え、EUの中で経済的劣等生)は、経済問題について国内の政治動向をなんとかまとめているという苦しい状況の中、フランスが足並みを乱すと他国にも影響が出るとして、懸念を示していました。
で、前にも書きましたが、大統領がこの会議に参加するなど、本当に前例がほとんどないことだったらしいですが、終わってみれば、サルコジは積極的に話し合う姿勢を見せたということで、まずまず評価されたらしい。
実際、会議中、各国からの追及があったようですが、サルコジはそれに一つ一つ答えたのだとか。同席したフランスの経済相、クリスティーヌ・ラガルドは、「サルコジの発言は、わかりやすく率直で説得力があった」と称賛。
しかし、今回のユーログループで、ひとまずフランスが容赦されたのは、サルコジが発表した展望が多少変更を見せたことが大きいと考えられます。サルコジは、自らの経済計画がうまくいけば、フランスの景気回復が早まることも予想され、その場合には2010年の約束に間に合うと述べました。但し、そうでなければ2012年になるかもしれない、と付け加えつつ、どちらにせよ財政赤字0%達成を約束することには違いない、と強調。また、2007年の財政赤字がGNPの2.4%(前年は2.5%)になる見通しであり、2008年には更に下げると明言。そして、フランスでは夏の間に税制について討議される予定なので、9月にその詳細を報告することに。
会議の後、議長を務めるルクセンブルグ首相のジャン−クロード・ユンケルは、「フランスが動かない保守主義の国でなくなろうというのは、ヨーロッパにとって朗報だ」と述べ、ヨーロッパ諸国がフランスの構造改革の意志を認めたと総括。
今回の会議を終えて、ヨーロッパ諸国がフランスの経済計画に納得したように見えなくもないですが、実際のところは、9月の会議まで保留状態。
ヨーロッパ中央銀行に対する批判も、他国にはあまり賛同されていないサルコジ。EU内でフランスの立場は今のところ弱め?

さて、二つ目。
3437919455-fmi-strauss-kahn-pour-l-instant-seul-en-piste-nombreuses.jpgドミニク・ストロス−カーン(DSK)がIMF専務理事候補に推されていましたが、これはサルコジからの推薦に留まらず、ユーログループのユンケル議長からも打診されていたらしい。以前、経済相を務めたことのあるストロス−カーンは、欧州会議でその経済相としての能力や外交的手腕が評価されていた経緯があり、IMF専務理事候補として、かなり好意的に受け入れられたようです。というわけで、ヨーロッパ27国からの候補として認められました。ただし、イギリスの大蔵大臣、アリスター・ダーリングは、DSKは候補に相応しい人物と認めながらも、「他の候補者が出ることを望む」と苦言を呈しています。というのも、習慣的に、世界銀行にはアメリカから、IMFにはヨーロッパからの人材がトップについており、これが経済的不公平につながっていると見なされているため。12年間IMF専務理事を務めたミッシェル・カンドシュは、2000年の退任演説で、それについて言及しています。曰く、「こうした分担は、アメリカとヨーロッパ以外の国々が、南アメリカの数国をのぞけば、ここ(ワシントン)に代表者を送っていなかった1950年には正当であるといえた。現在、途上国が経済シーンの前面に出てきており、最貧国には言うべきことがあるはずだ」。
しかし、フランスのラガルド経済相は、「我々は途上国の意見には注意深く耳を傾けている」とし、伝統的な人材選出と均衡に疑問を呈するならば、IMFのみならず世界銀行についても行うべきだ、と述べています。これは、アメリカ人のロバート・ゼーリックが世界銀行総裁に就任したばかりであるため、ヨーロッパがIMFの専務理事の座を逃すべきではない、ということ。
私事ですが、経済分野無知の私が最近になってちょっと興味をひかれているジョゼフ・E・スティグリッツも、この点について世界銀行とIMF批判をしているらしい(未読)ので、個人的に気になっています。

そして三つ目、ジャック・ラング。
3095306182-jack-lang-prend-conge-de-la-direction-du-parti-socialiste.jpgサルコジの「ouverture」に撹乱され気味の社会党は、党員に、サルコジの誘惑に乗るなにと呼びかけています。とりあえず、IMF専務理事に推薦されたDSKは、サルコジから推薦されたとはいえ、ヨーロッパ他国からも認められたし、フランス国内政治に限らない話なので、オランド書記長からも称賛の言葉が出ています。
しかし、ジャック・ラングにはやや冷たい雰囲気。まだ公式な発表はありませんが、サルコジが制度改革を検討するための委員会の委員長メンバーに、ジャック・ラングを任命する意向であるという噂。これを受けるべきではない、と、社会党内からの牽制の声があがっています。ジャック・ラングは特になんとも意思表明していませんでしたが、ついに社会党指導部を辞任。もう内紛でいやになっちゃったのかなあ。
どうやら、「新しい民主主義」としての制度改革を求めてきた社会党の中にあって、ジャック・ラングは大統領制維持支持者だったらしい。結局、ある点で意見を同じくする人を対立政党から引き込んで、「オープン・マインド」と見せかけているわけよね。
しかし、いい加減、ラングもお年を召していらっしゃるので、ラングの社会党指導部からの引退を惜しむ声は少ない様子。逆に、時代遅れの「エレファント」が姿を消してくれれば、党の若返りに一役買う、とコメントする党員も。
どちらにしても、今の社会党、ガタガタだなあ。

参照:
Yahoo Franceより

「L'Union europeenne soutient Dominique Strauss-Kahn pour le FMI」(Reuters)
「Courtise par Nicolas Sarkozy, Jack Lang quitte le bureau du PS」(Reuters)
Le Mondeより



※7月12日一部修正
制度改革を検討する委員会を率いる委員長にはエドゥアール・バラデュールが指名されていました。
(って、今更バラデュールが出てきたことにも驚いた。びっくりサルココネクション。)
【2007/07/11】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
よく分からない
サルコジが「ouverture」と言ってオープン・マインドなところを見せようとしていて、左派の政治家を内閣側近に引っ張ってきたりしていますが、最近はそれに留まらず、最近、制度改革のための委員会議長に、社会党の人気政治家で元文化相のジャック・ラングに声をかけたり、IMFのトップの座に、同じく社会党の有名政治家で元経済相のドミニク・ストロス−カーン(略してDSK)を推薦しようとしていたり…社会党は「党の不安定化を狙っている」と非難しているけれど、正直なところ、この「ouverture」をどう判断すればよいのか、よく分からない。

制度改革を考えるための委員会といえば、それはもともと大統領選のときにセゴレーヌ及びバイルーがあげた提案に基づいているのでは。だったら、左派からトップを引き抜かれるのは悪いことではないような気もする…けれど、実際、「分裂しない一つのフランス」のイメージを提示するためにそこまでやって、内実はその後ぐちゃぐちゃに崩壊する危険性も否めない。ま、「普遍的存在」となった大統領が、最後には最高権力を行使するつもりなのでしょうが。

IMFの専務理事の人事については、サルコジ曰くDSKが最適だということですが、これは国内政治を越えた問題であるから、対立を越えて純粋に能力を買ったとも考えれられるけれども、そう考えた場合は、つまり自党陣営にはDSKと並ぶかそれ以上の人材がいない、と、そういうわけなのですよね。ということは、グローバリゼーションの只中にある現在、経済的には右派の言説の方が信憑性があるという一般的評価を自負しているであろうUMPの中には、推薦できる人がいないということ?ふーん。で、素直にそれを認めちゃっていいのかしら。

しかし実際、現在のUMP内にはサルコジをおびやかすほど対等に渡り合えるだけの人がいないみたいな気はします。そして、彼自身がそう思っている節がある(というか、権力を手中に収めておきたい彼としては、そうでなくては困るのだろうが)。普通、首相は大統領の次に政治的に地位が高いものと思われているけれど、「大事な口頭試験」と言われた国民議会での首相の初声明で、フィヨンがいかにサルコジの掲げた政策を忠実に実行するつもりであるかが示され、首相の影が薄いとも指摘を受けました。これは、シラクが12年間率いてきた政治とだいぶ異なります。今までは、最終決定権があったとはいえ、大統領は政策の方向性を指示する程度に留まり、実際の政策を提示するのは内閣であったはず。それが、サルコジは政策の具体的内部まで踏み込んできていて、大統領の権限を拡大しようとしているように見えるのです。これが今のところ賛否両論。しかし、見方を変えれば、それを可能にしているのは、サルコジと肩を並べるほど頭角をあらわしている政治家が同じ陣営にいないためとも考えられるのでは。

明日の月曜、ユーロ圏の経済会議があるのですが、これにサルコジが出席するとのこと。普通は、各国の経済相が出席するもので、首相、ましてや大統領が顔を出すのはものすごく異例。ロイター通信の記事によれば、今まで、ベルル−スコーニ首相が出席した例はあるものの、それは経済相が辞任していた為。大統領がしゃしゃり出るとは、それだけユーロ圏内でフランスの立場がヤバイということですな。先月初旬にも報じられていたけれど、ヨーロッパ他国からのサルコジ経済政策に対する風当たりと疑念は強い。それにしても、経済相一人に任せておけないっていうのはどうなのでしょうか。経済相の力量を信用していないとも見えるんだけどなあ。
(ところで、ロイター発信記事の中で「大統領が参加するのは『rarissime(極めて稀)』」と書いてあって、この単語に衝撃を受けました。今まで聞いたことがなかった単語だけど、語幹から、「稀」以上に本当に事例が少ないことなんだなあ、とつくづく感じて、そんなになかなか有り得ないようなことをやってるのかサルコジは…というショック。)

なんだか、これから第5共和制がどうなっていくのか、この変化を国民がどう思っているのか、よく分からない。
【2007/07/08】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ありがとう、オブリガード
土曜日の夜、ベルヴィル中華街にて友人と夕飯。重い雲がたなびく空に、天気がもつか心配しながら出かけたけれど、なんとか雨に降られずにすんだ。

さて、以前から噂に聞いていたものの、名前がはっきりしなくて、どれが当のお店なのかわからず入ったことがなかった「温州ナントカ」いうレストランがお目当て。今回は、しっかり住所と名前を確認。ニュースダイジェストの過去記事も参照。正しくは「温州正宗テン心」だった(テンは「黒」へんの右隣に「占」)。そのうえ、友人はすでに何度が行ったことがあるというので頼もしい。

が!なんとお店は閉まっていた。定休は木曜日って書いてあったのに。
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【2007/07/04】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(7) | page top↑
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