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新しいフランス?

 2007-04-30
2769280135.jpg色々とつまずきがありましたが、結局土曜(4月28日)の午前にインターネットTV局BMFTVとラジオ局RMCによる主催で、セゴレーヌ・ロワイヤルとフランソワ・バイルーの討論が実現。この模様は、ヤフー・フランスル・モンド(抜粋)、リベラシオンデイリーモーションなどにアップされています。

端的に言えば、「討論」というより、すでにこの選挙運動で提出している自らの政策案を説明しつつ「話し合い」をするというものでした。
テーマは、フランスの政治制度や、ヨーロッパ、雇用、教育など。その中で、経済面について、バイルー氏は、記者会見時でも表明したように、民間企業に任せるよりも国家が面倒をみようというロワイヤル候補の方針を批判。その点については意見が分かれましたが、その他の面では、大筋で二人の方向性は一致していたと思われます。意見が異なる点においても緊張感はなく、時折発せられる冗談に場内が沸くなど、終始明るい雰囲気でした。

という大雑把すぎるくらい大雑把な要約ですが、この話し合いの中で最も注目に値するであろう点の一つは、「第6共和制」の提案。
フランスは現在、第5共和制ですが、これはド・ゴールが大統領の権限を拡張させようと第4共和制を修正して再建したもので、バイルー氏とロワイヤル女史は一次選の前から現在の体制に限界がきていることを指摘し、第6共和制への再編成を提案していました。今回の話し合いで改めて強調されたのは、法案の成立や修正については与党が主導権を握っている為、総選挙のたびに与党が変わっては法律が廃案になったり付け加えられたりで不安定なこと、それがフランスの前進を妨げていること、すなわち野党にもっと力を与えるべきであること、また、大統領の権限を抑えて国民議会を重視し、国民参加型の民主主義にするべきことなど。つまい、新しいフランスを目指す、ということでした。

ところで、対立候補のニコラ・サルコジは、この「第6共和制」の提案に反対しています。ド・ゴール主義を自負するサルコジ氏曰く、大統領の権限が制限されるのは「第4共和制」への後戻りだ、とのこと。それは制度の刷新ではなく後退であると主張しています。

さて、討論の最後に、ロワイヤル候補とバイルー氏は、フランス史上初めての試み(決選投票進出の候補者と一次選落選候補者の公開討論)が実現したことに満足の意を表明。バイルー氏は「このように今、新しい動きがあった。これからも事態が変わっていくだろう」と述べ、新しい民主主義への期待を示していました。

バイルー氏との討論を拒否したサルコジ候補は「一次選で決選投票に進むニ候補を国民が選んだ。その国民の意思を尊重せず、落選した第三位の候補者と討論するなら、それは現在の民主主義に反する」と主張。そして、ロワイヤル候補とバイルー氏の討論を、結託の試みであると批判しています。
しかし、ロワイヤル候補がバイルー氏との討論に求めたものは、連合や結託といったものでも、有権者への投票指示でもなかったようです。それは、今まで有権者のいない舞台裏、政界内で行われていた結託のようなものではありませんでした。この点は、討論の前後にロワイヤル自身が強調していました。この討論によって、一次選でフランソワ・バイルーに投票した有権者に、決選投票でどうするべきかを考える指標を与えたかったのだと思います。勿論、ロワイヤル候補側に、根底でバイルー氏との共通点が多くあるという自信があって、この討論で自分に投票すべきだとアピールしたかったのでしょうが。

サルコジ側も、バイルー氏の得た有権者をできるだけ多く回収したいのは同じ。
ニコラ・サルコジと彼の率いるUMPは、今までの選挙で連合してきたUDFの議員に呼びかけています。すなわち、以前、UMPとの連合のおかげで議員の座を得ることができたUDF党員に、大統領選の後に控えている総選挙をちらつかせているのです。マスコミでは、この脅しのような勧誘のような呼びかけを「飴とムチ」と評していました。また、UDFはもともと中道右派であり、バイルー党首が主張するような「右でも左でもない中道」に充分納得させられていない党員の中には、右派であることを自負し、「左派である社会党候補に投票するなど考えられない、右派のサルコジ候補を支持するのが当然」と答えている人もいます。そして、UMPの「飴とムチ」作戦もあってか、UDF所属議員29名のうち20名ほどがサルコジ候補支持を宣言しています。

今回の選挙では、セゴレーヌ・ロワイヤルもニコラ・サルコジも「新しいフランス」を目指すと主張しています。
右と左に分かれた政治勢力図を揺り動かしたと自賛するフランソワ・バイルー、彼と共に第6共和制の提案で一致し、前代未聞の公開討論を実現させたセゴレーヌ・ロワイヤル。そして彼女は、この公開討論によって、政治家間で調整するよりも直接有権者に訴える方を選んだといえるでしょう。それに対して、今までUDFは自党と同じ系列であったしそうであり続けると主張し、第6共和制を「後退」であると却下して、まるで有権者が議員に付属しているかのようにUDF議員を勧誘するニコラ・サルコジ。果たして、どちらが本当に「新しいフランス」に向かっているのでしょうか?
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