ワインの広告とニコラ・サルコジ
以下、ワインに興味あるものとして注意をひかれた記事。

大統領選候補者ニコラ・サルコジが、ロワールのサンセール地方を訪れ、ワインの広告を許可する方針を示しました。

le-candidat---la-presidentielle-nicolas-sarkozy-bob.jpgサルコジ氏は、アルコールを全く飲まないそうで(公の場だけ?)、これまでは酒倉見学でも味見を断ってきたとのこと。今回は、生産者や地元議員らによって準備された試飲会で二口ほど飲んだそうです。

フランスでは、アルコール関係の広告に厳しい制限があります。1991年のエヴァン法によって、テレビと映画館でのアルコール商品の広告は一切禁止。また、若年層向けの雑誌、未成年が聞くラジオ番組での広告も禁止されています。その他、広告が認められている範囲でも、必ず警告文を添えなければいけません。
ワインについては、更に広告しにくい状況になっているらしい。地方特産としてはいいが、地方銘柄で広告してはいけない…ということなのですが、よくわかりません。ワインの地方銘柄が一般地理的呼称と違うことが関係しているのかな?

この法律は、国民の健康に関する議論から出てきたもの(なので、アルコールに限らずタバコに関する法でもあります)。特にアルコール中毒への対処を主眼とした法ですが、議論の中ではアルコール過剰摂取による病気、アルコール摂取後の運転による交通事故なども問題にされたようです。

その甲斐あってか?フランスの飲酒率は減っており、「食事には必ずワイン」という観念は(特に若者の間で)すたれてきています。
また、近年、ニューワールドのワイン、すなわちカリフォルニアや南米、オーストラリアのワインが市場を占める割合が増えてきており、フランスワインは低迷気味。
そんな状況の中、フランスのワイン生産者としては、宣伝することができればもうちょっと市場が広がるのでは、と考えるところでしょう。

サルコジ氏は「ワインはドラッグではない。ワインをタバコや薬物と混同するのは間違いだ」とワインを擁護。更に「ワイン用ぶどう栽培は、単に経済的活動ではなく、フランスの伝統、個性、技能である」とし、ワインの文化属性や、生産者の労働の成果としてのワインという面も強調。「節度あるものあれば、ワイン消費についての広告を認める」という立場を明らかにしました。

参照:
Yahoo Franceより

「Sarkozy fait les yeux doux aux viticulteurs」(AP)
Le Mondeより

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【2007/02/27】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
春のあしおと
先週初め、あたたかく天気の良い日、クロッカスが咲きました。

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もう春?って感じで、草木も目覚め始めたようです。ブルー・ベリーが芽吹いていました。

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【2007/02/26】 | horticulture 〜園芸〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
「陳腐な悪」、アンティゴネ
モーリス・パポンが昨日(21日)、友人や家族に見守られ、埋葬されました。ヴュイユマン弁護士は、約束どおりにレジオン・ドヌール勲章をモーリス・パポンと共に棺に入れたそうです。「ド・ゴール将軍の手から贈られたレジオン・ドヌール三等勲章は、モーリス・パポンの霊を永遠に見守る」と述べています。
式に参列した人々の中には、レジスタンス勲章受勲者連盟の代表であるオリヴィエ・ド・サルネッツ(フランソワ・バイルーの右腕であるマリエル・ド・サルネッツの父)の姿も。彼は「個人的に」参列したそうですが、モーリス・パポンの有罪判決は「ゆるしがたく」「馬鹿げている」とみなしており、「ドレフュス大尉の有罪判決と同じくらいの醜聞」と述べています。なぜなら「モーリス・パポンは常に共和国に敬意を表し、対独協力に参与するなど絶対になかった」から、とのこと。
モーリス・パポンが埋葬された墓地では、警察による警備があり、特にトラブルはありませんでしたが、入り口付近では、「レジオン・ド・デゾヌール(『不名誉軍人』の意味。ちなみにレジオン・ドヌールは『名誉軍人』)」と書かれた黄色い星を胸につけた人や、「この名簿の中には、96歳でベッドの中で死ぬことを望んだだろう人が沢山いる」として強制収容所へ送られたフランスのユダヤ人名簿を掲げた人などが、自らの感情を表明。
ヴュイユマン弁護士は、埋葬を終えて墓地を出たところでブーイングを受けていました。

参照:
Yahoo Franceより

「Maurice Papon a ete inhume en Seine-et-Marne avec sa Legion d'honneur」
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【2007/02/22】 | essai de mon point de vue 〜私見試論〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
モーリス・パポンの死
2月17日土曜の午後、モーリス・パポンが死去。96歳。心臓が悪く、2月8日から入院していました。

20070221020253.jpgモーリス・パポンは、先日亡くなったピエール神父と別の意味で、フランス人で知らない人はいないと思われるくらい有名。
彼はフランスで唯一、第二次世界大戦中にユダヤ人を強制収容所へ送ったことで「人道に対する罪」に問われた元役人。この罪に対する訴訟手続きは大変な長期に渡り、裁判が始まった後の1990年代後半は、有罪判決、国外逃亡、拘置、病気を理由にした釈放、レジオン・ドヌール勲章に対する罰金など、フランスを騒がせました。

モーリス・パポンは、1910年9月3日、セーヌ・エ・マルヌ県のグレッツ・アルマンヴィリエ生まれ。パリで法学、心理学、社会学などを修め、後に高官となりました。第二次世界大戦中、ヴィシー政権の内務省に入り、1942年にジロンド県警察庁の長官に任命されてユダヤ人問題を担当。ナチス占領軍から、真面目で信頼できる役人と評価されていたようです。他方、レジスタンスと接触、200人の名前をユダヤ人名簿から消去したと主張しています。フランス解放後、昇進を続け、1958年にはパリの警視総監に。1961年7月、ド・ゴール将軍からレジオン・ドヌール勲章を受けました。同年10月17日、パリでアルジェリアFLN(国民解放戦線)によるデモがあり、暴力をもってこれを鎮圧。警視総監の座を退いた後、1968年には、スュッド-アヴィアシオン(現アエロスパシアル)の社長となり、政治家活動を開始。ド・ゴール派としてシェール県議員に三度当選しています。1978年、レイモン・バール首相の率いる政府に予算相として入閣。1981年にフランソワ・ミッテランが大統領になるまで、国家予算を担当していました。
これだけの華やかな経歴で内閣までのぼりつめたモーリス・パポンですが、ナチス占領下でユダヤ人を強制収容所へ送る役目を担っていたとカナール・アンシェネ紙が暴露したことから、犠牲者の家族に訴えられました。しかし、この訴訟手続きには膨大な時間がかかり、起訴から裁判開始まで17年近くを費やしました。1997年の末、ようやくボルドーの重罪院(裁判所)に出頭。しかし法廷審問が始まってすぐ、健康上の理由で釈放されています。この裁判は今までにないほどの長期裁判となり、6ヶ月かかった後、1998年4月、「人道に対する罪への共謀」で有罪判決が下され、10年の禁錮刑に。しかし、モーリス・パポンは上告したため、すぐには拘置されませんでした。1999年10月、上告検分の前日、拘置されなければなりませんでしたが、出頭せずに国外へ逃亡。上告権利を失い、逃亡先のスイスから送還されたモーリス・パポンは刑務所へ。病気を理由に、3年の服役後、2002年9月に釈放されました。
2003年11月、ル・ポワン誌にレジオン・ドヌール勲章をつけたモーリス・パポンの写真が掲載されましたが、4年前に溯る有罪判決以来、勲位剥奪の身にあったため、違法であるとして2500ユーロの罰金刑に。

今週の水曜日か木曜日に埋葬されるだろうということですが、彼の弁護士がレジオン・ドヌール勲章を一緒に埋葬すると発表したことから、論争を呼んでいます。
レジオン・ドヌール勲位局総裁であるジャン-ピエール・ケルシュによれば、1998年の有罪判決によって、モーリス・パポンは自動的に勲位を剥奪されており、「レジオン・ドヌール受勲者から永久に除名されている」とのこと。しかし、フランシス・ヴュイユマン弁護士は、「勲章を身につけることが違法なのは、公的な場所に限ってのことです。棺は最も私的な空間であるし、遺体はもう法律に関わる主体ではない。だから違法行為はありません」と主張。
他方、左右を問わず政治家たちから強い批判が出ています。ユダヤ人犠牲者の家族に対する侮辱であるという意見が多いようです。
LOのアルレット・ラグィエは、ユダヤ人の強制収容所送還だけでなく、「一体何名が犠牲になったのかもわからない、1961年10月17日のパリでのデモにおけるアルジェリア人の虐殺」と「1962年2月のシャロンヌ駅での9名の共産党員の死」についても責任がある、と非難。
強制収容所送りになったユダヤ人の子供たちを代表する弁護士、セルジュ・クラルスフェルドは、「幸運にもパポンは、裁かれ、有罪となり、刑務所へ行くのに充分なほど生きのびた」と述べています。

参照:
Yahoo Franceより

「Maurice Papon, un fonctionnaire modele rattrapé par son passe vichyste (AP)
「L'UMP et le PS s'opposent a ce que Papon soit enterra avec sa Legion d'honneur」(AFP)
「Le dernier defi de Maurice Papon aux autorites(Reuters)
【2007/02/21】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
マルディ・グラ
今日はマルディ・グラです。フランス語で「マルディ(Mardi)」は「火曜日」、「グラ(gras)」は「肥えた」を意味します。この日が謝肉祭、すなわちカーニヴァル(フランス語ではカルナヴァル)の最後の日。
世界の色々なところでカーニヴァルがあり、リオのカーニヴァルは日本でも有名ですね。フランスでも各地でイベントがありますが、特にニースのカーニヴァルが有名。大きな人形のパレードがあり、マルディ・グラにこの人形を燃やすのだそうです。最後の日のイベントは見たことがないけれど、カーニヴァルの時期にニースの近くの語学学校に滞在したことがあり、「花合戦」と呼ばれるパレードを見物したことがあります。この季節に咲き乱れる黄色いミモザの花をたわわにつけた小枝が、各地でミスに選ばれた美しい女性の手から観客に投げられるという、南仏らしく華麗なパレードでした。ああ〜南仏の青空が恋しい。ニース行きたい。

このマルディ・グラの日、たしかイギリス、イタリアもだったか、パン・ケーキを食べると聞いたことがあります。調べてみたら、日本語版ウィキペディアの「謝肉祭」の項目にも記述がありました。
フランスではクレープを食べる、ということになっています。日本でフランス語を習っていたとき、パリの騒音に嫌気がさして田舎に引っ越したマルタンさんが、オベリクス(フランスの人気マンガの主人公)の仮装をしてマルディ・グラのパレードに参加する…というエピソードが教科書に盛り込まれていて、そこでマルディ・グラにクレープを食べると教わった記憶が。クレープの作り方も教科書に載っていました。

しかし、厳密にいうと、クレープは2月2日、キリスト奉献の祝日に食べるもので、マルディ・グラにはベニエと呼ばれる揚げ菓子を食べるのだそうです。

先週、太極拳のレッスンに行ったら、「ちょっと早いけど、バカンスに入る前に」と言ってベニエを作ってきてくれたマダムがいました。「昔はおばあちゃんが作ってくれたもんよ。最近はあんまり作る人がいないみたいだけどね」とのこと。ドーナツのようにふわふわというわけではく、カリっとしている。そんなに甘くない。でも、粉砂糖がかかっていて、素朴でなんとなく懐かしい味。
そういえば、カーニヴァル時期に行ったニースの学校ではベニエを食べさせてくれたっけ。あれは南仏だけなのだと思っていました。

でも、やっぱりクレープの方が一般的みたい。今日もスーパーに買い物に行ったら、クレープ用のフライパンや、クレープ焼き電気プレートが並んでいました。

最近、日本でも紹介されているようですが、一月のガレット・デ・ロワというお菓子も伝統的。風習にならってお菓子を食べるというのは季節を感じていいなー、と思います。…っていうか、単に食いしん坊なだけ?
【2007/02/20】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
「第三の男」が一番に
世論はニコラ・サルコジとセゴレーヌ・ロワイヤルの二極化で形成されつつありましたが、ちょっと風向きが変わってきました。
ロワイヤル人気にかげりが出始め、先週の世論調査ではサルコジ氏の支持率が55%でトップに。ロワイヤル女史との差は10ポイントと水を開けています。
セゴレーヌ・ロワイヤルは2月11日に党大会を開き、提案する政策の詳細を発表しましたが、その直後に経済政策案を練り上げるのに協力していたエリック・ベッソンが選挙運動から身を引くと発表し、党内部の亀裂問題が浮上していると囁かれてました。エリック・ベッソンと社会党書記長のフランソワ・オランドの間に激しい口論があったとも言われています。こうしたニュースがロワイヤル人気低下に影響した可能性はあります。なお、ベッソン氏は、不和があったとする噂を否定しており、選挙運動委員を辞任する理由は水曜日(21日)か木曜日(22日)に発表する予定。

さて、支持率低下中のセゴレーヌ・ロワイヤルと自信に満ち満ちてきたニコラ・サルコジの間をすり抜けて出てきたのが、「第三の男」。
二大政党ばかりに報道が集中する中、2002年の大統領選のように「第三の男」が出てくるのでは?とも言われており、それが前回フランスを驚かせたジャン-マリー・ル・ペンか、と危惧する人も多かったのですが、最近、別の「第三の男」が。それは中道右派のフランソワ・バイルー。

bayrou.jpg現実的な堅実さで地道に選挙運動をしているバイルー氏は、「元来社会党を支持しているがセゴレーヌ・ロワイヤルを支持しない」という中道左派の有権者層を獲得しつつあるようです。(アラン・デュアメルがいい例だし、その他にもそういう報道がありました。)
世論調査でも支持率を着々とのばしてきていたフランソワ・バイルーですが、今日発表された世論調査では、二次選の相手がニコラ・サルコジだろうがセゴレーヌ・ロワイヤルだろうが、彼が得票数で上回る、という結果が出ました。対サルコジ候補で52%、対ロワイヤル候補で54%の得票予想。
すげー!とうとうここまできたか!…という感じ(個人的には)。

フランソワ・バイルーは、先日、もし自分が大統領になったら「前史的な」左右分裂を乗り越えて左右を融合した内閣を形成したい、と述べました。更に、ラジオ局RMCとRFMのインタビューで、首相に左派の政治家を起用する考えがあることを暗示。
バイルー氏は、現社会統合相のジャン-ルイ・ボルローについてどう思うか訊かれ、「評価している」と答えていますが、社会党所属で元経済相のドミニク・ストロス-カーンについても同じ答えだったとか。

自らの立候補を取り下げてセゴレーヌ・ロワイヤルの後援にまわったジャン-ピエール・シュヴェヌマンは、バイルー氏のこうした発言について「動揺させるための策略」であるという意見。また、ロワイヤル候補の選挙運動を指揮するジャン-ルイ・ビアンコは、バイルー氏が今まで常に右派と組んできたことを指摘。
たしかにそうです。ガチガチに右派な現内閣にも、UDF所属の教育相がいるし。(っていうか、現内閣編成のとき、UDFは軽視されてバイルー氏が怒ってUMPに反目、っていうのもあるけど。)UMP内閣によって提出された法案の国会決議で、UDFの議員は棄権も多かったけど、たいていは賛成に投票してたのでは。

しかしですねえ、二次選でフランソワ・バイルーが勝つという結果を出したのと同じ世論調査で、一次選の結果予想はというと、ニコラ・サルコジがトップで32%、次がセゴレーヌ・ロワイヤルで25,5%。フランソワ・バイルーは16%で三番目。(ちなみに4番目はジャン-マリー・ル・ペンで11%。)…って、これじゃあフランソワ・バイルーは二次選に出れないんじゃん!二次選で過半数を得るという調査結果も意味がないような…。

参照:
Yahoo Franceより

「Au 2e tour, Bayrou gagnerait face a Sarkozy ou Royal, selon Ifop」(Reuters)
「Bayrou veut sortir "de l'affrontrement prehistorique gauche-droite"」(AFP)
Le Mondeより

【2007/02/19】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
あるジャーナリストの一時停職処分
政治関係ジャーナリストで有名なアラン・デュアメルが、大統領選を前に、メディアから身をひくことに。

duhamel.jpgアラン・デュアメルは、昨年11月にパリ政治学院の生徒を前にした講演会で「フランソワ・バイルーに投票したい」と述べたそうで、その模様が先日インターネット上で公開されると、ラジオ局RTLと国営TV放送フランステレヴィジョンから、大統領選が終わるまで停職するよう言い渡されました。RTLではレギュラー出演している番組があり、またフランステレヴィジョンには政治家へのインタビューなどで頻繁に出演しています。
フランステレヴィジョンは、特に国営放送であるため、局が流す番組の政治的意見の中立性を保ちたいとのこと。デュアメル氏に一時停職を求めた日の夜、フランス2では政治討論番組の生放送がプログラムに組み込まれており、フランソワ・バイルーがそれに招かれていました。アラン・デュアメルもバイルー氏へのインタビュアーとして出演が予定されていましたが、急遽中止に。

この停職処分に、多くの人が不満や反感を表明しています。「アラン・デュアメルだって一人の人間なんだから、彼なりの意見があって当然」という声も。また、メディアの報道中立性など偽善だ、と考えている人も少なくないようです。そうした意見は、メディアは一般意見を二大政党にしぼろうとしている傾向は明白だと感じるためでしょう。

こうした意見は、フランソワ・バイルー自身が述べています。
20070218205145.jpgフランソワ・バイルーは、「ジャーナリストの表現の自由と客観性を擁護する」として、アラン・デュアメルの停職処分を批判。「アラン・デュアメルが他の候補者の名を挙げていたら、それに対する反応は少なかったのではないか」という皮肉も。
また、デュアメル氏の発言はパリ政治学院の生徒に向けた限られた場におけるものであったし、個人的な意見を述べただけ、と擁護。ジャーナリストといえど一人の市民。その人の意見があると期待するのが普通の見方ではないか、との考え。しかも、その発言のあった昨年11月、バイルー氏はまだ大統領選候補者として公式に名乗りをあげていなかった時期。「アラン・デュアメルは(2005年5月に行われた)ヨーロッパ(憲法に関する)国民投票について批判を表明しようとしていた」のであり、バイルー氏に対する「批判をやわらげるために」「『(フランソワ・バイルーに)好感をもっている、彼に投票するつもりだ』と言ったのだ」と解説。また、フランソワ・バイルーは、インタビューの相手に対して「媚びを売るなどこれっぽっちもなかった」「誠実なジャーナリスト」と、デュアメル氏を評価。

ところで、問題を巻き起こした映像は、どうやら公式な撮影ではなく、その場に参加した誰かが個人的に撮ったものらしい。当のアラン・デュアメルも、撮影されていたとは全く知らなかったと言っています。フランソワ・バイルーが党首を務めるUDFの党員が、有名な政治専門ジャーナリストの支持を得たことを誇りに思って、この映像をインターネット上に公開した、ということのようです。ネットにのせたUDF党員たちは、まさかこんな事態に発展するとは思っていなかったでしょう。

アラン・デュアメル本人は、「学生達の前でああいうことを言うべきでなかった」と後悔しているようです。しかし「自分の頭の中では、ヨーロッパのことに関しては彼に投票したいという意味だった」と弁明。一言でいうと「あの発言をして、それに対して代償を支払う。それは法外な値段についた。」
また、デュアメル氏は「個人的な発言が公的な場に持ち込まれた」ことにショックを受けたとし、インターネットが「自由をもたらすもの」であると同時に「途方もないショック効果」を生む為「全体主義的」であると感じたそうです。

参照:
Yahoo Franceより
「Alain Duhamel prive d'antenne à France Televisions pour son soutien à Bayrou」(AFP)

Le Mondeより




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【2007/02/18】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ガス台交換顛末記
昨日今日と、気持ちの良い天気。散歩に行ったら、通りかかった公園で、梅に似た小さな薄ピンクの花がたくさん咲いていた。日ものびてきたし、そぞろ歩きの家族連れも多く、明るい春の訪れを感じます。

話はがらっとかわって、春とはあんまり関係ない話。

週の初め、うちのガス台を交換する予定になっていた。
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【2007/02/18】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
デモ二つ 〜遠い異国からの照射〜
先日行われたデモを二つご紹介。

まず、大阪の路上生活者のテント強制撤去に抗議するデモがパリで。参加者数は少なかったようですが、大阪の人も異国からの抗議に驚いた様子。
産経新聞で取り上げられています↓
「大阪・長居公園のテント強制撤去にパリで抗議行動」
以前、何度か触れた「ドン・キホーテの子供たち」の活動やピエール神父の呼びかけにシンパシーを感じる人が多いフランス社会に馴染んだ身としては、日本の路上生活者の増加傾向に対してなんら策を講じようとしない国家の無関心に、時に愕然とさせられる。

もう一つ、トラカレさん経由で知った革命的非モテ同盟・バレンタイン粉砕デモ。笑った。

ところで、日本だとバレンタインは、女性から男性へチョコレートを贈って恋心を告白する、または改めて愛情を伝える、という習慣ですが、フランスではこれが「女→男」の一方通行ではなく…というか、どちからというと男性が女性にプレゼントをします。花屋やアクセサリー売り場に、慌ててプレゼントを買いにつめかけた男性たちが行列を作っている光景は、なかなか珍しくもキモイ…いやいや、なかなかいじらしい、と思ったりします。
ちなみにうちでは、それが純粋に商業主義的活動になったという口実のもと、バレンタインデーは存在しません。
けなげにチョコレートを作ったり、授業さぼってチョコレートを買いに行ったりした高校生の頃が懐かしい(笑)。
【2007/02/14】 | journal perso 〜個人的日記〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ニコラ・サルコジにまつわるいくつかのニュースのその後
先日お伝えした「ニコラ・サルコジにまつわるいくつかのニュース」について、その後、サルコジ氏につきまとう疑惑を晴らすニュースが。

h_4_ill_865443_thomas_hollande.jpgサルコジJr.のスクーター盗難事件で犯人の断定にDNA鑑定を行ったことから、社会党やUDFから「警察は内相のためにあるのではない」といった非難の声が上がっていました。が、実はそれより以前の2003年11月、社会党書記長のフランソワ・オランドと大統領選社会党候補のセゴレーヌ・ロワイヤルの息子、トマ君のスクーターも盗難にあい、容疑者断定のためにDNA鑑定が用いられていたそうです。そのうえ、普段は殺人や銀行強盗などの事件の捜査をしているパリ警察の一チームが、この盗難の解決に当てられたとのこと。しかし、サルコジ氏の息子の場合と違い、それでもスクーターは見つからなかったそうです。

この件について、最初、ル・モンドがロイター通信から伝えた記事を読み(多分手を加えていないと思われ)、それから読者の反応をうかがっていると、「盗まれたスクーターが見つかっていないのに、なんでDNA鑑定ができるのか?」というコメントがあり、「うーん、たしかに…」と考えさせられました。DNA鑑定って、犯人が残した毛髪とか唾液から行われるんですよね?スクーターがあった場所に、容疑者のものと断定できるようなDNA鑑定可能な形跡があったんだろうか?路上ならそれは難しいような…。それに、容疑者が捕まっていないんだったら、DNA検査をしても仕方ないんじゃないのか?

で、ル・フィガロを読んで納得(アナログ版とWEB版では記事が若干違いますが、私が読んだのは前者。でも、一応、すぐに切れそうなWEB版リンクを下に貼っておきます)。それによると、トマ・オランドは、パリ11区で、とめてあった自分のスクーターに乗ろうとしたところを若者グループに襲われ、スクーターをもっていかれてしまったのだそう。呆然とした彼はお父さんに伴われて警察に行き、手続きをとったとのこと。
それならば、犯人が被害者を襲ったときに何かDNA鑑定可能なものを残していったと考えらるので納得できます。それにWEB版には書いてないけれど、容疑者と思われる何人かとガラス越しに対面したトマ君はそのうちの一人に見覚えがあると言い、警察が捜査を続けたものの、その容疑者が持っていたバイクのキーはトマ君のスクーターのものではなく、結局、スクーターも犯人も見つからなかったらしい。

そういうわけで、「スクーター盗難事件にDNA鑑定」というのも、サルコジ内相の家族だけ特別ってわけではなかったようです。
ル・フィガロの記事の最後のところに書いてあるのですが、政治家や歌手、俳優、大企業の社長といった人たちの家族に関しては、こうした大捜査がよく行われているそうです。じゃ、やっぱり、一般市民の盗難事件にここまでやってくれるわけじゃないってことで、UDF党首のフランソワ・バイルーが「この国には不平等がある」ともらした不満は正しいわけね。

さて、もうひとつ、公開討論番組について。
大統領選に向けてTF1で始まった公開討論番組が、ラファラン前首相の側近だったドミニク・アンビエルとニコラ・サルコジのコミュニケーション顧問であるフランク・タピロによって準備されたものとカナール・アンシェネ紙が報じたことから、フランソワ・バイルーは驚きを表明するとと共に番組出演を断る可能性を示唆しました。
ル・モンドによると、アンビエル氏はタピロ氏との協同によって番組を準備したとする報道を否定。アンビエル氏は、内閣から離れて以来ニコラ・サルコジとの関係があまり良くないうえに、彼の会社は単に番組の製作に携わっているだけで、編集の権利はTF1にある、と説明しています。
結局、アンビエル氏と電話で会談したバイルー候補は、26日の出演を承諾。

一方、フランソワ・バイルーは、独自に調査も進めた様子。ニコラ・サルコジの回に参加したフレデリック・ポワトゥさんに電話し、直接話を聞いたらしい。物真似芸人ジェラール・ダアンによる冗談かと思いきや本物のフランソワ・バイルーからの電話に、ポワトゥ氏は「ニコラ・サルコジは本当に、私たちが質問しようとしていた内容について知らなかったと思う」と正直に答えたそうです。ある質問者の職業についてサルコジ氏が知っていたことについては、「何も不思議なことはないですよ、ちょうどサルコジ氏の目の前にあったモニターに質問者の職業名が出ていたんですから!」とのこと。

この番組に参加した一般市民の質問者は拘束時間が長く、地方から来た人はホテルに一時カンヅメ状態だったらしい。それも質問内容や政治指向などが他にもれないため、という注意からだったと思われます。

TF1報道責任者のロベール・ナミアによると、第一回目のゲストがニコラ・サルコジになったのも、セゴレーヌ・ロワイヤルとどちらかくじ引きで当った方を一回目に呼ぶつもりでいたところ、ロワイヤル女史が2月後半の方がいいと言ったので、とのこと。

しかし、ニコラ・サルコジとセゴレーヌ・ロワイヤルは、一人で一回放送分を受け持たせてもらえるのに(サルコジ氏は2時間近く出演)、ジャン-マリー・ル・ペンとマリー-ジョルジュ・ビュッフェとフィリップ・ド・ヴィリエとオリヴィエ・ブザンスノは4人で一回だけ、一人約30分…ってのは、やっぱり不平等なのではありませんか?たしか、以前フランソワ・バイルーがメディアは二大政党だけをクローズ・アップしていて不公平と抗議したとき、TF1とPPDAは「各候補者に同じ発言時間を与える討論番組をやる」と答えたはずなんだけど…?

参照:
Le Figaroより

「Les grands moyens aussi pour le scooter du fils Hollande」
Le Mondeより



【2007/02/12】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
シャルリー・エブドのムハマンド風刺画と表現の自由
2月7日、8日の二日間にわたって、ムハマンドの風刺画に関する裁判が行われました。
「一定の宗教に帰属している人々に対する侮辱」、ひらたくいうと人種・宗教差別のかどで、フランス・イスラム団体連盟、パリ回教大寺院、世界イスラム連盟に起訴されたのは、週刊紙シャルリー・エブド。同紙が掲載した三つの風刺画について争われました。
三つの風刺画のうち二つは、昨年、デンマークのユランド・ポステンに掲載されて物議をかもしたもの。一つは、ムハマンドが両手を広げて「ストップ!処女はストック切れだよ!」とテロリストを押しとどめているもの、もう一つはムハマンドがターバンに爆弾を巻いているもの。1444634575.jpgそして三つ目は、フランスの風刺画家カブが書いたもので、昨年2月、シャルリー・エブドの表紙を飾ったもの。「原理主義者にお手上げのムハマンド」というタイトルの下に、両手で顔を覆いながら「アホどもに愛されるのは辛い」と泣いているムハマンド、という風刺画でした。

起訴したイスラム関係者側は、これらの風刺画によってイスラム教徒のすべてがテロリストと同一視されたと非難。

これに対して、風刺画を描いたカブ氏は、タイトルを見れば「アホども」が原理主義者を意味していることはわかってもらえると思うし、決してイスラム教徒一般をさしたものではない、と述べています。
また、シャルリー・エブドの編集長、フィリップ・ヴァルは、フランスにおける表現の自由は何ものにも替え難い共和国の価値だと主張。「もしテロリストのイデオロギーについて風刺できなくなったら、恐怖に打ち勝つための笑いさえない無力な市民が自己防衛するためには何が残るというのか?」と記者団に述べ、この裁判を「中世の裁判」としています。

昨日のル・モンドにも、「別時代の裁判」と題した社説が。
昨年、デンマークから始まったムハマンド風刺画事件がフランスでも論争を巻き起こしたとき、ほとんど全ての新聞は「表現の自由」の擁護を訴えました。

「表現の自由」の尊さは、一般市民の間でも共有されているようで、この裁判に関するル・モンドWEB版の読者アンケートでは、「表現の自由と宗教を公の場で批判する権利を擁護する裁判となるべき」という答えが約83%と大半。「テロリストと同一視されたことで傷ついたスリム信者を擁護する裁判となるべき」という答え(9%)を大きく上回っています。

070208123401.3ydipvsg2_l-edition-speciale-de-charlie-hebdo-du-7-fevrier-2b.jpgシャルリー・エブドは裁判初日の7日、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の司祭が「シャルリー・エブドを覆い隠せ!」と叫んでいる風刺画を表紙にした「裁判スペシャル」を発行。

今回の裁判には、社会党書記長のフランソワ・オランド、UDF党首フランソワ・バイルーが、シャルリー・エブドの弁護人として出席。
また、裁判が始まって間もなく、ニコラ・サルコジからシャルリー・エブドを支持する旨の手紙が弁護士に読み上げられたそうで、これにはイスラム教関係者側がかなり動揺した様子。
というのは、私は知らなかったのですが、ニコラ・サルコジは内相でありつつ宗教相(?)だそうで、その立場にある人物がこういう裁判でどちらかを支持する声明を出すのは中立性を欠いている、として、憤慨した人もいるようです。
フランス・イスラム評議会の一部のメンバーは、「裁判が政治化されている」として政治家の介入を非難。
ニコラ・サルコジは、フランス・イスラム評議会議長のダリル・ブバクールに、大統領選候補者としての声明であり一大臣としてではない、と釈明したとか。

その他、弁護側証人に立ったのは、哲学者のエリザベット・バダンテール、週刊誌エクスプレス元編集長のドゥニ・ジャンバール、コメディアンのデュードネなど。また、ジャーナリストのモハメド・シファウイは、イスラムと暴力を結びつけ始めたのは、西欧の新聞や雑誌ではなく、ムスリム原理主義者であると主張。コーランの数節とカラシニコフ銃を関連付けたサラフィストなどを例にとり、原告側に向かって「ムスリムはまずこれに対抗するべきだ」と述べました。

検事代理人アンヌ・ド・フォンテットは、風刺画が表現の自由の所轄にあり、ムスリムという宗教ではなく原理主義を非難したものであると判断。シャルリー・エブドは無罪放免となりました。判決は3月15日に公表予定。

ところで、この裁判のニュースの間、2006年2月に問題の風刺画がシャルリー・エブドに掲載された際、シラク大統領が「明らかに挑発的」と批判したことが想起されています。シャルリー・エブドが司法によって全く罪に問われなかったことは、シラク大統領の国民に対する影響力がかなり衰えてきていることを反映しているような…。

参照:
Yahoo Franceより

「Charlie Hebdo devant la justice pour les caricatures de Mahomet」(Reuters)
「Charlie Hebdo raille le "proces medieval" des dessins de Mahomet」(Reuters)
「Caricatures: le CFCM deplore la politisation du proces」(Reuters)
Le Mondeより

Procès d'un autre âge
LE MONDE | 07.02.07

© Le Monde.fr




【2007/02/09】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ニコラ・サルコジにまつわるいくつかのニュース
ニコラ・サルコジが警察を指揮する内相に留まっていることで、色々と問題があがっています。

大分前(先月)になりますが、サルコジ氏の息子がスクーターを盗まれ、それがパリ郊外で発見された際、容疑者のDNA鑑定が行われ、「やりすぎ」という非難が。二輪車盗難でDNA鑑定ってフツーするかね?
この月曜から始まった大統領選前の公開討論番組(民放TV局TF1)で、これについてニコラ・サルコジに直接質問をぶつけた若者がいたけれど、内相は華麗にスルーしたらしい。

ちなみにこの公開討論番組では、参加者の質問は前もってわからないようになっているという話でしたが、いきなり最初の質問者にPPDAが「喫煙者の○○さんが質問したいようです」なんてふっちゃってびっくり。私は続きを見なかったのですが、翌日の新聞によると、「本当は予め質問を伝えているのでは?」と疑いたくなるやりとりがたまにあったようです。
実は番組制作会社が質問を事前に回収しているとか、この制作会社がラファラン前首相のメディア顧問でサルコジ氏を支持している人の所有とかいう話も。26日にこの番組に出演予定のフランソワ・バイルーは、これにショックを受け、出演を拒否するかどうか思案中。

さて、ニコラ・サルコジの選挙運動本部がパリ10区に据えられたのですが、この周辺に警察が増え、住民の日常生活に影響が出ているようです(本部のあるアンジャン通りのアンチ・サルコ住民がブログを立ち上げています)。パトカーが止まっているのでなかなか駐車できないとか、サルコジ候補を乗せた車が一方通行を逆走するため一時通行止めになったとか、カフェやレストランの集客がめっきり減ったとか。それに、身分証明書や滞在許可証の提示を求められることが多く、カフェで闇労働をしていた人が何人か辞めていったとか。しかも、選挙運動本部周辺の住民たちについて総合情報局が身辺調査を行っていたという噂もあり。

総合情報局といえば、セゴレーヌ・ロワイヤルの環境顧問であるブリューノ・ルベルが偵察されていたらしく、個人のプライバシー侵害で起訴していることをすでに取り上げましたが、その予審が始まりました。
他にも、ロワイヤル&オランド・カップルの固定資産について、総合情報局が調査していたという噂も。
これらの件で社会党から糾弾の声があがりましたが、ニコラ・サルコジが総合情報局に調査を指示したという証拠をつかむのは難しいだろうということです。
しかし、ニコラ・サルコジが内相という立場を利用しているという非難は全く根拠がないわけではない。ル・モンドの記事によれば、「実際、2005年6月に内相の座に復帰したことで、疑惑を誘う条件を作ったのは彼である。近親の顧問たちの間でも満場一致で賛成しなかった決断を説明するのに、サルコジ氏は、来る選挙運動の間に自分に対する策略やロー・ブローを未然に防ぐ為、警察の指揮にあたった方がいいだろうと主張したのだ」という。あああ、最初からそういう計算があったのかー。

話は戻って、サルコジ候補選挙運動本部のあるアンジャン通りに関するニュース。先日(2月5日)、アンジャン通りにあるクルド文化センターが早朝6時、突然のガサ入れにあいました。テロリストに資金援助している疑いから家宅捜索された模様。センターの人たちは、自分達がいない間に好き勝手に荒らされた、と怒りを隠せない様子。
前述のアンジャン通り住人のブログによれば、この家宅捜索後、サルコジ候補選挙委員の人がクルド文化センターの人と「親交を深める」ためお茶を飲んでいる映像がサルコジ応援サイトで配信されているそうです。が、ブログを主催している「Comite RENTRE CHEZ TOI(うちへ帰れ委員会)」は、この映像が全くのでっちあげであるとしています。

参照:
Yahoo Franceより

「14 Kurdes interpellés dans un dossier de financement du terrorisme」(AFP)
Le Mondeより
【2007/02/08】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
グリュックスマンへの手紙
先日紹介したグリュックスマンのサルコジ支持宣言に対するお手紙(?)。


書いた人はジャン-マリー・ラクラヴティヌという作家。
私はフランス文学って新旧通して全く無知だし、この人、知りませんでした。でも、読者からのコメントを見たら「この人、誰?」っていうのが結構あったので、フランス人にもあまり知られていないのかも。調べてみたら、「赤と白」というワインにまつわる短編集を書いている。面白そうなので読んでみたい。日本語には訳されてなさそう?

ま、書いた人が無名だろうが有名だろうがどうでもいいのですが(逆に、無名だからって、「『大物』グリュックスマンに『小物』が背伸びして対抗しようとしている」という批判的コメントは全くの愚蒙)、中身はなかなかスパスパっとした切れ味、小気味良い。読者からのコメントにも賞賛の声が多かったです。

ところで、先日、グリュックスマンがイラクのことに触れてないと書きましたが、リベラシオンの記事では、イラク介入支持に触れるのを避けたとみられていました。実際、グリュックスマンはアメリカのイラク介入に賛成の立場であったし、それに反対する意見が多い一般市民の反感をおそれたのか。そのグリュックスマンがサルコジを支持するということを、ブッシュ政治への共感という共通項に絡めた見方が、グリュックスマン自身の記事に対しても今回の記事に対しても、読者コメントの中に目立ちました。

ついでに、グリュックスマンの「旧『新』哲学者」仲間、ベルナール-アンリ・レヴィがアルメニア虐殺に関する法律について書いた記事。
私は三分の一ほどしか読んでいません。つーか、面白くないし。自分の考え方と全く一致しないっていうのもありますが。一行目で「ダメだこりゃ」って思いました。
別にこの記事の一読をオススメするわけではないですが、じゃあなんでリンク貼ってるかっていうと、一応有名な「旧『新』哲学者」の記事なので興味ひかれる人がいるかもっていうことと、「だから何?」っていう主観的視点の提示の一つとして。この人、なんで今ももてはやされるのかわからん。ま、彼の論拠が正当で素晴らしいと感じる人もいるらしいのだが。

ついでにもう一人、「旧『新』哲学者」でいつまでも世間にもてはやされている…というより、騒ぎのネタをまいている、アラン・フィンケルクロートの記事。
社会党に非常に失望しているらしく、投票するとしたらフランソワ・バイルーかニコラサルコジ、もしかしたらドミニック・ヴォワネ、で、本当はニコラ・ユロが一番よかったんだけどって言ってます。ニコラ・ユロかい。それは意外だった。でも別にどうでもいいや。
関連記事を読んでいないんですが、ル・フィガロやル・モンドに、フィンケルクロートがニコラ・サルコジを後援するようなことが書かれていたらしく、本人はそれを否定。あれ、違うんだ?それは意外だった。でもやっぱり別にどうでもいいわ。
【2007/02/07】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「真実のセゴレンヌ」対「真実のサルコジ」
大統領選候補者のウェブ上の戦いの話です。

imasaruさんディスコ・サルコのことを取り上げていらっしゃって、これ、私も見たことがあるのですが、「あまりにもつまらん・くだらん」って思って、しかも作者の意図が読めないし(imasaruさんと同じく「アンチ・サルコジからのイメージダウン戦略?」とか、「サルコジを小バカにして笑おうってことかな?」とか思ったのですが、どうも逆のような気がしました)、このブログで扱う気になりませんでした。imasaruさんとこのコメントにも書きましたが(入力ミスったまま投稿してしまった)、あまりにスマートで長身なニコラ、ずいぶん実物とかけ離れているぢゃないか。もっと縦に縮めろ。
しかしimasaruさんのフォローによると、これもウェブ戦略のひとつだったようですね。どうやらメール・アドレス収拾作戦でもあるらしい。

それはそれとして、以前imasaruさんからの情報で見たカソヴィッツ・ブログの最新エントリー(といっても2006年10月)で取り上げられているアンチ・サルコジのクリップ「Le Vrai Sarkozy(真実のサルコジ)」のことが、ル・モンドの記事に載っていました。
この記事によると、問題のクリップの閲覧者はかなりの数にのぼるらしく、Dailymotion、You Tube、Google Videoで記録的な数字を更新中だとか。

そして、UMPメンバーの若手がこれに対抗して「Le Vrai Vrai Sarkozy(本当に真実のサルコジ)」というクリップを流したとのこと。こちらは、「Arret sur Images」という国営TV局France5の番組で放映されたルポルタージュの抜粋。この番組は、ニュースで流された映像をさまざまな角度から検証するもの(例えば、制作側の意図に沿うよう故意の編集によって作り上げられていないか、など)。2005年11月、アルジャントゥイユという郊外都市にサルコジ内相が訪問した際、「racaille(ごろつき、人間のクズ)」という言葉を使ったことで波紋を呼び、そこから事態の沈静化が困難なまでの騒ぎに発展したことは忘れられない大事件でしたが、「Le Vrai Vrai Sarkozy」のルポルタージュ映像では、この訪問の際、サルコジ内相は住民の声に熱心に耳を傾けてくれた、とか、実は住民の一人の女性がまず最初に「racailleを追い出してよ」と内相に語りかけたのであって、ニコラ・サルコジはそれに答えて同じ「racaille」という言葉を使ったのだ、とかいう証言が取り上げられています。
しかし、この対抗作戦は成功したとは言い難いようで、アンチ・サルコのクリップに比べ、その閲覧数は足元にも及ばない(UMP側のは3600あまり、アンチ・サルコのは150万!)。

20070205233803.jpgそして、今度は違った対抗クリップが。その名も「La Vraie Segolene(真実のセゴレンヌ)」。この製作者本人はUMP支持者ではないと主張しています。ただ、アンチ・サルコのクリップがあるのだからアンチ・セゴのクリップがあってもいいじゃないか、と思ったとのこと。また、製作者は、有権者が世論調査の統計とイメージに騙されてセゴレンヌ・ロワイヤルに投票することを危惧しているようです。
ちなみに内容は、セゴレンヌ・ロワイヤルがフランソワーズ・ド・パナフュー(UMP党員)にイスラエルのホテルですれ違ったとき、後者からの厳しい批判を受けた後だったので「あなたには挨拶しない」と断ったとか(政治レベルの話なのに個人関係に混同した)、「bravitude」という存在しない語を発したとか、ケベック独立の話とか、フランス所有の原子力潜水艦がひとつと答えた(正解は七つ)とか。
製作者は、「Le Vrai Sarkozy」とは名前と一部の音楽以外には全く類似性がないので比較しないでいただきたい、とコメントをつけています。そして「これは社会党に指導されたプロのチームが作ったものではない」とも。
このコメントからすると、「Le Vrai Sarkozy」は社会党が作ったということのようですが…その辺の真相はちょっとわかりません。
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【2007/02/05】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
サルコジを支持しつつロワイヤルに投票する郊外
ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュがこのほど公表した世論調査によると、大都市特性保全区(zones urbaines sensibles、略してZUS)、つまり治安に問題があるといわれる郊外都市の有権者は、地域の問題解決に関してサルコジ候補に最も信頼をよせているものの、実際には左派に投票すると回答している率が高いとのこと。

投票率が低いと言われる郊外都市ですが、今回の調査で、有権者リストに登録している人(600名が対象)の88%が「確実に投票する」意志があると答えており、「多分投票する」と答えた人の8%と合わせると9割を超え、かなり高い数字。反対に、「多分投票しない」という回答は3%、「確実に無投票」が1%。

そんな有権者たちが期待をよせている候補者は誰か?
「郊外の問題を最も良く考慮している」候補者として、ニコラ・サルコジが一番に。彼の名を挙げたのは27%で、23%のセゴレンヌ・ロワイヤルを上回っています。三番目はオリヴィエ・ブザンスノ(6%)、続いてアルレット・ラグィエ (5%)、マリー-ジョルジュ・ビュッフェ (4%)、フランソワ・バイルー(3%)。ジャン-マリー・ル・ペンはわずか1%。

また、45%が左派に投票すると回答。右派に投票すると答えた19%を大きく引き離しています。7%が「どちらでもない」、3%が「棄権する」とのこと。

足し算すると数字が合わない…というのは、無回答が26%いるから。
有権者リストに登録している600名を対象にした「どの候補者に投票するか決めていますか?」という別の質問には、半数以上の53%が「いいえ」と答えています(「はい」が45%、「棄権する」が2%)。この有権者の票が選挙結果を左右するだろうことがわかります。

郊外では新たに有権者リストに登録した若者の数が多く、この層によるサルコジ阻止票もありそう。実際、上の世論調査で、若年層ではニコラ・サルコジに比べてセゴレンヌ・ロワイヤルの支持率が高い。前回の大統領選で、事前の世論調査からは予想できなかった結果が出たことのひとつに、調査対象があらゆる有権者層(年齢に限らず社会環境の違いなど)を網羅していなかったから、という説もありました。今回も、浮動票だけでなく、新たな有権者たちの票によって、メディアで宣伝されているような予想とは違った結果が出る可能性が大きそうな気がします。

参照:
Le Mondeより



ジュルナル・ドュ・ディマンシュ発表の統計結果はこちら(PDF形式)
【2007/02/05】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
ブリューノ・ルベルが自身の資料を閲覧
rebelle.jpgグリーンピースの元責任者で、セゴレンヌ・ロワイヤルの環境顧問であるブリューノ・ルベルが、3日の土曜、総合情報局によって作成された自身の資料を閲覧。

セゴレンヌ・ロワイヤルのライバルであり内相の立場にあるニコラ・サルコジが、総合情報局にルベル氏の身辺調査を指示した、と週刊紙「カナール・アンシェネ」に暴露されたことが発端(これについては前エントリーをご参照ください)。
ブリューノ・ルベルは個人のプライバシー侵害で起訴しています。

総合情報局は、内相の管轄下でフランスの国家警察機関に属し、国家にマークされた組織や個人について調査を行う機関。但し、情報科学と自由に関する全国委員会(CNIL)を通して、総合情報局が作成した資料の閲覧を求めることができます。閲覧の際には、資料のコピーをとることが禁じられていますが、メモをとることは許可されています。

このほど、ブリューノ・ルベルは1時間半以上にわたって自身の資料を参照。
ロイター通信に語ったところによると、環境保護団体グリーンピースのフランスの責任者だった1997年から2003年、グリーンピースの計画に関する国際責任者だった2003年から2006年の間の情報がかなり多かったとのこと。
そして、「2007年1月以降、首尾一貫していないメモと新聞の切り抜きが増えています。私がセゴレンヌ・ロワイヤルのチームに加入したことが言及されていました」「更新のタイミングとその理由に脈絡のなさが認められる」とも述べています。

ルベル氏は2006年11月にグリーンピースから離れ、2007年1月4日にセゴレンヌ・ロワイヤルの環境顧問を担当すると発表しています。「1月5日と6日のメモが過多」であり、ルベル氏はそのときに身辺調査指示があったのではないか、とみています。

この件を暴露したカナール・アンシェネ紙のブリジット・ロシニュー記者は、ニコラ・サルコジ事務局からの緊急要請によりブリューノ・ルベルの資料が更新され、6名の職員が彼の「私生活」に関する調査に携わったと断定しています。

この私生活とは、特に離婚についてだったようです。
が、ル・モンドやル・パリジャンなど他の新聞が入手した資料には、離婚に関する調査の形跡はなかったとのこと。ブリジット・ロシニューは、彼らのところに「ライト・バージョン」が渡ったのだとしています。
ブリューノ・ルベルは、総合情報局に見せてもらった資料は内容を和らげたものだと考えているようです。「新聞に暴露されたような私生活に関する項目はなかった」ので、「物足りない」と述べています。
また、現在、情報がどこから漏れたのかを機関内で調査中だそうですが、もし本当に情報漏れがあったのなら、やはりそういう調査事実があったということなのではないか、とも。

社会党はニコラ・サルコジ内相の辞任を要求しています。
実際のところ、サルコジ氏は、大統領選候補になったところで内相を辞任するつもりであったし、選挙運動に専念するためにも周囲から辞任を勧められていました。しかしこのような問題が起こった後では政敵からの要求を受け入れる格好になるので辞任しづらい(したくない)。というわけで、辞任すべきかどうかジレンマに陥っているらしい。

参照:
Yahoo Franceより

「Bruno Rebelle a consulté le dossier des RG le concernant」 (Reuters)
「Fiche aux RG, Bruno Rebelle releve des "incoherences"」(AP)
【2007/02/05】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「地球に5分間の休息を」
先程、目を引いたニュース。木曜夜、5分間だけ電気を消そう、という呼びかけの話題です。

これは「地球に5分間の休息を」という運動で、地球温暖化の問題への意識を高めようと、70の環境保護団体から、19時55分から20時の5分間、電燈を消すようフランス全土の市民や行政組織に呼びかけられているもの。
「地球のための同盟(Alliance pour la planete)」という団体の代表者の説明によると、明かりを消すことで温暖化現象へ直接的な効果があるわけではありませんが、「強烈な象徴として」電燈の光を選んだとのこと。

しかし、この消燈時間が過ぎて一斉に電気をつけたとき、送電網に打撃があるのではないかと心配する声も。通常、この時間が電気消費量の跳ね上がるピークの時間なのだそう。今までにない試みなので、どのような影響が出るか見当つきかねる、というのが正直なところのようです。

環境問題に関心のある地方自治体では、市長がこの運動への参与にGOサインを出しています。
イルミネーションで有名なパリのエッフェル塔も消燈予定。また、パリ2区では区議会のすべての電燈が消されるそうです。
この動きは地方でも。トゥルーズではキャピトル広場でのキャンドル集会が予定されており、マルセイユでは市長からの要請によりノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院の照明が消されるとのこと。

参照:
Yahoo Franceより

「La France invitee a debrancher cinq minutes jeudi soir」(Reuters)
【2007/02/01】 | actu de la societe francaise 〜フランス社会事情〜 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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