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サッカーにまつわる二つの出来事 その2

 2006-11-27
引き続き、サッカー関連場外事件。

11月23日木曜夜、パリのサッカーチーム、パリ・サン・ジェルマン(PSG)のホーム・グラウンド、パルク・デ・プランスで、ハポエル・テル-アビブとの試合が行われた後、スタジアム付近でPDGのサポーター一人が死亡する事件がおきました。

試合は、PSGが2-4で負け、緊張した雰囲気があったと思われます。PSGのサポーターのグループの中にはフーリガン化したものがあり、以前もグループ間のいざこざなどがあったため、スタジアム周辺には警察が配置されていたようですが、事件が起きた場所には警備がなかったようです。
この場に居合わせたL'EXPRESS誌の社会欄の編集長、フィリップ・ブルッサールがサイトに目撃証言を載せています。他で報道されていることと総合すると、私服の若い警官がハポエル・テル-アビブのサポーターを庇ってPSGのサポーターの集団(手前に数十名ほど、その背後に200~300人)に追いつめられた末、もみあって発砲した、ということらしい。警官はマルティニーク出身の黒人男性、アントワン・グラノモール(32歳)。普段は交通機関の警備に配属されている警官で、当日はスタジアム周辺の配置についている警察の車を警護する担当を請け負っていたとのことですが、警察の腕章をつけておらず私服姿でした。彼と彼が保護しようとしたヤニフ・アズット(23歳)を、PSGサポーター集団は「汚い黒人!汚いユダヤ人!」と罵りながら追いかけたそうです。グラノモール警官は催涙ガスを使用したものの事態の収拾がつかず、腹や顔を殴られたり蹴られたりの暴行を受け、発砲。その後、近くにあったマクドナルドへ避難。機動隊が到着して沈静化するまで、暴徒と化したサポーター集団はナチス式敬礼をしたり「赤、青、白、フランスをフランス人に!」などと叫び続けながら建物を取り囲んでいたとのこと。
警官の発砲により、ムニール・ドゥシャール(26歳)が怪我を負い、ジュリアン・ケムネール(25歳)が死亡。撃ったのは一発のみで、弾はドゥシャールさんの肺を貫通し、ケムネールさんの心臓に達したと推定されています。ドゥシャールさんの命に別状はないそうです。
その後、土曜夜、発砲は正当防衛と認められてアントワン・グラノモールは釈放されました。予審判事の決定により、彼は当面「現場に立ち会った証人(temoin assiste)」とされ、過失致死の追及はされない予定。警官の仕事もそのまま維持できることになりました。
反対に、PSGサポーター3人は拘置され、特に反ユダヤ主義性、公務執行妨害、マクドナルドへの損害のかどで尋問を受けています。

以前から問題を起こしてきたPSGサポーターグループの一つ、「ブローニュ・ボーイズ」。今回の事件の当事者たちはこのグループに属していました。彼らは極右的傾向を露わにしているフーリガン。
すでにフーリガン71人がスタジアムへの出入りを禁止されているそうですが、土曜、サルコジ内相はパリ警視庁にこのブラックリストを完成させるように要請したと発表。
週明けの月曜、パリ市は、今週中にこの問題に関わる治安面の解決について話し合いをしていく意志を表明。週末の間に、PSGへの補助金停止を求める声があがっており、パリ市は「人種差別的行為と暴力的行為を根絶するためにはどんな方法も辞さない」構え。しかし出入り禁止リスト作成措置には反対し、当事者に責任を負わせるべきという考えで、「チケットの管理はサポーター・クラブに任せたい」とのこと。この「クラブ」とは暗にブローニュ・ボーイズを指しているようです。また、パリ市の安全課補佐官、クリストフ・カレッシュは、サルコジ内相に適用可能な法に基づいてブローニュ・ボーイズを解散してほしいと要請。

他方、FNの党首ル・ペン氏は、この事件に彼自身又は党が関わっている事実はなく、フーリガンがFNのスローガンを叫んでいたと発表した検事を名誉毀損で訴えると述べています。検事は「こちらには証言があります」と反論。まあ、党の方針が方針ですから、こういう事件で名前を叫ばれても今更名誉毀損とか言えないんじゃないの…と思いますが。

それにしても、最初はちょっと状況がよくわからず、警官の発砲ももしかしたら濫用か?…と疑いもありましたが、ニュースを追っていくうち集団リンチ的な恐ろしさがあったということも伝わってきて、どうやら正当防衛が認められたようで、まあひとまず納得いったというか。
しかし、過失致死の裁きはないっていうのは…どうなんだろう。相手方の人種差別的行為+暴力行為の罪が重すぎて帳消しにされたということなんだろうか。警官だったということもあるのかな。(→正当防衛が認められたんだから当たり前。それでもやっぱり「この国では本当に、人種差別の罪は重いですよ」と思う。)でも、私服で腕章もなく、警察とわからなかったようだし…公務執行妨害というのもどうなんだろう。

こういった事件は「起こるべくして起こった」という感じもします。ブローニュ・ボーイズ(って、そんなダサい名前つけなくても…と思う)は、かなり前から問題になっていたし、最近は試合中に黒人選手がボールを持つと猿の鳴きまねをされたり罵声を浴びせられたりと人種差別的な反応の問題も取り沙汰されていたので。それにしてもサッカーのサポーターの熱狂と「ナチス的」と形容されるような傾向にどういう関連があるんでしょうか。精神分析学的、社会学的に分析してみると面白そうなのですが。

参照:
Yahoo Franceより

「Le PSG et le football rattrapes par la violence」(Reuters)
「Affaire PSG: le policier beneficie du statut de "temoin assiste"」 (Reuters)
「PSG: le policier laisse libre, mesures contre les supporteurs 」(AFP)
「Affaire PSG: Le Pen va porter plainte contre le procureur」(Reuters)
「La mairie de Paris annonce des mesures après l'incident du PSG」(Reuters)

※後日訂正しました。
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