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北駅で警察と若者たちが衝突

 2007-03-28
105990250.jpg昨夜(火曜夜)、北駅で警察と若者のグループが衝突、駅構内のショッピング・アーケードに押し入り商品を盗もうとしたり、広告板のガラスを割るなど暴徒化し、事態の沈静化に長時間かかったようです。
日本の新聞をみていないのでわかりませんが、もう報道されているのではないかと思います。

私も昨夜は北駅を通りましたが、乗り換えに使った駅は東駅だったので、この混乱を知りませんでした。うちに帰ってから、ネットのニュースで知ったのですが、その時点ではまだどういった経緯でそこまでの事態に発展したのかがわかりませんでした。わかったことは、地下鉄の検札中、切符を持っていなかった30歳くらいの男性の乗客が捕まり、職員とその男性がもめ始め、それを見ていた他の乗客が間に入ろうとしたところから、次第に状況が悪化しておおごとになった、ということだけでした。

これを聞いてまず思い出したのは、検札官は攻撃的な反応を受けることが多い、ということ。以前、パリの地下鉄についてのルポルタージュTV番組を見たとき、検札職員は身を防御する立ち位置を守りながら乗客と接すること、必ず数名で検札を行うことなどを知りました。無賃乗車がバレたときは、悪いことと知っていながらやっているので後ろめたさがありつつ自らの不正行為を認めなたくないため、また、高額な罰金を払いたくなくて「運が悪かった」と自分の不運を嘆きながら「なんで今こんなところで検札なんかやっているんだ」と相手を呪いたくなるため、過剰なリアクションをしてしまうだろうことは安易に想像がつきます。
しかし、同時に、北駅でたびたび目にする警察による職務質問のことが思い出されました。特にパリと郊外が結ぶRERのホームでは、行き過ぎなように見受けられる場面(ホームのベンチに座って喋っているだけなのに身分証明書提示を求めたり、壁に手をつかせて持ち物検査をしたり)に遭遇することもしばしば。

今回、最初に読んだニュースでは、検札で捕まった男性が職員に乱暴な扱いを受けて手を骨折したらしい、という話もありました。
私自身、北駅は乗り換えに使う回数が多い駅で、その雰囲気は知っていますがあまり良いとはいえません。かといって、特に治安が悪いとは私は思わないのですが(それよりも何よりも清潔感に欠けるという印象)、他の人たちの認識、特に警察官や地下鉄職員の認識では「要警戒地域」なのかもしれません。そういう意識があると、何かトラブルが起こったとき、殊更に強硬姿勢をとってしまうのかもしれない、と思いました。
そしてそういう態度の検札や職務質問を受ける側も、不満や悪いイメージを相手に抱いてしまうのが普通なのでは。

たしかに、無賃乗車という不正行為を犯した乗客が悪いし、破壊された駅構内の様子をみれば、断然若者たちに非があると言えます。

でも、それでも、2005年秋の郊外の問題のときと同じく、「暴れた若者たちが悪い」と断言できない気持ちがあります。
何より、今回は日常的に使っている北駅で起こったことで、このような衝突のニュースを聞いてひどく驚いたわけではなく、「そういうことはありえる」という感じでした。

今日のル・モンドの社説では、パリ19区小学校前の不法滞在者連行の問題と北駅での衝突の問題の根底には通じるものがある、としています。それは、警察と市民の一部の間にある不信と緊張関係を現しているということです。

一般読者からよせられた証言を読むと、北駅の日常の状況の中ですでに警察と一部の利用客の間に良くない雰囲気があったこと、機動隊の数がむやみに多くさらに混乱を招いていたかもしれないこと、携帯電話で連絡をとりあった若者たちが次々に北駅に向かったらしいこと…などがわかります。
この事態とその問題はそれほど単純ではなく、新聞の短い記事でニュースを伝えるときのように、警察=市民をまもる国家機関、若者たち=暴力的挑発者で破壊者、という一面性だけで語ることはできません。

参照:
Le Mondeより

Dérapages
LE MONDE | 28.03.07

© Le Monde.fr

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