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昨年の「アレ」に与える言葉

 2006-10-30
さて、昨日紹介したル・モンドの記事で思い出して、以前のfenestraeさんのページを読み直しました。(いや~、やっぱりすごい切れ味です。あまりに長期なお休みなのが非常に残念。)
暴動現象が起こっている間にも、すでに「検挙された若者達の多くは累犯者ではない」とする報道がなされていたんですよね。実際、ル・モンドの記事を読みながら「何を今更、新しい見解とか言ってるんだろう」と思ったんですけど。

それと、もうひとつ、暴動現象が広がりをみせていた時期に、総合情報局がさっさと内相の見解を覆す報告を提示していたことが、fenestraeさんの別のページに詳しく書かれています。それは、内相が当初「組織だった暴動」と見なしていたのに対し、総合情報局は「自然発生的なものである」と報告していたこと。

このfenestraeさんの2005年12月8日のページを再読したら、暴動が「自然発生的である」という見方、それに続くfenestraeさんによる言葉の選択についての説明が、最近ル・モンドで興味を引かれた記事と近似していました。
そのル・モンドの記事とは、昨年秋の騒ぎをどのように呼ぶか、という話。
フランスのほとんどのメディアは「emeute」という言葉を使っています。これは、仏和辞書をひくと「暴動・騒動」と書かれています。また、仏仏辞書によると「Soulevement populaire, generalement spontane et non organise, pouvant prendre la forme d'un simple rassemblement tumultueux accompagne de cris et de bagarres(概して自然発生的で組織化されていない民衆の蜂起、叫びや乱闘を伴なう騒然とした単なる集まりという形をとることもある)」と記されています(フランス語部分はル・モンドの引用を引用)。では、他の単語ではなく、何故この言葉なのか?
ル・モンドの記者、リュック・ブロネールは、「『soulevement(反乱・蜂起)』という言葉は組織的なものを連想させる。〔…〕しかし『emeute』は、集団的な現象であるが、ある程度自然発生的なものを表す」と説明しています。つまり、彼は「自然発生的なもの」というところに違いを見出しており、また、郊外で起こった騒ぎはそういうものだと見なしているということです。
この点で、先に触れたように、サルコジ内相と総合情報局の見解が異なっていました。総合情報局が作成した報告書の中では、この現象を言い表わすのに「insurrection non organise(組織化されていない暴動・反乱・蜂起)」「revolte populaire(民衆の反乱・反抗)」が用いられています。逆にサルコジ内相がいうような組織だった動きを「soulevement generalise et organise(全体的で組織化された反乱・蜂起)」と呼び、その可能性を裏付けるものはないと報告しています。
また、マスメディアで、時に「violences urbaines(都市暴力)」という語も使われていました。これは、ブロネール氏によれば、どちらかというと日々起こる事件・事故のことを指すもの。その他、ヴィルパン首相は「troubles sociaux(社会的混乱)」とも言いました。結局、ル・モンドでは消去法的に選択し、「emeutes」に落ち着いたそうです。
しかし、この語については、外部からの異論も多かったようです。例えば、パリ郊外のモントルイユ市長は、「死人がでるようなもっと過激なもの、例えば1992年のロサンゼルス暴動のようようなものに用いるべきだ」とし、「evenements(出来事・事件)」という語の方がよいと考えたそうですが、ブロネール氏は「その語ではあまりに平坦」という意見。「evenements」は複数形で「(革命に近い一連の)事件」の意で、フランスで起こった1968年の動きを言い表わすのによく使用されます。
ル・モンドだけでなく、他の大部分のメディアも「emeutes」を使っています。フランス共同通信(AFP)は「incidents(小さな事件・事故、または、紛争・いざこざ・トラブル)」と微妙に使い分けていたようです。例えば、機動隊との衝突、車の放火、商店が破壊などの損害にあった場合などは「emeutes」を使用。「soulevement」「revolte(反乱・反抗)」という語は、インタビューなどで誰かの口から聞いた言葉として使われたとのこと。というのは、これらの語は、ある方向性を示すもの、すなわち左派的な語の選択と感じられるため。

ところで、私は日本語で何と呼べばよいか、ずっと迷いながらいくつかの言葉を使っていました。「emeutes」をそのまま訳して使えば「暴動」か「騒動」(「騒じょう」というのもある)です。日本のメディアでは「暴動」を使っていますね。これだと危険度がかなり深刻な感じ(すべての地域住民の生命がかかっているかのような)がするので躊躇してしまいます。でも、そこに「暴力」があることを否めないし、一連の社会的現象として「動き」であるので、「暴動」と呼んでもいいかと思っています。個人的な感覚なのでしょうが、「騒動」というと、コメディ風ドタバタとかすったもんだを思い描いてしまいがちで…なんかピンとこないというか。ただ、国語辞典をみると、暴動とは「徒党を組んで社会秩序を乱すような行動をとること」とあり、最初の部分がちょっとひっかかるのですが…。
しかし、どうしても「暴徒」という語は使う気になれません。

本当に、昨年のアレをどう呼べばいいのか、いつも困っています。どうもしっくりくる語が見つからないんですよねぇ…。単にボキャブラリーがないだけかしら。
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